【質疑応答編】マランツとデノンの経営統合、その真意を探る
質問に答えた日本マランツ会長の株本辰夫氏 |
記者会見場で行われた質疑応答を掲載しよう。
Q:交渉を始めた時期は?また、どちらから交渉を仕掛けたのか?
A:具体的には新生デノンがスタートしてからだ。普段から交流があり、訪問しあったりする中で自然に決まっていった。特にどちらから話を出したということはない。
Q:統合に至った背景をもう少し詳しく教えてほしい
A:オーディオビジュアル技術の進化などにより、技術者のキャパシティーや能力が不足してきた。総合家電メーカーでない限り、1社だけで研究開発を行うのは無理ではないかと思えるほどだ。進展著しいホームシアターもAVアンプやプレーヤーだけで成立するわけではなく、ほかにディスプレイなどが必要になってくる。また今後はPCやインターネット分野にも対応していきたい。これら様々な開発を行っていくためには、共同プラットフォームを設立するのがベストだと判断した。
Q:今後、共同持株会社が生き残っていく条件は?
A:やはり環境変化への対応力が一番重要になるだろう。デジタルネットワークへの投資も膨大になるので、その原資も必要となる。また、商品の回転が非常に速くなっているので、健全な体質で積極的投資をしていきたい。
Q:「共同持株会社」という形式をえらんだ理由は?
A:経営統合をするにも3〜4種類の方法があるが、AVのマーケットが保守的であることを考慮すると、すべてを統合するのは無理がある。両社には様々な違いがあるが、その違いを逆に活かす方法を選択した。
Q:人員や設備のリストラは行うか?
A:<デノン>リストラはまったく考えていない。ただし、人材の構成についてはこれから考えていく。 <マランツ>この経営統合はリストラの一環ではない。従ってリストラは考えていない。
Q:この統合によるエンドユーザーの利益は?
A:ブランドが存続し、サポートを続けることが利益となるはずだ。また、ユーザーに対してもっと魅力的なソリューションを提案することができるだろう。
Q:両社の親会社はこの経営統合についてどういう意見を持っているのか
A:交渉の早い段階から両社の親会社が話し合いに参加し、力強く後押ししてもらえた。
(Phile-web編集部)