パイオニアマーケティングと家電店が“PASS会”を発足 − 国内AV市場の健全な拡大を目指す
パイオニアマーケティング(株)は、全国の家電店187社と共同し、「健全な国内AV市場の拡大」を目指した会員制組織「PASS会」を発足。7日、都内で設立総会を開催した。
PASS会とは、従来のパイオニア認定小売店「PASS(Pioneer Authorized Specialty Store)」を進化させた会で、有志の家電店によって構成された会員制組織だ。パイオニアマーケティング(株)代表取締役社長の校條亮治氏は「"PASS会"はPASS店とは別もの」と強調。本組織のネーミングについては「従来よりなじみの深い"PASS"を活かし"PASS会"とした」と説明し、パイオニアの系列店ではなく、有志の専門店が集まった独立組織であることをアピールした。
PASS会は商品・経営などの勉強会のほか、キャンペーンや内覧会の共同実施、オリジナル商品の提案や販売施策の提供などの活動を行う。また、「オーディオ販売」「ディスプレイ販売」「インストール販売」「経営」の4つの研究会を設け、これを運営する。
PASS会の執行役員として、以下のメンバーが選出された。
■会長:式地 秀豊 氏((株)シキデン 代表取締役)
■副会長:森田正二 氏((株)大阪屋 取締役社長)
丸山 明 氏((株)ロイヤルオーディオ 代表取締役)
市川耕治 氏((有)イチデン 代表取締役)
黒ア慶治 氏((株)ジョイフル 代表取締役)
総会では先日発表された"KURO"の販売戦略や製品説明などを実施。集まったPASS会員店に向けて、「違いの分かるユーザーに向けて価値ある商品を届ける」というコンセプトと、"KURO"の訴求ポイントを説明した。
会中、挨拶を行ったパイオニア(株)社長の須藤民彦氏は、「弊社は一時、市場の数の論理で厳しい状況に置かれた。本当の意味での改革を行い、次の道を切り拓いていくためには、原点を見つめなおすことが大切だと考えている。今後我々が生き残る道は、単なる数字ではなく"プレミアム"という情緒的な価値をいかに創造するか、そして時代を先取りした製品を作りだしていけるかということにかかっている。パイオニアらしさのある製品を消費者に届けられるのは、専門店のサポートがあってこそ。製品の正しい価値を、一緒に伝えていきたい」と、各会員店の協力を呼びかけた。
総会後は、幹事による質問答弁会が行われた。以下に、答弁の主な内容を掲載する。
Q.家電店にとってのPASS会の意義とはなにか。
A.家電店同士、絆を強めることができる。また、いろいろな意見を持ち合い、専門店の横の連携を強め、商品を訴求していくことも可能だ。消費者に商品の価値が理解されづらく、価格だけに注目されてしまうという現状がある。魂をこめて作られた製品にきちんとした価格を設定し維持するためにも、我々専門店は、説得力ある商品を価値あるものとして売る必要がある。(丸山氏)
PASS会と我々は今後一緒に商品開発をすることを視野に入れているが、メーカー側としても商品開発へ力添えを頂けることは意義深い。(校條氏)
Q.パイオニアと連携することの意味とはなにか。また、今後他メーカーが同様の競合をもちかけた場合、PASS会はどのような対応をとるのか?
A.協業することになったのは、主にAV専門店で構成されている我々PASS会と商品政策の部分で合致したため。私個人としては将来的に他メーカーとPASS会が協力することもやぶさかでないが、今後協議しあって決めたい。PASS会員店には魅力的な家電店がそろっている。他メーカーとしても価値ある組織なのではないか。(式地氏)
Q.横のつながりから生まれるものとは何か?
A.個人の志向が製品の購買理由に強く反映されるAV業界にとって、販売店同士の横の連携を強めることが今まで難しかった。市場を活性化しようと考えた際、小さい単位ではなかなか難しかった。全国の販売店が集まった会で大きな動きをつくっていきたい。これは我々にとっても業界にとってもメリットがあることだと考える。(式地氏)
Q.参加社の拡大は考えているか。
A.もちろん考えに入っている。インストールビジネスを行っているところにも勧誘を行っている。(校條氏)
Q.オリジナル商品とは具体的にどういったものか?
A.具体的検討に入るのはまだこれから。別のブランドをひとつ作り、その製品を会員店に置くなどの案がある。(校條氏)
最後に副会長に就任したイチデンの市川氏は「"安ければいい"という意識の改革を行わなければいけない」と発言。小売店やメーカーが商売できないのは、消費者と感動を共有していないためであり、価格やスペックなどの数字やシェアだけにとらわれず、商品の良さを消費者に分かって貰うことが大切だと訴えた。「今の販売店に欠けているのは“買った後の満足”。本物が売れる時代へ変えていきたい」と語った。
また、今後の活動の展望については、「PASS会自体の知名度を高めていく。ロゴマークのもとに、PASS会員店に行けば製品が観られる、PASS会員店で購入すれば安心、というブランド確立を目指す」(校條氏)と述べ、答弁は終了した。
(Phile-web編集部)
PASS会とは、従来のパイオニア認定小売店「PASS(Pioneer Authorized Specialty Store)」を進化させた会で、有志の家電店によって構成された会員制組織だ。パイオニアマーケティング(株)代表取締役社長の校條亮治氏は「"PASS会"はPASS店とは別もの」と強調。本組織のネーミングについては「従来よりなじみの深い"PASS"を活かし"PASS会"とした」と説明し、パイオニアの系列店ではなく、有志の専門店が集まった独立組織であることをアピールした。
PASS会は商品・経営などの勉強会のほか、キャンペーンや内覧会の共同実施、オリジナル商品の提案や販売施策の提供などの活動を行う。また、「オーディオ販売」「ディスプレイ販売」「インストール販売」「経営」の4つの研究会を設け、これを運営する。
PASS会の執行役員として、以下のメンバーが選出された。
■会長:式地 秀豊 氏((株)シキデン 代表取締役)
■副会長:森田正二 氏((株)大阪屋 取締役社長)
丸山 明 氏((株)ロイヤルオーディオ 代表取締役)
市川耕治 氏((有)イチデン 代表取締役)
黒ア慶治 氏((株)ジョイフル 代表取締役)
総会では先日発表された"KURO"の販売戦略や製品説明などを実施。集まったPASS会員店に向けて、「違いの分かるユーザーに向けて価値ある商品を届ける」というコンセプトと、"KURO"の訴求ポイントを説明した。
総会後は、幹事による質問答弁会が行われた。以下に、答弁の主な内容を掲載する。
Q.家電店にとってのPASS会の意義とはなにか。
A.家電店同士、絆を強めることができる。また、いろいろな意見を持ち合い、専門店の横の連携を強め、商品を訴求していくことも可能だ。消費者に商品の価値が理解されづらく、価格だけに注目されてしまうという現状がある。魂をこめて作られた製品にきちんとした価格を設定し維持するためにも、我々専門店は、説得力ある商品を価値あるものとして売る必要がある。(丸山氏)
PASS会と我々は今後一緒に商品開発をすることを視野に入れているが、メーカー側としても商品開発へ力添えを頂けることは意義深い。(校條氏)
Q.パイオニアと連携することの意味とはなにか。また、今後他メーカーが同様の競合をもちかけた場合、PASS会はどのような対応をとるのか?
Q.横のつながりから生まれるものとは何か?
A.個人の志向が製品の購買理由に強く反映されるAV業界にとって、販売店同士の横の連携を強めることが今まで難しかった。市場を活性化しようと考えた際、小さい単位ではなかなか難しかった。全国の販売店が集まった会で大きな動きをつくっていきたい。これは我々にとっても業界にとってもメリットがあることだと考える。(式地氏)
Q.参加社の拡大は考えているか。
Q.オリジナル商品とは具体的にどういったものか?
A.具体的検討に入るのはまだこれから。別のブランドをひとつ作り、その製品を会員店に置くなどの案がある。(校條氏)
最後に副会長に就任したイチデンの市川氏は「"安ければいい"という意識の改革を行わなければいけない」と発言。小売店やメーカーが商売できないのは、消費者と感動を共有していないためであり、価格やスペックなどの数字やシェアだけにとらわれず、商品の良さを消費者に分かって貰うことが大切だと訴えた。「今の販売店に欠けているのは“買った後の満足”。本物が売れる時代へ変えていきたい」と語った。
また、今後の活動の展望については、「PASS会自体の知名度を高めていく。ロゴマークのもとに、PASS会員店に行けば製品が観られる、PASS会員店で購入すれば安心、というブランド確立を目指す」(校條氏)と述べ、答弁は終了した。
(Phile-web編集部)