シャラポワも応援する「メジャー宣言」〜キヤノン発表会レポート&質疑応答
キヤノンより、DVカメラ「IXY DV」新製品2モデル(ニュース記事)と、DVDカメラ参入モデル(ニュース記事)の発表が行われた。発表会の模様、質疑応答の紹介とともに、新たにCMキャラクターになったマリア・シャラポワについてもお伝えしよう。
発表会では、まずキヤノン販売(株)常務取締役 コンスーママーケティングカンパニーの芦澤光二氏が登壇し、新製品のマーケティング戦略について説明を行った。
芦澤氏は冒頭、「2003年に我々はビデオカメラへの『本気宣言』を行ったが、それから2年経ち、第3位というポジションから大きく羽ばたくときが来た。新しいキャッチフレーズは『メジャー宣言』だ」と宣言。芦澤氏によると、シェアは01年の4.9%から04年には15.8%に伸び、ビデオカメラ分野でのブランド認知度も04年には48.1%に達したという。「直近の認知度は50%を超えている。新製品投入後の今年秋はシェア25%以上が目標だ」。
芦澤氏は今後の市場動向について、「全体の台数は160万台程度とほぼ変わらないが、金額は右肩上がりで伸び、07年は1600億円に達する」と予想する。
同氏は、現在のビデオカメラの3大トレンドを「高画質」「DVD」「小型」と分析。今回の新製品では、「高画質」を「IXY DV M5」が、「DVD」を「DC20/10」が、「小型」を「IXY DV S1」がそれぞれ受け持つ。芦澤氏はそれぞれの特徴を説明する中で、DVDカメラ「DC20/10」について、「初めて触ったとき、初代IXYが出たときのような『これはいける』という手応えを得た。相当売れるはず」と語り、製品の出来栄えに強い自信を見せた。
キヤノンのDVカメラが、「動画も写真もダブルOK」というキャッチフレーズで訴求されていることはご存じの方も多いだろう。芦澤氏は「新製品でも『ダブルOK』を強くアピールする」とし、新CMキャラクターにマリア・シャラポワを起用し、広告展開を行うことを発表した。
シャラポワを起用したのは、「モデルでもあり、世界一流のテニスプレーヤーでもあるシャラポワと、写真とビデオのどちらQも訴求するキヤノンは、どちらも『ダブルOK』で据わりがよい」からだという。
シャラポワが出演するCMの撮影は7月に行ったばかりで、現在制作中とのこと。撮影風景が紹介されたが、その中でシャラポワは「ダブルOK」と連呼。芦澤氏は「英語ではダブルOKの発音が『ダボケ』となってしまうが、日本風のダブルオーケーという発音でやってもらった。また、カメラが欲しいというので、『全部はダメ。どれが欲しい?』と聞いたら、DVDカメラを選んだ。PCとの親和性が高いのが良かったようだ」と撮影の裏話を紹介した。
新製品の技術的な特徴については、キヤノン(株)イメージコミュニケーション事業本部 副事業本部長の国吉孝氏が説明を行った。国吉氏は「キヤノンレンズとDIGIC DVが当社製ビデオカメラ最大の特徴」とし、「光学エンジンについては設計ツールから内製し、さらに高性能レンズを大量に作る技術も持っている」と同社の技術力をアピールした。また回折を抑える「グラデーションND」、ゴースト・フレアを防止する「スーパースペクトラコーティング」などの光学技術も同社独自のものとして紹介された。
国吉氏はまた、DIGIC DVについて「S/Nの低減と高感度化を図った。高度な動画処理と静止画処理を同時にこなすことができる」と語り、その実力に自信を見せた。
製品発表会で行われた質疑応答の全問全答をご紹介する。
Q:これまでキヤノンはDVDカメラへの参入に慎重だったが、この時期の参入にはどういう意味があるのか?
A:他社のDVDカメラを見て、正直言って「大きいかな」と感じていた。我々がやる以上、もっと小型化したかった。そのための要素技術の検討に時間が必要だった。また、DVDカメラの画質はこれまであまり良くなく、これも課題だったが、納得のいくものができた。市場動向を見ながら、満を持して参入したとご理解いただきたい。
Q:DVDカメラはどうしてRW対応にしたのか?
A:DVDカメラの使用動向に関する我々の調査では、DVD-Rを使っている人はあまり多くなく、ほとんどがRWやRAMなど書き換え型ディスクを使っていた。その中で再生互換性が高いRWを選んだ。
Q:HDVなどハイビジョンについてはどう展開していくか?
A:キヤノンはHDVに賛同しており、基本的な取り組みは行っている。ただし、「やるからには本当のHDを出したい」という思いがある。センサー、解像度、ダイナミックレンジ、S/Nなどすべてに妥協せず、本物志向で基礎研究を行っている。
Q:DVDカメラの画質を改善したということだが、どういうことを行ったのか?
A:MPEG2ではエンコーダーの性能が画質の鍵を握る。DVDビデオの制作などでは、映像を何回もエンコーダーに通すマルチパスエンコードを行っているが、DVDカメラはリアルタイム処理のため1パスしか行えない。今回の新モデルではエンコードのアルゴリズムを改善し画質向上を図っている。
Q:DV規格で、SD画質なのに、どうして4MものCCDが必要なのか?
A:我々の調査では、約40%の方が強力な静止画機能を望んでいる。また、ハイビジョン撮影したSD番組の画がきれいに見えるように、元の映像の情報量が豊富だと、ダウンコンバートした後も画質が高くなる。
(Phile-web編集部)
発表会では、まずキヤノン販売(株)常務取締役 コンスーママーケティングカンパニーの芦澤光二氏が登壇し、新製品のマーケティング戦略について説明を行った。
芦澤氏は冒頭、「2003年に我々はビデオカメラへの『本気宣言』を行ったが、それから2年経ち、第3位というポジションから大きく羽ばたくときが来た。新しいキャッチフレーズは『メジャー宣言』だ」と宣言。芦澤氏によると、シェアは01年の4.9%から04年には15.8%に伸び、ビデオカメラ分野でのブランド認知度も04年には48.1%に達したという。「直近の認知度は50%を超えている。新製品投入後の今年秋はシェア25%以上が目標だ」。
芦澤氏は今後の市場動向について、「全体の台数は160万台程度とほぼ変わらないが、金額は右肩上がりで伸び、07年は1600億円に達する」と予想する。
同氏は、現在のビデオカメラの3大トレンドを「高画質」「DVD」「小型」と分析。今回の新製品では、「高画質」を「IXY DV M5」が、「DVD」を「DC20/10」が、「小型」を「IXY DV S1」がそれぞれ受け持つ。芦澤氏はそれぞれの特徴を説明する中で、DVDカメラ「DC20/10」について、「初めて触ったとき、初代IXYが出たときのような『これはいける』という手応えを得た。相当売れるはず」と語り、製品の出来栄えに強い自信を見せた。
キヤノンのDVカメラが、「動画も写真もダブルOK」というキャッチフレーズで訴求されていることはご存じの方も多いだろう。芦澤氏は「新製品でも『ダブルOK』を強くアピールする」とし、新CMキャラクターにマリア・シャラポワを起用し、広告展開を行うことを発表した。
シャラポワを起用したのは、「モデルでもあり、世界一流のテニスプレーヤーでもあるシャラポワと、写真とビデオのどちらQも訴求するキヤノンは、どちらも『ダブルOK』で据わりがよい」からだという。
シャラポワが出演するCMの撮影は7月に行ったばかりで、現在制作中とのこと。撮影風景が紹介されたが、その中でシャラポワは「ダブルOK」と連呼。芦澤氏は「英語ではダブルOKの発音が『ダボケ』となってしまうが、日本風のダブルオーケーという発音でやってもらった。また、カメラが欲しいというので、『全部はダメ。どれが欲しい?』と聞いたら、DVDカメラを選んだ。PCとの親和性が高いのが良かったようだ」と撮影の裏話を紹介した。
新製品の技術的な特徴については、キヤノン(株)イメージコミュニケーション事業本部 副事業本部長の国吉孝氏が説明を行った。国吉氏は「キヤノンレンズとDIGIC DVが当社製ビデオカメラ最大の特徴」とし、「光学エンジンについては設計ツールから内製し、さらに高性能レンズを大量に作る技術も持っている」と同社の技術力をアピールした。また回折を抑える「グラデーションND」、ゴースト・フレアを防止する「スーパースペクトラコーティング」などの光学技術も同社独自のものとして紹介された。
国吉氏はまた、DIGIC DVについて「S/Nの低減と高感度化を図った。高度な動画処理と静止画処理を同時にこなすことができる」と語り、その実力に自信を見せた。
製品発表会で行われた質疑応答の全問全答をご紹介する。
Q:これまでキヤノンはDVDカメラへの参入に慎重だったが、この時期の参入にはどういう意味があるのか?
A:他社のDVDカメラを見て、正直言って「大きいかな」と感じていた。我々がやる以上、もっと小型化したかった。そのための要素技術の検討に時間が必要だった。また、DVDカメラの画質はこれまであまり良くなく、これも課題だったが、納得のいくものができた。市場動向を見ながら、満を持して参入したとご理解いただきたい。
Q:DVDカメラはどうしてRW対応にしたのか?
A:DVDカメラの使用動向に関する我々の調査では、DVD-Rを使っている人はあまり多くなく、ほとんどがRWやRAMなど書き換え型ディスクを使っていた。その中で再生互換性が高いRWを選んだ。
Q:HDVなどハイビジョンについてはどう展開していくか?
A:キヤノンはHDVに賛同しており、基本的な取り組みは行っている。ただし、「やるからには本当のHDを出したい」という思いがある。センサー、解像度、ダイナミックレンジ、S/Nなどすべてに妥協せず、本物志向で基礎研究を行っている。
Q:DVDカメラの画質を改善したということだが、どういうことを行ったのか?
A:MPEG2ではエンコーダーの性能が画質の鍵を握る。DVDビデオの制作などでは、映像を何回もエンコーダーに通すマルチパスエンコードを行っているが、DVDカメラはリアルタイム処理のため1パスしか行えない。今回の新モデルではエンコードのアルゴリズムを改善し画質向上を図っている。
Q:DV規格で、SD画質なのに、どうして4MものCCDが必要なのか?
A:我々の調査では、約40%の方が強力な静止画機能を望んでいる。また、ハイビジョン撮影したSD番組の画がきれいに見えるように、元の映像の情報量が豊富だと、ダウンコンバートした後も画質が高くなる。
(Phile-web編集部)