今期はDVDの互換性検証活動にさらなる注力を:RWPPIが第31回定例会議を開催
RWプロダクツ・プロモーション・イニシアティブ(略称RWPPI)は、パイオニア(株)の目黒本社において第31回目の定例会議を開催した。
活動の第6期を迎える今期、最初の開催となった定例会議では、はじめに団体の代表、副代表、監査役の改選が行われた。新たに代表に選任されたパイオニア(株)相澤氏より挨拶が行われた。
相澤氏は2000年にスタートしたRWPPIの活動を振り返りながら「記録型DVDは当初の期待よりもはるかに速いスピードで立ち上がり、今日までに巨大な市場に成長することができた。これも会員の皆様による賢明な努力のたまものである」とコメントした。当初は13社でスタートしたRWPPIも、現在は世界中から67社の企業が参加する大きなチームに成長した。「ここにきてPC用ドライブは勿論、AV用のDVDレコーダーにおいてもDVD-R/DVD-RWフォーマットが国内各社の商品にて記録・再生対応されるに至っており、最早デファクトスタンダードフォーマットと位置づけられるものと思う」と語る相澤氏は活動の成果を高く評価した。
また、これからのRWPPIの活動については「現状を認識すると、これからは展示会等の出展活動については皆様と相談しながら、ワールドワイドに最も効率的な機会や地域を伺いながら集中化していくべきである」とした。DVD-R/DVD-RWが今後もデファクトスタンダードとして多く市場導入されるためにも、「市場拡大をサポートし、お客様の信頼を勝ち取るために、ラウンドロビンテストに代表される互換性検証活動の重要性がさらに増すだろうし、力を注いでいきたい」とし、RWPPIの方向性を指し示した相澤氏だ。
続いて新副代表に選任されたシャープ(株)新本氏も登壇し、「活動6年目を迎えることとなったが、団体が発足した当初に“何とか10万円台のレコーダーを実現したい”と努力を重ねていた頃を懐かしく思い出す。現在は性能、価格ともに優れたパフォーマンスを備えるレコーダーが各社より発売され、市場を賑わせていることを喜ばしく思う」とこれまでの活動を振り返る。
新本氏はまた、今後は「地上デジタル放送の本格化にともない、ハイビジョン対応レコーダーの人気が高るだろう」としながら「現在のハイビジョン対応機が全てDVD-R/DVD-RWに対応しているということで、まさに私たちが推進するフォーマットがデファクトスタンダードを獲得できたことを証明しているのだと思う。皆様の努力に負けぬよう、シャープもこれからますますがんばっていきたい」と抱負を語った。
本日の会議では、RWPPI事務局の小川氏から団体の「第6期活動計画」が明らかにされた。相澤代表のコメントにもある通り、RWPPIは今後、団体の参加各社とともにDVD-R/DVD-RWの普及促進プロモーションを効果的に、新しい市場の開拓を進めながら展開していくという。具体的には中国・台湾におけるイベント出展やラウンドロビンテストのセミナー活動を加速化とともに、本年9月にはトルコ・イスタンブールで開催される「CeBITユーラシアBilsim」に初めての出展が計画されているという。
またRWPPIのWebサイトでは中国語コンテンツの配信を新規にスタートさせるとともに、音元出版Phile-webとのリンク強化、JRIA/JEITA/DVDフォーラム/TRIAといった関連団体との関係強化にも力が注がれるという。
続いてRWPPI事務局の森下氏により、先に行われたCeBIT ASIA 2005の出展活動報告が行われた。433社が出展し、約53,300人の来場者を獲得したという大規模なイベントにおいて、RWPPIはブース出展を行い、新たなテクノロジーやハード・メディアの新製品を展示した。来場者に向けて、デモンストレーション展示も積極的に行いDVD-R/DVD-RWの特徴である「Compatible・Convenient・Reliable」をダイレクトに訴求した結果、中国国内の研究・開発者や若い学生をはじめとした、多くの来場者にフォーマットの優位性を伝えることができたと森下氏は語る。
森下氏はさらに9月開催のCeBIT ユーラシア Bilsimの出展計画と、6月初旬に催されたラウンドロビンテスト台湾セミナーの報告を続けて行った。中欧・東欧・ロシア、そして中東といった各地域から毎年多くの来場客を獲得しているCeBITユーラシアへの出展は、これから記録メディア市場の大きな成長が期待できる地域へ有効な普及促進活動を仕掛けていくことがねらいであるという。IT、PC、AVの全てを含んだ複合的なショーに出展することで、多くの業界関係者、ユーザーを巻き込みながらRWPPIの活動を強くアピールしていく考えだ。
台湾のメディアメーカーに対するラウンドロビンテストの活動紹介は、昨今DVD記録メディア市場が世界規模で拡大する中、RWPPIにとって重要な戦略的活動であるという。6月1日にはRWPPIが主催するラウンドロビンテストのPhysicalワーキンググループと、現地のメディアメーカー、およびエンジニアによるセッションが行われ、活発な意見交換が展開された。翌日開催されたCOMPUTEX Taipei会場では、特別セミナーも実施され、当日は台湾のライターメーカーを中心に100人を超える参加者が集まる中、RWPPIとラウンドロビンテストの詳細な活動内容が報告された。
引き続きパイオニア(株)、ソニー(株)から、それぞれのDVDレコーダー新製品が紹介された。
パイオニアから登壇した東氏は、最新機種「DVR-555H」ほか3機種が紹介された。同社はDVDレコーダーに関心を持つユーザーへ独自に調査を行い、その声を活かして新製品に「録画」「操作」「ダビング」といったDVDレコーダーの基本性能を強化したという。その結果、長時間モードをはじめとした画質の向上や、2層DVD-Rへの対応、簡単操作のナビモード搭載による使いやすさ、16倍速DVD-R、6倍速DVD-RWへの対応による高速ダビング機能の搭載などが実現された。またDVR-555Hでは、デジタルカメラを直接USBで接続して、デジタル写真をDVDへ保存できる機能が搭載された。本機能により、「ユーザーへ向けてDVDレコーダーの新たな楽しみ方を提案したい」と東氏は語る。
ソニーの木下氏からは、スゴ録シリーズの今夏最新モデルが紹介された。今回の新製品ラインナップの開発においては3つのテーマが掲げられたという。Wチューナー搭載による2番組同時録画対応と自動録画機能の強化については、「RDRシリーズ」の上位機種において実現された。また本年を地上デジタル放送の本格化が進む年と位置づける同社として、ハイビジョン対応モデルによる市場創造が「RDZ-05」を皮切りに積極的に進められることとなった。また、VHS一体型の投入によるラインナップ充実も実現された。木下氏は同社のPSXでもおなじみの「クロスメディアバー」を今回発売されるRDZ-05に搭載した実績について、実演を交えて詳しくその魅力を紹介した。
会議の最後には(社)日本映像ソフト協会事務理事事務局長の児玉昭義氏による特別公演が行われた。児玉氏は「コンテンツと著作権」をテーマに、業界で昨今話題とされているトピックを中心に紹介した。
児玉氏自身はかつてLDプレーヤーの草創期においてハード機器の開発に携わり、後にコンテンツメーカーに在籍し長きに渡り活躍されてきたキャリアを持つ。児玉氏は「ハードとコンテンツの両方のビジネスを経験した立者として、RWPPI会員の皆様に申し上げたいことは、ハード、コンテンツ、それぞれのメーカーどうしが相互に理解を深めていくことが大切であるということだ」と語った。
公演の中では、国内における映像を中心としたコンテンツビジネスの歴史を振り返りながら、日本映像ソフト協会が取り組んでいる著作権保護活動の概要が紹介された。海賊版退治、違法配信、ファイル交換など、日々の活動を進めていく中で、改めて浮き彫りになる問題を次々と指摘する児玉氏は、昨今のデジタル文化の加速によって「違法」のスタイルと問題点の性質が変化してきているとし、「その変化に迅速に対応していくことが目下私たち団体の課題である」コメントする。
児玉氏は「今後ビデオ・オン・デマンドなどの新しい映像コンテンツも提案されていくだろうが、それらは映像ビジネスの業界に大きな発展をもたらしてくれるだろう。ハードメーカー、コンテンツメーカーそれぞれが手を取り合いながらこのチャンスを活かして欲しい。皆様方の活躍を期待している」と語り、公演を締めくくった。
(Phile-web編集部)
活動の第6期を迎える今期、最初の開催となった定例会議では、はじめに団体の代表、副代表、監査役の改選が行われた。新たに代表に選任されたパイオニア(株)相澤氏より挨拶が行われた。
相澤氏は2000年にスタートしたRWPPIの活動を振り返りながら「記録型DVDは当初の期待よりもはるかに速いスピードで立ち上がり、今日までに巨大な市場に成長することができた。これも会員の皆様による賢明な努力のたまものである」とコメントした。当初は13社でスタートしたRWPPIも、現在は世界中から67社の企業が参加する大きなチームに成長した。「ここにきてPC用ドライブは勿論、AV用のDVDレコーダーにおいてもDVD-R/DVD-RWフォーマットが国内各社の商品にて記録・再生対応されるに至っており、最早デファクトスタンダードフォーマットと位置づけられるものと思う」と語る相澤氏は活動の成果を高く評価した。
また、これからのRWPPIの活動については「現状を認識すると、これからは展示会等の出展活動については皆様と相談しながら、ワールドワイドに最も効率的な機会や地域を伺いながら集中化していくべきである」とした。DVD-R/DVD-RWが今後もデファクトスタンダードとして多く市場導入されるためにも、「市場拡大をサポートし、お客様の信頼を勝ち取るために、ラウンドロビンテストに代表される互換性検証活動の重要性がさらに増すだろうし、力を注いでいきたい」とし、RWPPIの方向性を指し示した相澤氏だ。
続いて新副代表に選任されたシャープ(株)新本氏も登壇し、「活動6年目を迎えることとなったが、団体が発足した当初に“何とか10万円台のレコーダーを実現したい”と努力を重ねていた頃を懐かしく思い出す。現在は性能、価格ともに優れたパフォーマンスを備えるレコーダーが各社より発売され、市場を賑わせていることを喜ばしく思う」とこれまでの活動を振り返る。
新本氏はまた、今後は「地上デジタル放送の本格化にともない、ハイビジョン対応レコーダーの人気が高るだろう」としながら「現在のハイビジョン対応機が全てDVD-R/DVD-RWに対応しているということで、まさに私たちが推進するフォーマットがデファクトスタンダードを獲得できたことを証明しているのだと思う。皆様の努力に負けぬよう、シャープもこれからますますがんばっていきたい」と抱負を語った。
本日の会議では、RWPPI事務局の小川氏から団体の「第6期活動計画」が明らかにされた。相澤代表のコメントにもある通り、RWPPIは今後、団体の参加各社とともにDVD-R/DVD-RWの普及促進プロモーションを効果的に、新しい市場の開拓を進めながら展開していくという。具体的には中国・台湾におけるイベント出展やラウンドロビンテストのセミナー活動を加速化とともに、本年9月にはトルコ・イスタンブールで開催される「CeBITユーラシアBilsim」に初めての出展が計画されているという。
またRWPPIのWebサイトでは中国語コンテンツの配信を新規にスタートさせるとともに、音元出版Phile-webとのリンク強化、JRIA/JEITA/DVDフォーラム/TRIAといった関連団体との関係強化にも力が注がれるという。
続いてRWPPI事務局の森下氏により、先に行われたCeBIT ASIA 2005の出展活動報告が行われた。433社が出展し、約53,300人の来場者を獲得したという大規模なイベントにおいて、RWPPIはブース出展を行い、新たなテクノロジーやハード・メディアの新製品を展示した。来場者に向けて、デモンストレーション展示も積極的に行いDVD-R/DVD-RWの特徴である「Compatible・Convenient・Reliable」をダイレクトに訴求した結果、中国国内の研究・開発者や若い学生をはじめとした、多くの来場者にフォーマットの優位性を伝えることができたと森下氏は語る。
森下氏はさらに9月開催のCeBIT ユーラシア Bilsimの出展計画と、6月初旬に催されたラウンドロビンテスト台湾セミナーの報告を続けて行った。中欧・東欧・ロシア、そして中東といった各地域から毎年多くの来場客を獲得しているCeBITユーラシアへの出展は、これから記録メディア市場の大きな成長が期待できる地域へ有効な普及促進活動を仕掛けていくことがねらいであるという。IT、PC、AVの全てを含んだ複合的なショーに出展することで、多くの業界関係者、ユーザーを巻き込みながらRWPPIの活動を強くアピールしていく考えだ。
台湾のメディアメーカーに対するラウンドロビンテストの活動紹介は、昨今DVD記録メディア市場が世界規模で拡大する中、RWPPIにとって重要な戦略的活動であるという。6月1日にはRWPPIが主催するラウンドロビンテストのPhysicalワーキンググループと、現地のメディアメーカー、およびエンジニアによるセッションが行われ、活発な意見交換が展開された。翌日開催されたCOMPUTEX Taipei会場では、特別セミナーも実施され、当日は台湾のライターメーカーを中心に100人を超える参加者が集まる中、RWPPIとラウンドロビンテストの詳細な活動内容が報告された。
引き続きパイオニア(株)、ソニー(株)から、それぞれのDVDレコーダー新製品が紹介された。
パイオニアから登壇した東氏は、最新機種「DVR-555H」ほか3機種が紹介された。同社はDVDレコーダーに関心を持つユーザーへ独自に調査を行い、その声を活かして新製品に「録画」「操作」「ダビング」といったDVDレコーダーの基本性能を強化したという。その結果、長時間モードをはじめとした画質の向上や、2層DVD-Rへの対応、簡単操作のナビモード搭載による使いやすさ、16倍速DVD-R、6倍速DVD-RWへの対応による高速ダビング機能の搭載などが実現された。またDVR-555Hでは、デジタルカメラを直接USBで接続して、デジタル写真をDVDへ保存できる機能が搭載された。本機能により、「ユーザーへ向けてDVDレコーダーの新たな楽しみ方を提案したい」と東氏は語る。
ソニーの木下氏からは、スゴ録シリーズの今夏最新モデルが紹介された。今回の新製品ラインナップの開発においては3つのテーマが掲げられたという。Wチューナー搭載による2番組同時録画対応と自動録画機能の強化については、「RDRシリーズ」の上位機種において実現された。また本年を地上デジタル放送の本格化が進む年と位置づける同社として、ハイビジョン対応モデルによる市場創造が「RDZ-05」を皮切りに積極的に進められることとなった。また、VHS一体型の投入によるラインナップ充実も実現された。木下氏は同社のPSXでもおなじみの「クロスメディアバー」を今回発売されるRDZ-05に搭載した実績について、実演を交えて詳しくその魅力を紹介した。
会議の最後には(社)日本映像ソフト協会事務理事事務局長の児玉昭義氏による特別公演が行われた。児玉氏は「コンテンツと著作権」をテーマに、業界で昨今話題とされているトピックを中心に紹介した。
児玉氏自身はかつてLDプレーヤーの草創期においてハード機器の開発に携わり、後にコンテンツメーカーに在籍し長きに渡り活躍されてきたキャリアを持つ。児玉氏は「ハードとコンテンツの両方のビジネスを経験した立者として、RWPPI会員の皆様に申し上げたいことは、ハード、コンテンツ、それぞれのメーカーどうしが相互に理解を深めていくことが大切であるということだ」と語った。
公演の中では、国内における映像を中心としたコンテンツビジネスの歴史を振り返りながら、日本映像ソフト協会が取り組んでいる著作権保護活動の概要が紹介された。海賊版退治、違法配信、ファイル交換など、日々の活動を進めていく中で、改めて浮き彫りになる問題を次々と指摘する児玉氏は、昨今のデジタル文化の加速によって「違法」のスタイルと問題点の性質が変化してきているとし、「その変化に迅速に対応していくことが目下私たち団体の課題である」コメントする。
児玉氏は「今後ビデオ・オン・デマンドなどの新しい映像コンテンツも提案されていくだろうが、それらは映像ビジネスの業界に大きな発展をもたらしてくれるだろう。ハードメーカー、コンテンツメーカーそれぞれが手を取り合いながらこのチャンスを活かして欲しい。皆様方の活躍を期待している」と語り、公演を締めくくった。
(Phile-web編集部)