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えっ、高精細1500i表示!? ビクターが新世代高画質デジタルテレビ技術「DET」を開発

公開日 2001/09/18 22:39
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実際にデモされた1500iの高精細表示
●日本ビクターは、地上波放送やDVDビデオなどのNTSC映像(525i)からBSデジタルハイビジョン放送(1125i)までの、さまざまな映像信号入力を上位変換し、従来にない総走査線数1500本の高精細映像で表示できる独自の新世代高画質テレビ技術「DET(Digital Emotional Technology)」を開発。また、この技術の主要デバイスとして、新開発の走査線変換処理アルゴリズムをソフトウェアで実現したDSP(デジタル・シグナル・プロセッサー)および映像変換LSIも開発したことを発表した(関連特許6件申請中)。

この技術は、従来のプログレッシブ変換では成し得なかった高精度なIP(インターレース→プログレッシブ)変換を行う基幹技術であり、多様な放送フォーマットを、常に最適な高精細映像で映し出す"統合表示フォーマット"。この基幹技術「DET」は、ブラウン管(CRT)をはじめ、プラズマディスプレイパネル(PDP)や当社独自開発の高精細表示デバイス「D-ILA」など大画面高精細ディスプレイに幅広く応用展開が可能となる。

同社ではこの技術を、今後発売する各種のテレビに順次搭載し、商品化していく予定で、実際、記者発表会においてもすでに36インチCRT機でデモが行われた。DET技術の言葉に含まれる「Emotional」はデジタル映像時代においても、感動・感情を与えられる技術、感性に訴えかけられるフォーマットを提案をしたいという意味が込められている。

今回のDET技術の要点は、「表示フォーマット」の提案であるということ。放送フォーマットや映像信号フォーマットの提案ではない。また、インターレース表示にこだわっているわけでもない。今回、たまたま1500iという表示信号形式になったのは、民生用CRTをフォーカスしたことによるという。偏光系の物理的な制限のあるCRT向けで最大周波数を必要とする720pと同じ45kHzに抑えた結果からくる。

今後普及していくであろうプラズマや液晶テレビ、DLPなどの固定画素なら、偏向系の工夫は必要なく、水平解像度はもっと本数を増やせることになる。しかも、本数を増やすのにはDET技術なら半導体レベルで可能で、CRTをマルチスキャン化にするのに比べ、よりコストパフォーマンスがよくなることになる。同社では現行放送フォーマットの整数倍で完結する1500iを広く業界に提案していくという。

日本ビクター発表による主な特長は以下のとおり。

1.多様化する映像信号の高精細映像表示を実現
地上波放送からBSデジタル放送のD4信号フォーマット(525i/525p/750p/1125i)まで、あらゆる映像入力ソースをシームレスに1500i映像への上位変換を実現。これにより、地上波放送の垂直方向走査線数が従来比3倍に高精細化し、現行放送やDVDの映像(525i)が従来にない総走査線1500本の高精細映像になる。その結果、ジャギー(画像のふちのギザギザ)低減と垂直解像度が飛躍的に向上する。

2.異なる信号フォーマットを高精細映像のまま同時マルチ表示/シームレス切替可能
総走査線数1500本の実現により、マルチ画面表示の際、現行放送(525i)の走査線情報を損なうことなく、垂直方向に縮小画面を3つ並べることが可能になり、データ放送などの小さな文字もくっきり表示する。また、表示フォーマットを切替えた時も、シームレス(連続的)に再生を行う。

3.ブロードバンド時代のインターネット表示に最適
偏向水平周波数を750pと同一の45kHz、ピクセルクロックは74.25MHz表示にし、XGA(1024×768ドット)グレードの大画面表示を実現。これにより、インターネットのブロードバンド化やデジタルカメラの高画素化などを背景にした、家庭での大画面表示ニーズに対応した。
(AVレビュー編集部)

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