DVD+RW規格に対応したドライブとメディアを商品化「リコー MP5120A」を新発売

DVD+RW/CD-RWドライブ「MP5120A」とDVD+RWメディア

●?リコーは、DVD-ROMドライブやDVDビデオプレーヤーとの再生互換性に優れた書き換え型DVD規格「DVD＋RW」に対応した製品として、CD-RWドライブ機能を併せ持つスーパーコンビネーションタイプの「リコー MP5120A」を開発し、新発売する。また同時にDVD＋RWディスクも発売される。

近年の技術革新により、ハードディスクをはじめとした記憶媒体の大容量化や通信のブロードバンド化が進展していく一方で、パソコンでテレビが見ることができる環境の普及が進んでいる。今後、動画などの配信サービスの開始などにより、大容量データを扱う機会の増大が見込まれており、パソコンとAVの世界をシームレスに連携することができるリムーバブルの大容量メディアへのニーズが高まっている。DVD＋RW規格は、このようなニーズに応えるために策定された書き換え型DVD規格で、CD-R/RWを推進してきた各社を含む、ソニー株式会社、米デルコンピュータ社、仏トムソン・マルティメディア社、米ヒューレット・パッカード社、蘭フィリップス社、三菱化学株式会社、ヤマハ株式会社、リコーの8社で構成される「DVD＋RWアライアンス」が推進しているものである。

DVD＋RWは、CD-ROMドライブやCDプレーヤーとの互換性（※一部のDVD-ROMドライブやDVD-Videoプレーヤーでは読み出せない場合がある）を武器に普及したCD-R/RWの思想を踏襲し、CD-RWドライブユーザーに違和感なく使用できるように、4.7GBというDVD-ROMと同等の大容量を実現した上で、２つの特徴を備えている。一つは既存のDVD-ROMドライブやDVD-Videoプレーヤーとの高い互換性を実現した上にデータの追記・編集も自在になったことだ。記録層そのものの物理的な構造をDVD-ROM互換とするとともに、高周波ウォブル(細かい記録溝の揺らぎ)とアドレッシング補正により、追記・編集時のデータのつなぎ目を1ミクロン以下と、極めて小さくしており(ロスレスリンキング)、追記・編集をしても互換性の維持を実現している。さらに、DVD＋RWドライブとDVD＋RWビデオレコーダーとの相互互換により、パソコンとAV機器の世界の融合を可能にするのである。

２つめはフォーマット時間の短縮、高速書き込みなど、優れた使い勝手を実現したことだ。フォーマット時間の短縮は、まず、書き込み開始に必要となる一部分のみをフォーマットすることで、通常の方法でのフォーマットに比べ、約1/20となる1分強で書き込み開始を可能にしている。残りの未フォーマット部分は、ドライブが自動的に、書き込み・読み出しをしていない時に随時フォーマットするのだ(バックグラウンドフォーマット)。また、書き込み速度は2.4倍速(CD換算で約20倍速)まで規格化されていることを付け加えておく。

では本製品の説明をしよう。「MP5120A」はDVD+RWとCD-RWの機能を1台に集約したスーパーコンビネーションドライブである。従来のCD-RW&DVD-ROMのコンビネーションドライブで培ったノウハウを活かし、各種新規機構を開発することにより、DVD＋RWの書き換え機能の搭載を実現した。「スーパー」とはそのような位置付けである。これにより、DVD-ROMやDVD-Videoが簡単に作れる上、DVD-ROMでは互換性を保ったまま、自由に追記・編集ができ、CD-R/RW以上の使い勝手でパソコンデータの大量保管(4.7GB)が可能となった。さらに、特筆すべきはAV機器から直接画像を取り込んでDVD-Videoの作成が可能となったことだ。ビデオデッキやデジタルビデオカメラなどのAV機器の映像を、一旦ファイルに落とさずに直接DVD＋RWディスクに録画できるDirect-to-DVD機能を搭載。DVD-Video録画後のDVD＋RWディスクは、既存のDVD-VideoプレーヤーやDVD-ROMドライブで再生可能。残しておきたいビデオライブラリーのコンテンツのバックアップ等が容易になったことは便利というしかない。同梱ソフトはビー・エイチ・エー社の「B's CliP　TM」、「B's Recorder GOLDTM」、ソニック・ソルーションズ社の「MyDVDTM」、松下電器産業株式会社の「Motion DV Studio」、イージーシステムズジャパン社の「earjam Internet Music PlayerTM」、インタービデオ社の「WinDVDTM」、リコーの「DIGICLIPR」、さらに自由に使用できるムービークリップ集を添付。DVD-Videoの作成に便利だ。（AV　REVIEW編集部）