<山之内 正のCES2005レポート>ビクター、注目のBD/DVDコンビROMや「4k-2k」を公開
●ビクターはコンベンションセンターとは別にマンダレイベイホテルに広い展示スペースを確保し、新製品といくつかの重要技術を公開した。
デジタルテレビの普及率が10%に近付いた米国では、大画面と同時に高精細ディスプレイへの関心が高まっている。ビクターはプラズマテレビと液晶テレビに加えてD-ILA方式のリアプロジェクションテレビを投入し、大画面ディスプレイの市場に本格参入する。
なかでもD-ILAリアプロは「HD-ILA」と銘打って、春から秋まで計6モデルを投入するという積極策を展開する。このうち4モデルは52〜70型のワイドXGPタイプ、1920×1080画素のフルHDパネルを積む残る2モデル(70型、61型)は秋に発売を予定している。会場ではフルHDモデルを公開し、試作機ながらD−ILAならではの緻密な映像を垣間見せた。
フラットディスプレイは、既存サイズに37型と40型の2機種を加え、液晶テレビのラインナップを広げて計6モデルを投入するほか、42型と50型のプラズマテレビにも新機種を用意した。
日本でも高画質を前面に打ち出した同社のDVDレコーダーは人気上昇中だが、米国ではDVD、HDD、DVの3ウェイモデルを新たに投入してラインナップの拡充を図る。DVカメラユーザーがより簡単にDVDを作成できるようにDVデッキを追加したモデルだが、日本での発売は未定だという。
日本で見かけないビクター製品の代表がエントリークラスのAVアンプだろう。スリムなデザインで使い勝手も良さそうだが、なかでもUSBオーディオに対応した製品は、日本でも発売を期待したい。アンプに同梱されるワイヤレス通信アダプターをPCのUSB端子に接続し、アンプのリアパネルに取り付けたアンテナでUSBオーディオの信号を受信する仕組みだ。2.4GB帯域での通信なので、他の部屋のPCから音楽信号を呼び出して、リビングルームで高音質で再生するといった用途にも利用できる。PCとのリンクが急速に進んでいる米国ならではの機能といえる。
そのほか、128MBのメモリーと単4電池を内蔵したヘッドホンタイプのデジタルオーディオプレーヤーや、ノイズキャンセリング回路を内蔵したイヤークリップ型ヘッドホンも新たに導入した。こちらは日本でもまもなく登場するはずだ。
技術公開の目玉は、昨年末に発表したBD-DVDハイブリッドディスクと同メディアを再生するドライブである。ピックアップ側から順番にBD層、DVDレイヤー2、同レイヤー1という配列で記録されており、DVD層は通常のDVDプレーヤーで再生できることになる。会場では新ドライブを積んだBDプレーヤー試作機と、DVDプレーヤーを使用し、両者で異なる層を再生するデモを行った。BDの用途を広げる技術として注目したい。
昨年のCEATECで公開した超高精細システム「4k-2k」が、急遽CESでも限定公開されることになり、今回はフィルム素材から変換した映像なども見ることができた。スムーズで立体感に富む映像は大きな可能性を感じさせた。フルHDの4倍に相当する「4k-2k」の画素数が、デジタルシネマの基準値として正式に認定されたこともあり、今後のさらなる進化が大いに期待される。
(山之内 正)
[ces2005]
デジタルテレビの普及率が10%に近付いた米国では、大画面と同時に高精細ディスプレイへの関心が高まっている。ビクターはプラズマテレビと液晶テレビに加えてD-ILA方式のリアプロジェクションテレビを投入し、大画面ディスプレイの市場に本格参入する。
なかでもD-ILAリアプロは「HD-ILA」と銘打って、春から秋まで計6モデルを投入するという積極策を展開する。このうち4モデルは52〜70型のワイドXGPタイプ、1920×1080画素のフルHDパネルを積む残る2モデル(70型、61型)は秋に発売を予定している。会場ではフルHDモデルを公開し、試作機ながらD−ILAならではの緻密な映像を垣間見せた。
フラットディスプレイは、既存サイズに37型と40型の2機種を加え、液晶テレビのラインナップを広げて計6モデルを投入するほか、42型と50型のプラズマテレビにも新機種を用意した。
日本でも高画質を前面に打ち出した同社のDVDレコーダーは人気上昇中だが、米国ではDVD、HDD、DVの3ウェイモデルを新たに投入してラインナップの拡充を図る。DVカメラユーザーがより簡単にDVDを作成できるようにDVデッキを追加したモデルだが、日本での発売は未定だという。
日本で見かけないビクター製品の代表がエントリークラスのAVアンプだろう。スリムなデザインで使い勝手も良さそうだが、なかでもUSBオーディオに対応した製品は、日本でも発売を期待したい。アンプに同梱されるワイヤレス通信アダプターをPCのUSB端子に接続し、アンプのリアパネルに取り付けたアンテナでUSBオーディオの信号を受信する仕組みだ。2.4GB帯域での通信なので、他の部屋のPCから音楽信号を呼び出して、リビングルームで高音質で再生するといった用途にも利用できる。PCとのリンクが急速に進んでいる米国ならではの機能といえる。
そのほか、128MBのメモリーと単4電池を内蔵したヘッドホンタイプのデジタルオーディオプレーヤーや、ノイズキャンセリング回路を内蔵したイヤークリップ型ヘッドホンも新たに導入した。こちらは日本でもまもなく登場するはずだ。
技術公開の目玉は、昨年末に発表したBD-DVDハイブリッドディスクと同メディアを再生するドライブである。ピックアップ側から順番にBD層、DVDレイヤー2、同レイヤー1という配列で記録されており、DVD層は通常のDVDプレーヤーで再生できることになる。会場では新ドライブを積んだBDプレーヤー試作機と、DVDプレーヤーを使用し、両者で異なる層を再生するデモを行った。BDの用途を広げる技術として注目したい。
昨年のCEATECで公開した超高精細システム「4k-2k」が、急遽CESでも限定公開されることになり、今回はフィルム素材から変換した映像なども見ることができた。スムーズで立体感に富む映像は大きな可能性を感じさせた。フルHDの4倍に相当する「4k-2k」の画素数が、デジタルシネマの基準値として正式に認定されたこともあり、今後のさらなる進化が大いに期待される。
(山之内 正)
[ces2005]