D-THEATHERって何? という人のために・・・。PART3 ≪AVレビュー記事≫
デジタルハイビジョン映画ソフトD-THEATER、『X-Men』、『Terminator2』 |
D-THEATERは、ハリウッドが現時点で唯一認めている、映画のハイビジョンソフトである。そのD-THEATERについては、すでに昨年9月、AVレビュー誌105号で先行レポートしているので、そのサワリを掲載しよう。ただし、この記事は日本国内での発表がされていないときのものなので、ご注意いただきたい。(AV REVIEW編集部)
*********************(AVレビュー105号より抜粋・執筆:松山凌一)**********************
PART2よりつづく
≪ドルビーデジタルが標準音声、インデックスサーチが可能≫
まず記録レートだが、D-VHSのHSモードに準じ、映像、音声(ドルビーデジタル5.1 or 6.1)、クローズドキャプション合わせて約25Mbps、それにサーチデータなどを付加して28.2Mbps(D-VHS上限)となっている。最大収録時間は4時間である。
音声の必須規格はドルビーデジタル5.1 or 6.1 + MPEG1-Layer2/2chであり、リニアPCM、ドルビーデジタル6.1EXなどはオプションとなる。ビットストリーム記録なので、DTS音声も可能だが、その辺りはDVD-Video同様、製作者や消費者の強い要望があればということになろう。
その他、新たにチャプターデータがサブコード領域に記録されており、DVDと同じインデックスサーチが可能だ。サブコード領域なので、テープの位置を問わずチャプターを呼び出すことができる。リージョンコードはハリウッドの要望なのでDVDと基本的には同じだ。
先にも触れたので重複するが、D-Theaterソフトは、一般的なD-VHS機によるi.Link再生はできず、あくまで対応機再生が原則になる。ただし、他メーカーは別だが、JVCの場合、アメリカで発売したD-VHS機はすべてD-Theaterに対応している(2002年8月末現在、発売しているHS対応D-VHSは、HM-DH30000Uのみ)。
これは筆者の憶測だが、JVCはD-VHS規格化の時点でD-Theater構想を明らかにしており、他のD-VHSグループ各社が各々の判断で対応しなかったということではなかろうか。当時も今も、HDデコーダーは高価だからである。
≪D-Theaterをサポートするハリウッドメジャーは4社≫
ところで話はちょっと横道にそれるが、『U-571』について、日本で放送されたものをエアチェックしたテープがあったので画質比較をしようとしたところ、再生不能であった。理由はアメリカのD-VHS機がわが国のAAC音声に対応していないからである。ただし、i.LINKにはストリームが出ているので、デジタルBSチューナーを経由すれば再生が可能であった。
ところで本筋に戻るが、D-Theaterをサポートするハリウッドメジャーは、Artisan、20世紀フォックス、Universal、DreamWorksの4社。他のメジャースタジオについてはHD-DVD、Blu-rayと関係の深いところもあり、HDディスクレコーダー規格の行方を見守りつつ、市場動向を見定めてからというスタンスのようだ。しかしながら、日本国内での発売も含めて、参入を強く期待したい。
上記4社がD-Theaterをサポートするに至った経緯、画質等への評価については、やはり前出した、米誌『WIDESCREEN REVIEW』に詳しい…
(つづく)
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