大幅に人員再配置
東芝、'15年度は赤字5,500億円。PC/家電の構造改革・青梅事業所は閉鎖/売却
東芝は、2015年度通期の連結業績予想について、営業赤字が3,400億円、純損益でも約5,500億円の赤字となることを発表した。不適切会計に端を発した経営上の不祥事が相次いで発覚し、各事業の損益についても厳しい状況が明らかになったことを受けて、同社はパソコン、映像、白物家電を含む「ライフスタイル事業グループ」について構造改革案を発表した。
国内市場向けのテレビ事業の自社開発・販売の継続、構造改革の詳細については、こちらのニュースでお伝えしている。
また、ライフスタイル事業グループの資産効率化のため、開発拠点である青梅事業所を閉鎖および売却する方針だ。開示すべき事項を決定した後に、詳細を公表するとしている。
■営業赤字が3,400億円、純損益でも約5,500億円の赤字
東芝は11月7日に公表した3月期 第2四半期決算短信(連結)において未定としていた2015年度の通期連結業績予定について、売上高が約6兆2,000億円、営業赤字が約3,400億円、純損益で約5,500億円を見込むと発表した。これまで課題事業の構造改革について検討を重ね、その影響等を慎重に見極めていたが、以下で紹介する課題事業に対する具体的な構造改革施策を決定したことで、業績予想を算定したとのこと。
営業赤字については、11月5日に公表した連結子会社 東芝テックによる減益損失696億円の計上に加えて、東芝の電力・社会インフラ部本の送変電・配電システム事業で資産価値を見直したことにより約400億円を計上。併せて約1,100億円の営業費用を計上する見込み。
12月4日に公表された同社の電子デバイス部門 システムLSI事業およびディスクリート半導体事業の構造改革に関する費用を約600億円、本日21日に公表された同社ライフスタイル部門のパソコン・映像・家電の各事業の構造改革に関する費用を約800億円、本社部門等の構造改革に関する費用を約900億円計上して、あわせて2,300億円の営業費用を計上する見込みだ。
これらの営業費用に加えて、電子デバイス部門や電力・社会インフラ部門などで業績の悪化が見込まれるため、2015年度の営業損益は3,400億円の見込みとなる。また上記に加えて、繰延税金資産取り崩しなどによる法人税等を約2,600億円計上するため、同年度の純損益でも5,500億円の赤字となる見込みだ。
なお、原子力事業の“のれん”および固定資産の減損は含まれていない。減損判定については、決算確定にむけて減損テストを実施し、その結果を適宜報告するとしている。
■パソコン事業はBtoB/BtoCを事業統合。約1,300名のリストラも
国内市場向けのテレビ事業は「国内人員削減等により固定費削減・収益力の強化を図り、自社開発・販売を継続」すると発表されたのはこちらの記事でお伝えしたとおりだ。
パソコン事業については、安定的な収益が確保可能なBtoB事業を中核に据えた事業体制とし、BtoC向け事業については事業範囲を限定する。具体的には、今後グローバルでの需要が見込めるBtoB事業を中核事業として、法人顧客の基盤を引き続き拡大して収益の安定化を図る。同時に注力地域におけるソリューション・サービスに軸足を移し、保険や流通、セキュリティー関連IoT事業の展開を拡充する。
BtoC向けについては、構内市場向けを主軸として、従来行っていたODMメーカーへの開発・生産委託による水平分業をとりやめ、バイセル取引を停止する。BtoB事業を展開する自社設計・製造部門を活用して自社の強みを活かした商品展開を目指し、プラットフォーム数も1/3以下に削減する。
こうした理由から、BtoB、BtoC向けの2事業部体勢を統合。ハードウェアおよびソリューションの開発・製造・販売・サービスを一貫して統括する1事業部体勢に移行する。同時に海外における注力地域の見直しにともない、海外拠点を現在の13拠点から4拠点に集約する。
またパソコン事業の構造改革の一貫として、東芝の社内カンパニーであるパーソナル&クライアント ソリューション社を、東芝の100%子会社で国内BtoB販売会社である東芝情報機器(株)に、会社分割により継承させる。これにより、他社との事業再編も視野に入れるとのこと。
これら一連の構造改革により、パソコン事業に関わる国内外人員の約3割にあたる約1,300名について、2016年3月までに人員削減を実施する。このうち国内人員については、2015年度末までに人員再配置および再就職支援を含む早期退職優遇制度を実施する。
早期退職優遇制度は、パーソナル&クライアント ソリューション社および東芝情報機器(株)の従業員が対象で、再配置および早期退職優遇制度を合わせて約400名を予定する。
パソコン事業に関わる構造改革に伴う費用として、2015年度において約600億円を計上する見込み。2016年度には従来から300億円以上の削減を図り、2016年度中のパソコン事業黒字化を目指す。
■家電事業も拠点を縮小。1800名をリストラ
家電事業は、国内外人員を削減すると共に、国内首都圏の拠点を現在の6拠点から3拠点に集約することで、固定費の削減を図る。
また、インドネシアのテレビ工場売却と同時に、同敷地内にある洗濯機工場を閉鎖する。土地・建物を売却する予定。本件についても、相手先企業と合意次第、詳細を公表する。これに伴って、国内外で二層式洗濯機の自社製造・販売を終了し、今後はドラム式洗濯機および全自動洗濯機等に特化していく。なお、二層式洗濯機事業の売上規模は2014年度連結で約30億円であった。
家電事業についても人員削減を実施。2016年3月末までに家電事業に関わる国内外人員約1,800名を削減する。国内人員については2015年度末までに再配置および再就職支援を含む早期退職優遇制度を実施する。
早期退職については、東芝ライフスタイル社で家電事業に従事している者が対象で、再配置および早期退職優遇制度を合わせて約50名を予定する。
家電事業については、これら構造改革に伴う費用として2015年度決算において約40億円を計上する見込み。固定費は2016年度で約50億円以上の削減を図り、2016年度中の黒字化を目指す。
国内市場向けのテレビ事業の自社開発・販売の継続、構造改革の詳細については、こちらのニュースでお伝えしている。
また、ライフスタイル事業グループの資産効率化のため、開発拠点である青梅事業所を閉鎖および売却する方針だ。開示すべき事項を決定した後に、詳細を公表するとしている。
■営業赤字が3,400億円、純損益でも約5,500億円の赤字
東芝は11月7日に公表した3月期 第2四半期決算短信(連結)において未定としていた2015年度の通期連結業績予定について、売上高が約6兆2,000億円、営業赤字が約3,400億円、純損益で約5,500億円を見込むと発表した。これまで課題事業の構造改革について検討を重ね、その影響等を慎重に見極めていたが、以下で紹介する課題事業に対する具体的な構造改革施策を決定したことで、業績予想を算定したとのこと。
営業赤字については、11月5日に公表した連結子会社 東芝テックによる減益損失696億円の計上に加えて、東芝の電力・社会インフラ部本の送変電・配電システム事業で資産価値を見直したことにより約400億円を計上。併せて約1,100億円の営業費用を計上する見込み。
12月4日に公表された同社の電子デバイス部門 システムLSI事業およびディスクリート半導体事業の構造改革に関する費用を約600億円、本日21日に公表された同社ライフスタイル部門のパソコン・映像・家電の各事業の構造改革に関する費用を約800億円、本社部門等の構造改革に関する費用を約900億円計上して、あわせて2,300億円の営業費用を計上する見込みだ。
これらの営業費用に加えて、電子デバイス部門や電力・社会インフラ部門などで業績の悪化が見込まれるため、2015年度の営業損益は3,400億円の見込みとなる。また上記に加えて、繰延税金資産取り崩しなどによる法人税等を約2,600億円計上するため、同年度の純損益でも5,500億円の赤字となる見込みだ。
なお、原子力事業の“のれん”および固定資産の減損は含まれていない。減損判定については、決算確定にむけて減損テストを実施し、その結果を適宜報告するとしている。
■パソコン事業はBtoB/BtoCを事業統合。約1,300名のリストラも
国内市場向けのテレビ事業は「国内人員削減等により固定費削減・収益力の強化を図り、自社開発・販売を継続」すると発表されたのはこちらの記事でお伝えしたとおりだ。
パソコン事業については、安定的な収益が確保可能なBtoB事業を中核に据えた事業体制とし、BtoC向け事業については事業範囲を限定する。具体的には、今後グローバルでの需要が見込めるBtoB事業を中核事業として、法人顧客の基盤を引き続き拡大して収益の安定化を図る。同時に注力地域におけるソリューション・サービスに軸足を移し、保険や流通、セキュリティー関連IoT事業の展開を拡充する。
BtoC向けについては、構内市場向けを主軸として、従来行っていたODMメーカーへの開発・生産委託による水平分業をとりやめ、バイセル取引を停止する。BtoB事業を展開する自社設計・製造部門を活用して自社の強みを活かした商品展開を目指し、プラットフォーム数も1/3以下に削減する。
こうした理由から、BtoB、BtoC向けの2事業部体勢を統合。ハードウェアおよびソリューションの開発・製造・販売・サービスを一貫して統括する1事業部体勢に移行する。同時に海外における注力地域の見直しにともない、海外拠点を現在の13拠点から4拠点に集約する。
またパソコン事業の構造改革の一貫として、東芝の社内カンパニーであるパーソナル&クライアント ソリューション社を、東芝の100%子会社で国内BtoB販売会社である東芝情報機器(株)に、会社分割により継承させる。これにより、他社との事業再編も視野に入れるとのこと。
これら一連の構造改革により、パソコン事業に関わる国内外人員の約3割にあたる約1,300名について、2016年3月までに人員削減を実施する。このうち国内人員については、2015年度末までに人員再配置および再就職支援を含む早期退職優遇制度を実施する。
早期退職優遇制度は、パーソナル&クライアント ソリューション社および東芝情報機器(株)の従業員が対象で、再配置および早期退職優遇制度を合わせて約400名を予定する。
パソコン事業に関わる構造改革に伴う費用として、2015年度において約600億円を計上する見込み。2016年度には従来から300億円以上の削減を図り、2016年度中のパソコン事業黒字化を目指す。
■家電事業も拠点を縮小。1800名をリストラ
家電事業は、国内外人員を削減すると共に、国内首都圏の拠点を現在の6拠点から3拠点に集約することで、固定費の削減を図る。
また、インドネシアのテレビ工場売却と同時に、同敷地内にある洗濯機工場を閉鎖する。土地・建物を売却する予定。本件についても、相手先企業と合意次第、詳細を公表する。これに伴って、国内外で二層式洗濯機の自社製造・販売を終了し、今後はドラム式洗濯機および全自動洗濯機等に特化していく。なお、二層式洗濯機事業の売上規模は2014年度連結で約30億円であった。
家電事業についても人員削減を実施。2016年3月末までに家電事業に関わる国内外人員約1,800名を削減する。国内人員については2015年度末までに再配置および再就職支援を含む早期退職優遇制度を実施する。
早期退職については、東芝ライフスタイル社で家電事業に従事している者が対象で、再配置および早期退職優遇制度を合わせて約50名を予定する。
家電事業については、これら構造改革に伴う費用として2015年度決算において約40億円を計上する見込み。固定費は2016年度で約50億円以上の削減を図り、2016年度中の黒字化を目指す。