スペイン開催:IFA2011グローバル・プレスカンファレンス
IFA2011は展示ホールを増設して開催へ − メッセ・ベルリン社ゲーケ氏が語る“今年のIFAのハイライト”
説明会にはメッセ・ベルリン社COOのChristian Goeke博士が出席し、IFA2011の出展計画とハイライトを紹介した。
続けてゲーケ氏から、9月2日から7日までの期間に渡り開催されるIFA2011のハイライトが紹介された。
昨年、IFAの歴史における開催50回目のアニバーサリーを迎えたIFA2010では、「出展者数:1,423社 (前回比+22%)」「出展展示面積:134,400平方メートル(前回比+11%)」「来場者総数:235,000人(前回比+5%)うちトレード・ビジター数:125,000人(前回比+8%)」「期間中の受注総額:35億ユーロ(前回比+9%)」という記録を達成した。今年も出展申し込みを受付けた直後から予約が入り続けていることから、「早くも昨年を超える反響をいただいていることを、とても感謝している。これだけ多くの出展申し込みをいただき、皆様の出展スペースをどう確保するかが、私たち主催社にとっての大きな課題だった」とゲーケ氏は語る。
多くの申し込みを受けて、今年はメッセ・ベルリンの見本市会場に新しく2つのホールを臨時開設することが発表された。新設されるホールは、いずれも会場の北側メインエントランスの近く(プレゼンテーション図、上方黄色のブロック)に設けられる予定となっており、デジタルイメージング分野の商品・サービスを展開する出展者のためのホールになる計画という。
IFAには2008年からホームアプライアンスの出展分野が加わり、トレードビジターや来場者にも好評を博している。IFAがコンシューマーエレクトロニクス分野と両方のイノベーションを体験できる世界最大のイベントとなったことで、出展希望は年々増え続けているという。ゲーケ氏はメッセ・ベルリンの展示用スペースの拡大について、2014年のオープンに向けて、南側メインエントランス近くにも新たに2階建てのホールを建設する計画を発表した。新設するホールの位置づけについて「ホームアプライアンスの出展者が集まる“ホール2”、キーノートスピーチやプレスカンファレンスが多く開催される“ホール7”に隣接する位置に設けることで、出展者・来場者の双方にとって利便性の高いホールになるはず」と期待を述べた。
昨年は会期の後半に米Google社CEOのエリック・シュミット氏が登壇したことでも話題を集めたキーノートスピーチについて、今回は具体的な登壇者に関する発表はなかったものの、今年も注目度の高いキーパーソン、テーマによるキーノートにすべく準備が進められているという。また本会期に先駆けて行われるプレスカンファレンスなど、メディア向けプレイベントは8月31日から、プロダクトショー「ShowStoppers」は9月1日からの開催日程となることが発表された。
ゲーケ氏はIFAが出展者と来場者にとってのみならず、トレードビジター、ジャーナリストにも魅力の高いエレクトロニクスショーであることを強調する。2010年にはトレードビジターの総数が125,000人(うちドイツ国外からは29,000人)、ジャーナリストの数が6,084人(うちドイツ国外は1,877人)を達成し、毎年開催となった2006年から2010年まで右肩上がりで成長してきた統計データが示された。
IFAがこれほどまでにトレードビジター、ジャーナリストからの関心を集める理由について、ゲーケ氏は「IFAが開催されるヨーロッパが、世界のエレクトロニクス市場においていま最も重要な位置付けにあり、かつ多彩な言語や文化が入り交じるヨーロッパの地域において、IFAが成功のための信頼性の高いプラットフォームを提供できていること」を第一に挙げた。国際的なミーティングポイントとして重要な役割を担いながら、世界各国でエレクトロニクス製品のセールスピークが訪れる前の、9月という絶好の時期に最新の商品やサービスが一望できる参加効率の高いイベントであることもゲーケ氏は強調する。
今年もIFAはエレクトロニクス市場におけるトレンドメーカーになると語るゲーケ氏は「2010年はスマートTVやスマートフォン、タブレット、エコフレンドリーなホームアプライアンスなど、IFAで多くのイノベーションが紹介され、影響力を発揮してきた。また、例えばヨーロッパのホームアプライアンス主要メーカーは、2008年からIFAでの出展を開始して以後、IFAの開催時期に合わせて、これまでよりも多くの新製品を発表するようになった。これもIFAがエレクトロニクス市場を活気づけるイベントであることを示している」と説明する。
昨年のIFA2010では、タブレットに関する展示を集めたIFA eLibrary、iPodの周辺機器とサービスを集めたIFA iZoneなど、新たな特別企画展示が好評を博した。今年のイベントでは、これらをさらに充実させるとともに、3DやHDTV、スマートフォンやタブレットといった、注目度の高いジャンルについても積極的にスポットが当てられる。ゲーケ氏は「IFAはエレクトロニクスの全分野に関連するイノベーションを余すところなく提案しながら、2011年もさらに飛躍を遂げたい」と意気込みを語った。
記者説明会にはドイツ民生通信エレクトロニクス協会(gfu)のボードメンバーであるLoewe社Rainer Hecker博士、並びにGfKマーケティング・サービス社のJuergen Boyny氏も出席した。
ヨーロッパのコンシューマーエレクトロニクス市場のトレンドは、主にホームネットワークや機器連携により実現される新たなライフスタイルになるとBoyny氏は予測する。テレビ製品については、ネット機能やサービスを取り込んだ製品に関心が集まり、購買動向についても、こういった先進機能に対する期待感が高まりつつあるという。
ホームアプライアンスの分野では、既に技術的に成熟してきた省電力性能が一段と注目を浴びながら、エコの視点がテレビなどエレクトロニクスにも波及し、人々の大きな関心事になると予測。コンシューマエレクトロニクス全体が“Being Green”をテーマにした改革の時期を迎えると説明した。またリテール面ではヨーロッパでもネットショップの台頭が顕著になりつつあり、リアルのショップとの価格・サービス競争が一段と熱を帯びてくるだろうとBoyny氏は語った。