【特別企画】待望のオーディオ用ハイエンドNASがついに登場
バッファローのオーディオ用NAS“DELA”「N1Z/N1A」開発者インタビュー
■オーディオユーザー目線で刷新した「ツリー表示」
荒木氏 いわゆる「ツリー表示」も放置されてきた要素のひとつです。ツリー表示とは、プレーヤーやタブレットからNASを見たときの、「アーティスト名」や「アルバム名」などの分類のことですね。昨年、あるオーディオショーでdCSの開発者とお話する機会がありました。NASへの要望を尋ねると、最初に出てきたのが「NASのツリー表示がむちゃくちゃなのは何とかならないのか」というものでした。
ーー ネットワーク再生では、再生アプリで曲を選ぶ際も「フォルダ」から検索していくことも多いですよね。
荒木氏 はい。ですから「フォルダ別」のような使う頻度の高い項目をなるべく上の方に表示しました。また、作曲家別、年代別といった項目も新たに作りました。プレーヤー側がツリーのソートを行う場合は、表示はそちらに従うようにはなります。
ーー 「フォーマット別」で選曲ができるようになったことも便利です。
荒木氏 これだけフォーマットが問題にされる中で、フォーマットごとにソートできるNASがこれまでなかったのです。技術的には実装も可能だったのですが、ユーザーの声が届いていませんでした。N1シリーズでは、FLAC形式の曲だけ表示、DSF形式の曲だけ表示、といったことが可能です。フォーマットごとの聴き比べを頻繁に行うオーディオファンには特に重宝される機能でしょう。
■外付けストレージのUSB接続で容量追加も可能
ーー 「N1Z」はSSD容量が1TBですが、ハイレゾ音源をメインに運用する場合、ちょっと足りないという方も少なくないのではないでしょうか。
荒木氏 USB-HDDを接続しての容量アップも可能です。「N1Z」は4つ、「N1A」は3つのUSB端子を搭載しています。うち1系統がUSB-HDDを接続することが可能で、こちらに保存した音源はDSDも含め、本体に保存した音源と同等に配信できます。
ーー それを聞いて安心しました。
荒木氏 USB端子は「EXPANSION」「BACKUP」「USB3.0」と3種類が搭載されていて、それぞれ自動的に挙動します。「EXPANSION」は先ほどの容量拡張用、「BACKUP」は内蔵SSD/HDDをバックアップするための端子です。「USB3.0」は現時点では取り込み用で、ここにUSBメモリーなどを挿すと、保存されているアートワークやライナーノートも含めたファイルが全て自動的に内蔵SSD/HDDに取り込まれます。ちなみに、この「USB3.0」という表記には将来に含みを持たせています。
■これまでのNASの常識を覆す拡張性の高さ
ーー 「USB3.0」端子には、他のデバイスを接続できる可能性があるということでしょうか。
荒木氏 その通りです。将来的には、CDドライブを接続して直接リッピングを行う、という機能も実現できるかもしれません。DELAシリーズにはパソコンをなるべく使わないというビジョンがありますが、それを推し進めていくとリッピングもNASだけできた方がいいですよね。
ーー パソコンなしでリッピングができれば非常に便利ですよね。これまでも、他社製品ですがドライブを一体化したNASが登場したことがありました。
荒木氏 ただ、リッピングを使いやすく実装するのはとても難しいことです。Gracenoteで取得したメタデータが、間違いではないけれども、表記が揺れているということがあります。これをパソコンなしで自動で修正する仕様は簡単ではありません。DELAにラインナップする以上、こうしたメタデータ管理も含めて快適なリッピングをアシストするところまで実現しなくてはと考えています。
ーー パソコンから修正すればいいという話になるのでしょうが、パソコンからできない人こそが一体型を買いますからね。その考えにDELAの一貫した思想を感じます。DSD対応については従来どおりでしょうか
荒木氏 新たにdsfフォーマット再生時にタイムバーの表示が可能となりました。
ーー その他、機能面で進化した点というのがあれば教えてください
荒木氏 これまでAIFF形式のメタデータには未対応でしたが、N1シリーズで対応しました。AIFFへの対応の重要性も店頭での聞き取りから認識したもので、非圧縮形式ながらメタデータの管理が容易なAIFFを用いてリッピングしているユーザーがかなり多いことが分かったのです。
ーー 細かい点まで改善されているのですね。ネットワークオーディオのユーザーはこれまで、NASに関する疑問やトラブルを誰に伝えればいいのか分かりませんでした。プレーヤーのメーカーや輸入代理店でも、NASについて答えるのは難しかったはずです。挙げていただいた改善点は単純なことも多いですが、どれも使い勝手を左右する重要なものだと思います。N1シリーズはこれまでのNASの課題をほぼクリアしたという印象です。
荒木氏 いわゆる「ツリー表示」も放置されてきた要素のひとつです。ツリー表示とは、プレーヤーやタブレットからNASを見たときの、「アーティスト名」や「アルバム名」などの分類のことですね。昨年、あるオーディオショーでdCSの開発者とお話する機会がありました。NASへの要望を尋ねると、最初に出てきたのが「NASのツリー表示がむちゃくちゃなのは何とかならないのか」というものでした。
ーー ネットワーク再生では、再生アプリで曲を選ぶ際も「フォルダ」から検索していくことも多いですよね。
荒木氏 はい。ですから「フォルダ別」のような使う頻度の高い項目をなるべく上の方に表示しました。また、作曲家別、年代別といった項目も新たに作りました。プレーヤー側がツリーのソートを行う場合は、表示はそちらに従うようにはなります。
ーー 「フォーマット別」で選曲ができるようになったことも便利です。
荒木氏 これだけフォーマットが問題にされる中で、フォーマットごとにソートできるNASがこれまでなかったのです。技術的には実装も可能だったのですが、ユーザーの声が届いていませんでした。N1シリーズでは、FLAC形式の曲だけ表示、DSF形式の曲だけ表示、といったことが可能です。フォーマットごとの聴き比べを頻繁に行うオーディオファンには特に重宝される機能でしょう。
■外付けストレージのUSB接続で容量追加も可能
ーー 「N1Z」はSSD容量が1TBですが、ハイレゾ音源をメインに運用する場合、ちょっと足りないという方も少なくないのではないでしょうか。
荒木氏 USB-HDDを接続しての容量アップも可能です。「N1Z」は4つ、「N1A」は3つのUSB端子を搭載しています。うち1系統がUSB-HDDを接続することが可能で、こちらに保存した音源はDSDも含め、本体に保存した音源と同等に配信できます。
ーー それを聞いて安心しました。
荒木氏 USB端子は「EXPANSION」「BACKUP」「USB3.0」と3種類が搭載されていて、それぞれ自動的に挙動します。「EXPANSION」は先ほどの容量拡張用、「BACKUP」は内蔵SSD/HDDをバックアップするための端子です。「USB3.0」は現時点では取り込み用で、ここにUSBメモリーなどを挿すと、保存されているアートワークやライナーノートも含めたファイルが全て自動的に内蔵SSD/HDDに取り込まれます。ちなみに、この「USB3.0」という表記には将来に含みを持たせています。
■これまでのNASの常識を覆す拡張性の高さ
ーー 「USB3.0」端子には、他のデバイスを接続できる可能性があるということでしょうか。
荒木氏 その通りです。将来的には、CDドライブを接続して直接リッピングを行う、という機能も実現できるかもしれません。DELAシリーズにはパソコンをなるべく使わないというビジョンがありますが、それを推し進めていくとリッピングもNASだけできた方がいいですよね。
ーー パソコンなしでリッピングができれば非常に便利ですよね。これまでも、他社製品ですがドライブを一体化したNASが登場したことがありました。
荒木氏 ただ、リッピングを使いやすく実装するのはとても難しいことです。Gracenoteで取得したメタデータが、間違いではないけれども、表記が揺れているということがあります。これをパソコンなしで自動で修正する仕様は簡単ではありません。DELAにラインナップする以上、こうしたメタデータ管理も含めて快適なリッピングをアシストするところまで実現しなくてはと考えています。
ーー パソコンから修正すればいいという話になるのでしょうが、パソコンからできない人こそが一体型を買いますからね。その考えにDELAの一貫した思想を感じます。DSD対応については従来どおりでしょうか
荒木氏 新たにdsfフォーマット再生時にタイムバーの表示が可能となりました。
ーー その他、機能面で進化した点というのがあれば教えてください
荒木氏 これまでAIFF形式のメタデータには未対応でしたが、N1シリーズで対応しました。AIFFへの対応の重要性も店頭での聞き取りから認識したもので、非圧縮形式ながらメタデータの管理が容易なAIFFを用いてリッピングしているユーザーがかなり多いことが分かったのです。
ーー 細かい点まで改善されているのですね。ネットワークオーディオのユーザーはこれまで、NASに関する疑問やトラブルを誰に伝えればいいのか分かりませんでした。プレーヤーのメーカーや輸入代理店でも、NASについて答えるのは難しかったはずです。挙げていただいた改善点は単純なことも多いですが、どれも使い勝手を左右する重要なものだと思います。N1シリーズはこれまでのNASの課題をほぼクリアしたという印象です。