東芝DM社の大角氏が製品の魅力をアピール
「“CELL REGZA”はテレビの革命」 - 東芝が新製品発表会を実施
別項でお伝えしている通り、(株)東芝は“CELL REGZA”「55X1」を発表した。本項ではその発表会の模様をお届けする。
発表会には、東芝デジタルメディアネットワーク社 社長の大角正明氏が出席。「“CELL REGZA”は東芝の持っている総合技術力の結晶。最高のエンターテイメントマシンだ」と製品の能力をアピールした。
大角氏は、あいさつの冒頭で「様々なエモーショナルな体験や、家庭にいながらにして人生を豊かにするような実体験を表示する、それがテレビ。その実現には高画質・高音質、録画、ネットワークという3つの技術革新が必要だった。そのすべてを達成した“CELL REGZA”はテレビの概念を変える」とコメント。
続けて、CELLによって実現した圧倒的な高画質と高音質で「テレビの視聴を、視覚と聴覚という二感だけでなく、五感を震わせるものにする。テレビ視聴を能動的な“WATCH”から能動的な“EXPERIENCE”へと変えていく」と語った。
そして録画機能については、内蔵HDDに地デジ8チャンネル分を同時に一時保管する「タイムシフトマシン」なども説明。「これまでの放送時間という概念が変わり、時間の軸を越えた新しい視聴スタイルが生まれる」とコメントした。
こうした録画とネットワーク機能について大角氏は「コンテンツの在り方を“RECIEVE”から“DISCOVER”へと変える」とし、「溢れるあらゆる情報を、意識せずに好きなだけ獲得できる」と説明。「これはテレビの革命だ」と胸を張った。
続いて大角氏は新たにLEDドライブ回路とLEDバックライトアレイを自社開発するなどした「メガLEDパネル」にも言及。「CELLプラットフォームは素晴らしいアーティストだと思っている。しかし、どんなに素晴らしいアーティストでもキャンバスがないと絵は描けない。そのキャンバスとしてメガLEDパネルを開発した」と語った。
また、デフレが進む時代にCELL搭載機という高付加価値モデルをあえて投入する意義については、「このデフレスパイラルの中で、テレビも2割から3割ほど価格低下が進んでいる。そうした時代のニーズに応えることも我々の重要な使命であり責務だが、新しいものをまったく生み出さないでよいのかとも考えた」と説明。
コモディティー化が進むテレビ分野に対応する商品と高付加価値商品の両方に対応していくことがメーカーとしての責務だとし、「ダウンのスパイラルからアップのスパイラルに変えるチャンスをこの商品で作り上げたい」と語った。
そして大角氏は、“CELL REGZA”が現在のテレビのスタンダードとはまったく違うものである点を改めて強調。「誤解を恐れずに言えば、デジタル化された現在のテレビは誰にでも作れる。ただ、“明日のテレビ”とでも言えるCELLを搭載した製品は現在のところ我々だけだ」と同社の技術力を改めてアピール。「しかし、こうしたハイスペックな製品がスタンダードになる時代が数年先には必ずくるだろう」と語り、“CELL REGZA”がすでに数年後を見据えた製品であることを説明した。
そのほか、「3Dや4K2Kといった新しいコンテンツやインフラに対しても“CELL REGZA”のエンジンをベースに差異化や差別化を図っていく」と将来的な展開についてもコメント。2D映像を3Dに変換して再生する技術の搭載も視野に入れていることや、中小型化も検討していることなどを明かした。
そして大角氏は「“明日のCELL”が“明日の普通の商品”になるという時代が必ずやってくる。そのための技術革新を怠らない」とし、「“CELL REGZA”は単なるトップエンドの商品というだけでなく、東芝全体の核となるように技術革新を強化していきたい」と語った。
以下、会見で行われた質疑応答の模様をお届けする。
Q.販売台数の目標や海外展開について教えて欲しい。
A.まず日本国内で発売する。まずは月に1000台程度からスタートしたい。海外展開は2010年にアメリカをステップとして、ヨーロッパやその他の地域に展開していきたい。ただし、海外展開の際には商品としては現在のものとは異なるものが出て行くのではないか。
Q.実売価格がいくらくらいになりそうかと、その価格付けの狙いを教えて欲しい。
A.店頭で100万円前後になると思っている。ただし、販売店の独自ポイントやエコポイントも付いてくるだろうから、多少の幅は出てくるだろう。価格付けの狙いについては、いわゆるLEDバックライトの高級ゾーンが現在55万円くらいだという点が背景にある。そういったものからさらに3割から4割くらい高い値付けを想定している。
Q.エコポイントの話が出たが、この製品は対象になるものなのか。
A.我々としてはエコポイント対象機種になると思っている。
Q.実売価格は100万円前後ということだが、それはある程度採算が取れる価格設定なのか。それともコストをある程度度外視しているのか。
A.コストについては実は我々自身も分からない部分もある。まずはお客様目線というか、市場からどう評価されるかということから見ると、まずはご提案したいということ。コストというよりは、この程度の値段でお願いしたいということだ。流通の方の意見も参考にしての値付けをしている。
Q.マスターモニターなど、プロユースもある程度織り込んでの販売なのか。
A.結果としてプロユースもあるえるかとは思うが、我々としては民生用として進めている。
Q.CELLチップの外販についてはどう考えているのか。
A.どなたか買ってくれるなら売ってもいいかなと思うが、現在の状況では買ってくれるところはいないのではないか(笑)。
Q.このタイミングにならざるを得なかった最大の理由はなんなのか。
A.昨年1月のCESでこの時期の投入について言及したと思うが、遅れたとは認識していない。開発においてはパネルの問題などもあった。結果的に今の時期になったが、元々の想定から遅れているとは思わない。
Q.これがスタンダード化するという話があったが、他社に対するリードはどれくらいだと思うか。
A.いわゆるハイスペック領域において他社の状況をきっちり見ていないが、こうした商品を出しているのは東芝しかいない。この時点では比べる相手はいないと思っている。また、今後の展開ということで言えば、CELLテレビを最長でも1年くらいでミドルレンジのモデルにも落とし込んでいきたい。逆に言えば、そういう商品を投入していかないと欧州における“CELL REGZA”のデビューは難しいだろう。
Q.エコポイントについての話が出ていたが、今回の技術がどれくらいエコに有効なのか。また、ハイエンドにおいてのエコについて御社としてどう捉えているのか。
A.“CELL REGZA”にエコそのものがコンセプトとして埋め込まれているかというと難しい部分がある。ただ、エコはトータルで考えるべきではないか。東芝が売っているラインナップの8割・9割については、今後もさらにエコ化していく。
Q.今回は55V型のみのラインナップだが、このサイズになった理由を教えて欲しい。
A.55V型が現在の東芝にとって最大サイズであり、自分たちのトップエンド機種を出すにあたっては最大サイズ以外での開発はやはり避けたかった。日本の市場を見た場合には46V型と55V型、アメリカなら55V型と60V型などといったような組み合わせがあるが、現状は55V型を基軸にした。今回は複数のラインナップを出すところまでは考えられなかった。まずは最大サイズでフラグシップをきちんと商品化したいと考えた。
Q.本機での録画はTSモードとしたようだが、H.264へバージョンアップで対応する可能性などはあるのか。
A.現在のところ計画はないが、もちろん今後の検討課題ではある。
Q.60V型を高級モデルとして揃えるという考え方もあると思うのだが、その点についてはどう考えるか。
A.4K2K対応などを考えれば大画面化へ振れていくと思う。今回は55V型だが、中小型化だけでなく大型化も当然考えていきたい。
Q.CELLプラットフォームの構造についてもう少し詳しく教えて欲しい。また、コストダウンなどで1年くらいでミドルレンジ機でも展開するという話があったが、その際にはコア数がどれくらいになるかなど教えて欲しい。
A.プラットフォームはCELLチップだけでなく3枚の基板全体のことを指している。将来的なコストダウンで、どのくらいのCELLチップを使っていくのかなどは具体的に答えられる段階ではない。コストは技術開発費に乗っている部分が大きい。そうした意味で新たな開発は終わっている段階にあるので、ソフトウェアをうまく使えばコストダウンができると思う。
発表会には、東芝デジタルメディアネットワーク社 社長の大角正明氏が出席。「“CELL REGZA”は東芝の持っている総合技術力の結晶。最高のエンターテイメントマシンだ」と製品の能力をアピールした。
大角氏は、あいさつの冒頭で「様々なエモーショナルな体験や、家庭にいながらにして人生を豊かにするような実体験を表示する、それがテレビ。その実現には高画質・高音質、録画、ネットワークという3つの技術革新が必要だった。そのすべてを達成した“CELL REGZA”はテレビの概念を変える」とコメント。
続けて、CELLによって実現した圧倒的な高画質と高音質で「テレビの視聴を、視覚と聴覚という二感だけでなく、五感を震わせるものにする。テレビ視聴を能動的な“WATCH”から能動的な“EXPERIENCE”へと変えていく」と語った。
そして録画機能については、内蔵HDDに地デジ8チャンネル分を同時に一時保管する「タイムシフトマシン」なども説明。「これまでの放送時間という概念が変わり、時間の軸を越えた新しい視聴スタイルが生まれる」とコメントした。
こうした録画とネットワーク機能について大角氏は「コンテンツの在り方を“RECIEVE”から“DISCOVER”へと変える」とし、「溢れるあらゆる情報を、意識せずに好きなだけ獲得できる」と説明。「これはテレビの革命だ」と胸を張った。
続いて大角氏は新たにLEDドライブ回路とLEDバックライトアレイを自社開発するなどした「メガLEDパネル」にも言及。「CELLプラットフォームは素晴らしいアーティストだと思っている。しかし、どんなに素晴らしいアーティストでもキャンバスがないと絵は描けない。そのキャンバスとしてメガLEDパネルを開発した」と語った。
また、デフレが進む時代にCELL搭載機という高付加価値モデルをあえて投入する意義については、「このデフレスパイラルの中で、テレビも2割から3割ほど価格低下が進んでいる。そうした時代のニーズに応えることも我々の重要な使命であり責務だが、新しいものをまったく生み出さないでよいのかとも考えた」と説明。
コモディティー化が進むテレビ分野に対応する商品と高付加価値商品の両方に対応していくことがメーカーとしての責務だとし、「ダウンのスパイラルからアップのスパイラルに変えるチャンスをこの商品で作り上げたい」と語った。
そして大角氏は、“CELL REGZA”が現在のテレビのスタンダードとはまったく違うものである点を改めて強調。「誤解を恐れずに言えば、デジタル化された現在のテレビは誰にでも作れる。ただ、“明日のテレビ”とでも言えるCELLを搭載した製品は現在のところ我々だけだ」と同社の技術力を改めてアピール。「しかし、こうしたハイスペックな製品がスタンダードになる時代が数年先には必ずくるだろう」と語り、“CELL REGZA”がすでに数年後を見据えた製品であることを説明した。
そのほか、「3Dや4K2Kといった新しいコンテンツやインフラに対しても“CELL REGZA”のエンジンをベースに差異化や差別化を図っていく」と将来的な展開についてもコメント。2D映像を3Dに変換して再生する技術の搭載も視野に入れていることや、中小型化も検討していることなどを明かした。
そして大角氏は「“明日のCELL”が“明日の普通の商品”になるという時代が必ずやってくる。そのための技術革新を怠らない」とし、「“CELL REGZA”は単なるトップエンドの商品というだけでなく、東芝全体の核となるように技術革新を強化していきたい」と語った。
以下、会見で行われた質疑応答の模様をお届けする。
Q.販売台数の目標や海外展開について教えて欲しい。
A.まず日本国内で発売する。まずは月に1000台程度からスタートしたい。海外展開は2010年にアメリカをステップとして、ヨーロッパやその他の地域に展開していきたい。ただし、海外展開の際には商品としては現在のものとは異なるものが出て行くのではないか。
Q.実売価格がいくらくらいになりそうかと、その価格付けの狙いを教えて欲しい。
A.店頭で100万円前後になると思っている。ただし、販売店の独自ポイントやエコポイントも付いてくるだろうから、多少の幅は出てくるだろう。価格付けの狙いについては、いわゆるLEDバックライトの高級ゾーンが現在55万円くらいだという点が背景にある。そういったものからさらに3割から4割くらい高い値付けを想定している。
Q.エコポイントの話が出たが、この製品は対象になるものなのか。
A.我々としてはエコポイント対象機種になると思っている。
Q.実売価格は100万円前後ということだが、それはある程度採算が取れる価格設定なのか。それともコストをある程度度外視しているのか。
A.コストについては実は我々自身も分からない部分もある。まずはお客様目線というか、市場からどう評価されるかということから見ると、まずはご提案したいということ。コストというよりは、この程度の値段でお願いしたいということだ。流通の方の意見も参考にしての値付けをしている。
Q.マスターモニターなど、プロユースもある程度織り込んでの販売なのか。
A.結果としてプロユースもあるえるかとは思うが、我々としては民生用として進めている。
Q.CELLチップの外販についてはどう考えているのか。
A.どなたか買ってくれるなら売ってもいいかなと思うが、現在の状況では買ってくれるところはいないのではないか(笑)。
Q.このタイミングにならざるを得なかった最大の理由はなんなのか。
A.昨年1月のCESでこの時期の投入について言及したと思うが、遅れたとは認識していない。開発においてはパネルの問題などもあった。結果的に今の時期になったが、元々の想定から遅れているとは思わない。
Q.これがスタンダード化するという話があったが、他社に対するリードはどれくらいだと思うか。
A.いわゆるハイスペック領域において他社の状況をきっちり見ていないが、こうした商品を出しているのは東芝しかいない。この時点では比べる相手はいないと思っている。また、今後の展開ということで言えば、CELLテレビを最長でも1年くらいでミドルレンジのモデルにも落とし込んでいきたい。逆に言えば、そういう商品を投入していかないと欧州における“CELL REGZA”のデビューは難しいだろう。
Q.エコポイントについての話が出ていたが、今回の技術がどれくらいエコに有効なのか。また、ハイエンドにおいてのエコについて御社としてどう捉えているのか。
A.“CELL REGZA”にエコそのものがコンセプトとして埋め込まれているかというと難しい部分がある。ただ、エコはトータルで考えるべきではないか。東芝が売っているラインナップの8割・9割については、今後もさらにエコ化していく。
Q.今回は55V型のみのラインナップだが、このサイズになった理由を教えて欲しい。
A.55V型が現在の東芝にとって最大サイズであり、自分たちのトップエンド機種を出すにあたっては最大サイズ以外での開発はやはり避けたかった。日本の市場を見た場合には46V型と55V型、アメリカなら55V型と60V型などといったような組み合わせがあるが、現状は55V型を基軸にした。今回は複数のラインナップを出すところまでは考えられなかった。まずは最大サイズでフラグシップをきちんと商品化したいと考えた。
Q.本機での録画はTSモードとしたようだが、H.264へバージョンアップで対応する可能性などはあるのか。
A.現在のところ計画はないが、もちろん今後の検討課題ではある。
Q.60V型を高級モデルとして揃えるという考え方もあると思うのだが、その点についてはどう考えるか。
A.4K2K対応などを考えれば大画面化へ振れていくと思う。今回は55V型だが、中小型化だけでなく大型化も当然考えていきたい。
Q.CELLプラットフォームの構造についてもう少し詳しく教えて欲しい。また、コストダウンなどで1年くらいでミドルレンジ機でも展開するという話があったが、その際にはコア数がどれくらいになるかなど教えて欲しい。
A.プラットフォームはCELLチップだけでなく3枚の基板全体のことを指している。将来的なコストダウンで、どのくらいのCELLチップを使っていくのかなどは具体的に答えられる段階ではない。コストは技術開発費に乗っている部分が大きい。そうした意味で新たな開発は終わっている段階にあるので、ソフトウェアをうまく使えばコストダウンができると思う。