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「利益創出に向けた集中と選択の実施」

東芝、テレビ/PC事業を構造改革 − 新興国市場への注力/組織再編など

公開日 2013/07/26 18:51 ファイル・ウェブ編集部
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東芝は、デジタルプロダクツ事業の収益改善、事業体質強化を目的に、テレビ事業及びPC事業に関して「利益創出に向けた集中と選択の実施」と「軽量経営体質の再構築」を柱とした構造改革に取り組むと発表した。

新興国市場の開拓、BtoB事業へのシフト、高付加価値商品のグローバル展開などにより売上・利益の拡大を目指すとともに、経営のスリム化とコスト削減を図る。

構造改革の実施により、昨年度実施の構造改革効果とあわせ、テレビ事業とPC事業合計で、2012年度に対し、2013年度で約100億円、2014年度で約200億円の固定費削減を図る。これによって「グローバル競争で勝ち抜くための強い事業体質への転換を目指す」としている。

■テレビ事業 − 新興国への集中/モデル数絞り込みなど

テレビ事業においては、販売、人的資源ともに新興国などの注力地域へ集中。2012年度には約3割だった新興国市場売上比率を、2013年度には約4割へと引き上げることを目指す。

また4Kテレビに代表される付加価値商品の積極的なグローバル展開や、クラウドサービス提供などの取り組みを強化。またデジタルサイネージ市場や、ホテル、病院など向けのBtoB事業も強化する。2014年度はBtoB事業売上比率で約1割を目指す。

そのほかグラスレス3Dテレビ技術の医療への応用など、同社の強みである広い事業領域を活かし、全社的な部門間連携にも取り組むという。

加えてグローバルに製品設計の共通化を進め、2013年度中にプラットフォーム数を2012年度の14から9へ、機種数も2012年度の115機種から67機種へと削減を図る。これにより注力機種の拡販に向け、開発・設計リソースの効率的な配分を行う。

またグローバル生産委託先を従来の1/3に絞り込むことによるコスト削減に加え、機種別に自社生産・生産委託のすみ分けを進める。そして生産から流通までのオペレーションフロー改善による在庫・物流コスト等の削減に取り組むとともに、各生産・販売拠点の最適化を図っていく。

■テレビ/PC関係人員の配置転換や組織再編も

PC事業においてもテレビ事業と同様に、新興国市場やBtoB事業の拡大を実現するために、人員資源等のシフトを図り、従来のBtoCを中心としたPC事業からの転換を図る。

なおBtoC事業では、高度な手書き機能搭載の着脱式ウルトラブックなどの戦略商品の投入に加え、デジタルプロダクツ商品を販売するオンラインショッピングサイト「東芝ダイレクト」の活用を進め、販売チャネルの拡大を図るとしている。

そのほか、国内でテレビ事業、PC事業に関わる従業員総数の約20%に相当する設計開発・営業など約400名の従業員について、今年度中に、全社的な注力分野である社会インフラ事業などへの配置転換を実施する。

また、デジタルプロダクツ事業を担当する社内カンパニーである「デジタルプロダクツ&サービス社」内の組織を8月1日付で再編。テレビなどの映像事業を所管する「ビジュアルソリューション事業部」、BtoC向けPCやタブレットなどを所管する「パーソナルソリューション事業部」、BtoB事業を所管する「ビジネスソリューション事業部」の3事業部制に組織を再編する。

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