デノン、AVアンプの新フラグシップ「A1HD」シリーズを発表
デノンは同社AVアンプの新しいフラグシップモデルに位置づけられる「A1HD」シリーズを発表した。セパレート筐体の「AVP-A1HD」「POA-A1HD」、ならびに一体型の「AVC-A1HD」がラインナップする。
各機種の発売時期と価格、その他詳細についてご紹介していこう。
■AVプリアンプ「AVP-A1HD」/10月下旬発売/¥735,000(税込)
デノンは今年、既存のAVアンプのラインナップをフルモデルチェンジする戦略を打ち立てている。本機は後述するパワーアンプ「POA-A1HD」と対になったセパレート型のAVプリアンプで、同社AVアンプシステムのフラグシップモデルとなる。デノンが育んできた伝統のデジタル・アナログオーディオ技術と、有力サプライヤーによって提供される最新技術を融合させ、優れた性能と充実した機能の搭載を実現しているという。
今回のフラグシップモデルが共有する4つの進化のポイントは「高音質・高画質の追求」「豊富な接続性」「将来への発展性」「ユーザーフレンドリーな操作性」にある。
高品位な音質・画質を実現するための要素として、はじめに挙げられるのが独自の高音質サラウンド再生回路「DDSC-HD」の搭載だ。こちらは同社の既存AVアンプのフラグシップモデルである「AVC-A1XV」に採用されている「New D.D.S.C.(Dynamic Discrete Surround Circuit)」デジタル回路をさらに発展させたもので、最新の高品位HDフォーマットの音声を“コンテンツ製作者の意図をありのままに再現”するための、高品位なサウンド再生を可能にしているという。
回路構成についてはブロックごとに分離独立した構成基板、配置レイアウトを採用。サラウンド再生に必要な信号処理回路を独立ブロックに分け、個々のブロックに高性能な集積回路を用いたディスクリート構成としている。また全チャンネル同一レスポンス、同一クオリティとなるように設計されている。さらに同社の「SAシリーズ」をはじめとする、ピュアオーディオ機器の開発で培われたノウハウをベースに、ピュアオーディに匹敵する高音質再生が実現されるよう各回路をチューニングしている。
また振動による音質への影響を徹底して抑えるため、防振構造の見直しも行われている。振動の発生源となるパワートランスはトランスプレートを介してボトムシャーシに固定されている。またラジエーターもフットの間近に直付けすることにより、パワートランスなどの他の震動源との干渉を抑えこむなど、各パーツの取り付けや配置についても内外部振動の影響を排除するために必要な、様々な手段が講じられている。
デコーダー部には高性能32bitフローティングポイントタイプのDSPを3基採用。最新型DSPの処理能力を活かして、複雑な信号処理やハイスピードな信号にも余裕を持った対応を実現している。また192kHz/24bitの高性能DAコンバーターや192kHz/24bitの処理能力を持つDIRとADコンバーター、さらにこれらのデジタルデバイスを制御し、かつ高速信号処理を行う大容量FPGAを採用している。
また高性能なDA変換を実現するために、マスタークロックの純度を高める工夫も随所に凝らされている。高剛性の多層基板を用いて電源とグランウンド電位の安定化を図るとともに、FPGAデバイスにより配線を最短・最適化している。さらにDAコンバーター近くで高精度PLLを用いたマスタークロックの再生成を行うことにより、残留ジッターを最小限に抑え、輪郭のクリアな高音質再生を可能にしている。
各チャンネルにはデノンのHiFiオーディオで定評のある、同社オリジナルのビット拡張技術「Advanced AL24 Processing」を搭載。オリジナルデータを損なうことのない自然な補間処理を行うことを可能にしている。また各チャンネルダブルディファレンシャルで動作するDAコンバーターとあいまって、音楽の持つ微妙なニュアンスや、演奏者の位置、会場のステージ感や空間情報などがより自然に再現できるようになっているという。
電源回路については、用途別に独立したトランスを搭載する。各機能ブロック別に分離するとともに、各トランスの2次側巻き線部も各回路ブロック別に分離。それぞれに安定化電源回路へ電源とグランドの供給を行う構成としている。
本機はまた、最新のver.1.3a対応HDMIを装備し、ドルビーTrueHDやDTS-HD(Master Audio/High Resolution Audio)、ドルビーデジタルプラスなどの次世代サラウンドフォーマットに対応するデコーダーも搭載している。
HDMI端子の数は入力が6系統、出力が2系統。ディープカラーやxvYCC、オートリップシンクへの対応を実現したほか、2系統のHDMIの同時出力も可能となっている。
映像系のスペックとしてはまた、同社のDVDプレーヤー最上位機である「DVD-A1XVA」にも搭載された高性能10bit I/Pコンバーター「REALTA」を搭載する。HDMIでの1080p出力にも対応する高性能ビデオスケーラーとしての機能をはじめ、10bit演算による高性能プロセッシングにより、ピクセル単位で精度の高いI/P変換を実現する。また映像信号用に216MHz/12bit高性能ビデオDACが採用されている。その他、アナログからHDMIへのビデオコンバージョン機能も搭載した。
その他にも圧縮オーディオファイルの再生時には、圧縮によって失われた音声情報を保管し、音のトータルバランスを崩さずに再生する独自技術「Compressed Audio Restorer」により、高品位なサウンドを実現している。
豊富な拡張性を実現するネットワーク機能も充実している。ホームネットワーク上のPCにストックされた音楽ファイルを、本機から操作してストリーミング再生することが可能だ。「A1HDシリーズ」は共通してWi-Fi対応を実現しており、本体にワイヤレスロッドアンテナを装着して無線LANへの接続ができる。またインターネットラジオやフォトライブラリーの再生も楽しめるほか、USBメモリーオーディオプレーヤー内の音楽ファイル再生や、別売の同社iPod用コントロールドックを接続して、本機のリモコンからiPodを操作できる。付属のリモコンは学習機能を搭載する。
操作性の向上については、新たに開発されたGUIが日本語表示にも対応し、視認性が高まっている。付属の専用マイクによるオートセットアップ機能も搭載している。また、対になるパワーアンプ「POA-A1HD」との電源オン/オフやセットアップの連動操作も可能となっている。
■パワーアンプ「POA-A1HD」/10月下旬発売/¥735,000(税込)
AVプリアンプ「AVP-A1HD」と対になる10chパワーアンプ。実用最大出力は300W/ch(4Ω)を実現している。
オーディオアンプとしての実力を最大限に発揮するため、パーツやラジエータなどはチャンネルごとに独立で搭載したディスクリートモノラル構成となっている。
メイン電源部はパワーアンプ部専用の大型トランス、大容量高音質ブロックコンデンサー、大容量整流ダイオードにより構成され、安定した電源供給を実現している。さらに大型トランスをL/Rそれぞれに2個ずつ独立させるとともに、トランスの2次側から各チャンネルを完全独立させた構成をとることで、回路間の干渉を抑え、高音質再生を可能にした。
パワートランスやラジエーターをはじめとするパーツの取り付けや配置については「AVP-A1HD」同様のダイレクトメカニカルグランド設計を採用し、内外部の振動による音質への影響を徹底的に排除している。
「AVP-A1HD」との組み合わせにより、搭載する全10chのパワーアンプを効率的に活用し、様々なリスニング環境に対応できるパワーアンプアサイン機能を採用。10チャンネルを好みに合わせて自在に割り当てられる。また全チャンネルにXLR、RCAそれぞれの入力端子も搭載している。
■AVアンプ「AVC-A1HD」/10月下旬発売/¥598,500(税込)
本機は同社の一体型AVアンプの最上位機に位置づけられるモデルとなる。基本的なスペックはAVプリアンプ「AVP-A1HD」と同等となり、最新のver.1.3a対応HDMIの装備と、「ドルビーデジタルプラス」「ドルビーTrueHD」と「DTS-HDマスターオーディオ/ハイレゾリューションオーディオ」など、次世代サラウンドフォーマットに対応するデコーダーの搭載を実現している。
パワー部は7.1ch対応とし、実用最大出力は245W/ch(6Ω)。Wi-Fi対応のネットワーク機能や独自技術「Compressed Audio Restorer」による圧縮オーディオの高音質再生も可能だ。「AVP-A1HD」に採用されているXLR入出力は省略されている。
【問い合わせ先】
デノン コンシューマー マーケティング
TEL/03-6731-5540
(Phile-web編集部)
各機種の発売時期と価格、その他詳細についてご紹介していこう。
■AVプリアンプ「AVP-A1HD」/10月下旬発売/¥735,000(税込)
デノンは今年、既存のAVアンプのラインナップをフルモデルチェンジする戦略を打ち立てている。本機は後述するパワーアンプ「POA-A1HD」と対になったセパレート型のAVプリアンプで、同社AVアンプシステムのフラグシップモデルとなる。デノンが育んできた伝統のデジタル・アナログオーディオ技術と、有力サプライヤーによって提供される最新技術を融合させ、優れた性能と充実した機能の搭載を実現しているという。
今回のフラグシップモデルが共有する4つの進化のポイントは「高音質・高画質の追求」「豊富な接続性」「将来への発展性」「ユーザーフレンドリーな操作性」にある。
高品位な音質・画質を実現するための要素として、はじめに挙げられるのが独自の高音質サラウンド再生回路「DDSC-HD」の搭載だ。こちらは同社の既存AVアンプのフラグシップモデルである「AVC-A1XV」に採用されている「New D.D.S.C.(Dynamic Discrete Surround Circuit)」デジタル回路をさらに発展させたもので、最新の高品位HDフォーマットの音声を“コンテンツ製作者の意図をありのままに再現”するための、高品位なサウンド再生を可能にしているという。
回路構成についてはブロックごとに分離独立した構成基板、配置レイアウトを採用。サラウンド再生に必要な信号処理回路を独立ブロックに分け、個々のブロックに高性能な集積回路を用いたディスクリート構成としている。また全チャンネル同一レスポンス、同一クオリティとなるように設計されている。さらに同社の「SAシリーズ」をはじめとする、ピュアオーディオ機器の開発で培われたノウハウをベースに、ピュアオーディに匹敵する高音質再生が実現されるよう各回路をチューニングしている。
また振動による音質への影響を徹底して抑えるため、防振構造の見直しも行われている。振動の発生源となるパワートランスはトランスプレートを介してボトムシャーシに固定されている。またラジエーターもフットの間近に直付けすることにより、パワートランスなどの他の震動源との干渉を抑えこむなど、各パーツの取り付けや配置についても内外部振動の影響を排除するために必要な、様々な手段が講じられている。
デコーダー部には高性能32bitフローティングポイントタイプのDSPを3基採用。最新型DSPの処理能力を活かして、複雑な信号処理やハイスピードな信号にも余裕を持った対応を実現している。また192kHz/24bitの高性能DAコンバーターや192kHz/24bitの処理能力を持つDIRとADコンバーター、さらにこれらのデジタルデバイスを制御し、かつ高速信号処理を行う大容量FPGAを採用している。
また高性能なDA変換を実現するために、マスタークロックの純度を高める工夫も随所に凝らされている。高剛性の多層基板を用いて電源とグランウンド電位の安定化を図るとともに、FPGAデバイスにより配線を最短・最適化している。さらにDAコンバーター近くで高精度PLLを用いたマスタークロックの再生成を行うことにより、残留ジッターを最小限に抑え、輪郭のクリアな高音質再生を可能にしている。
各チャンネルにはデノンのHiFiオーディオで定評のある、同社オリジナルのビット拡張技術「Advanced AL24 Processing」を搭載。オリジナルデータを損なうことのない自然な補間処理を行うことを可能にしている。また各チャンネルダブルディファレンシャルで動作するDAコンバーターとあいまって、音楽の持つ微妙なニュアンスや、演奏者の位置、会場のステージ感や空間情報などがより自然に再現できるようになっているという。
電源回路については、用途別に独立したトランスを搭載する。各機能ブロック別に分離するとともに、各トランスの2次側巻き線部も各回路ブロック別に分離。それぞれに安定化電源回路へ電源とグランドの供給を行う構成としている。
本機はまた、最新のver.1.3a対応HDMIを装備し、ドルビーTrueHDやDTS-HD(Master Audio/High Resolution Audio)、ドルビーデジタルプラスなどの次世代サラウンドフォーマットに対応するデコーダーも搭載している。
HDMI端子の数は入力が6系統、出力が2系統。ディープカラーやxvYCC、オートリップシンクへの対応を実現したほか、2系統のHDMIの同時出力も可能となっている。
映像系のスペックとしてはまた、同社のDVDプレーヤー最上位機である「DVD-A1XVA」にも搭載された高性能10bit I/Pコンバーター「REALTA」を搭載する。HDMIでの1080p出力にも対応する高性能ビデオスケーラーとしての機能をはじめ、10bit演算による高性能プロセッシングにより、ピクセル単位で精度の高いI/P変換を実現する。また映像信号用に216MHz/12bit高性能ビデオDACが採用されている。その他、アナログからHDMIへのビデオコンバージョン機能も搭載した。
その他にも圧縮オーディオファイルの再生時には、圧縮によって失われた音声情報を保管し、音のトータルバランスを崩さずに再生する独自技術「Compressed Audio Restorer」により、高品位なサウンドを実現している。
豊富な拡張性を実現するネットワーク機能も充実している。ホームネットワーク上のPCにストックされた音楽ファイルを、本機から操作してストリーミング再生することが可能だ。「A1HDシリーズ」は共通してWi-Fi対応を実現しており、本体にワイヤレスロッドアンテナを装着して無線LANへの接続ができる。またインターネットラジオやフォトライブラリーの再生も楽しめるほか、USBメモリーオーディオプレーヤー内の音楽ファイル再生や、別売の同社iPod用コントロールドックを接続して、本機のリモコンからiPodを操作できる。付属のリモコンは学習機能を搭載する。
操作性の向上については、新たに開発されたGUIが日本語表示にも対応し、視認性が高まっている。付属の専用マイクによるオートセットアップ機能も搭載している。また、対になるパワーアンプ「POA-A1HD」との電源オン/オフやセットアップの連動操作も可能となっている。
■パワーアンプ「POA-A1HD」/10月下旬発売/¥735,000(税込)
AVプリアンプ「AVP-A1HD」と対になる10chパワーアンプ。実用最大出力は300W/ch(4Ω)を実現している。
オーディオアンプとしての実力を最大限に発揮するため、パーツやラジエータなどはチャンネルごとに独立で搭載したディスクリートモノラル構成となっている。
メイン電源部はパワーアンプ部専用の大型トランス、大容量高音質ブロックコンデンサー、大容量整流ダイオードにより構成され、安定した電源供給を実現している。さらに大型トランスをL/Rそれぞれに2個ずつ独立させるとともに、トランスの2次側から各チャンネルを完全独立させた構成をとることで、回路間の干渉を抑え、高音質再生を可能にした。
パワートランスやラジエーターをはじめとするパーツの取り付けや配置については「AVP-A1HD」同様のダイレクトメカニカルグランド設計を採用し、内外部の振動による音質への影響を徹底的に排除している。
「AVP-A1HD」との組み合わせにより、搭載する全10chのパワーアンプを効率的に活用し、様々なリスニング環境に対応できるパワーアンプアサイン機能を採用。10チャンネルを好みに合わせて自在に割り当てられる。また全チャンネルにXLR、RCAそれぞれの入力端子も搭載している。
■AVアンプ「AVC-A1HD」/10月下旬発売/¥598,500(税込)
本機は同社の一体型AVアンプの最上位機に位置づけられるモデルとなる。基本的なスペックはAVプリアンプ「AVP-A1HD」と同等となり、最新のver.1.3a対応HDMIの装備と、「ドルビーデジタルプラス」「ドルビーTrueHD」と「DTS-HDマスターオーディオ/ハイレゾリューションオーディオ」など、次世代サラウンドフォーマットに対応するデコーダーの搭載を実現している。
パワー部は7.1ch対応とし、実用最大出力は245W/ch(6Ω)。Wi-Fi対応のネットワーク機能や独自技術「Compressed Audio Restorer」による圧縮オーディオの高音質再生も可能だ。「AVP-A1HD」に採用されているXLR入出力は省略されている。
【問い合わせ先】
デノン コンシューマー マーケティング
TEL/03-6731-5540
(Phile-web編集部)
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トピック
- ブランドDENON
- 型番AVP-A1HD
- 発売日2007年10月下旬
- 価格¥735,000(税込)
【SPEC】●オーディオ入力:ステレオRCA×11、8ch外部入力×1、光デジタル×5、同軸デジタル×4、BNCデジタル×2、DENON LINK×1、USB×2、XLR×1 ●オーディオ出力:プリアウト16ch、レックアウト×3、光デジタル出力×4、XLRプリアウト×12 ●映像入力:HDMI×6、BNC×1、D5×2、コンポーネント色差×3、ビデオ×8、Sビデオ×8 ●映像出力:HDMI×2、BNC×1、D5×1、コンポーネント色差×1、ビデオ×6、Sビデオ×5 ●その他端子:イーサーネット×1、ドックコントロール端子×1、RS232C×2、トリガー出力×4、ロッドアンテナ×1 ●外形寸法:434W×217H×500Dmm(アンテナ含まず)
- ブランドDENON
- 型番POA-A1HD
- 発売日2007年10月下旬
- 価格¥735,000(税込)
【SPEC】●実用最大出力:300W×10ch(4Ω)、150W×10ch(8Ω) ●外形寸法:434W×280H×530Dmm
- ブランドDENON
- 型番AVC-A1HD
- 発売日2007年10月下旬
- 価格¥598,500(税込)
【SPEC】●定格出力:150W×7ch(8Ω) ●実用最大出力:245W×7ch(6Ω) ●オーディオ入力:ステレオRCA×11、8ch外部入力×1、光デジタル×5、同軸デジタル×4、BNCデジタル×2、DENON LINK×1、USB×2 ●オーディオ出力:プリアウト16ch、レックアウト×3、光デジタル出力×4 ●映像入力:HDMI×6、BNC×1、D5×2、コンポーネント色差×3、ビデオ×8、Sビデオ×8 ●映像出力:HDMI×2、BNC×1、D5×1、コンポーネント色差×1、ビデオ×6、Sビデオ×5 ●その他端子:イーサーネット×1、ドックコントロール端子×1、RS232C×2、トリガー出力×4、ロッドアンテナ×1 ●外形寸法:434W×217H×500Dmm(アンテナ含まず)