アバターコンシェルジュへ製品相談も
富士フイルム、写真愛好家向けWebメタバース。デジカメショールームやユーザー交流など
■ショールームにギャラリー、ユーザー同士が交流できるスペースも
富士フイルムは、写真愛好家に向けたWebメタバース「House of Photography in Metaverse(以下、HoP in Metaverse)」について説明会を開催し、2024年2月22日(木)10:00より日本国内で一般公開することを発表した。
「HoP in Metaverse」は、デジタルカメラのショールームやギャラリー、ユーザー同士の交流ができるスペースを備え、写真愛好家同士、また、写真愛好家と同社をより直接的に結びつける新しいスタイルのコミュニケーション空間となる。なおウェブブラウザからアクセス可能で、閲覧にVRゴーグルは必要ない。
現在、同社ではユーザーとのコミュニケーションの場として、世界各地で直営写真店「House of Photography(ロンドン、シドニーなど)」「Wonder Photo Shop(表参道、バルセロナなど)」を運営し、デジタルカメラ「X/GFX シリーズ」や INSTAX“チェキ”などのイメージング関連製品とサービスを提供している。今後、ブラウザで閲覧可能なWebメタバース技術を用いた「HoP in Metaverse」を通じて、距離や時間の制約を超えてより多くのユーザーに直営写真店同等のサービス提供し、ユーザーとのダイレクトコミュニケーションを強化していく構え。
「HoP in Metaverse」は、「エントランスホール」「X/GFXショールーム」「ギャラリー」「コミュニティエリア」「アリーナ」の5つのルームを備えたメタバース空間。ユーザーがアバターとなって、イメージング関連製品やサービスの情報を得たり、フォトセミナーや新製品発表会、オンライン写真展などイベントに参加したりすることができる。さらに、ユーザー同士での会話や知識豊富なアバターコンシェルジュへの製品に関する相談など双方向のコミュニケーションも楽しむことができる。
登壇した同社取締役 専務執行役員 イメージングソリューション事業部長・山元正人氏は「写真愛好家のユーザーとの接点という形でWebメタバースを公開するのは初めてになります。ユーザーの皆様がなかなかリアル店舗にいけない、情報をどこで収集したらいいのかわからない、あるいはメーカーの人と話をしたい、そうした課題や要望をひとつに集約して、お客様がどこにいてもアクセスできる、われわれとコミュニケーションできるものとしました」と導入の背景について説明した。
「満足度の高いサービスを提供し、コンテンツについてはこれからお客様の声を聞いてさらに進化させていきます。HoP in Metaverseを通じて写真や映像の楽しみをより多くの皆様に知ってもらいたい。こうしたバーチャルとリアルの双方から様々な体験をしていただくことで、たくさんの笑顔を皆様につくっていただくことに貢献していきたい。新しい試みとなりますがどうぞご期待ください」と意気込みを示した。
HoP in Metaverseはゲストとして訪れることもできるが、同社の無料会員サービス「FUJIFILM メンバーズ」に登録することで、前記したような各ルームで提供するサービスの利用や音声会話が可能となる。
また、スマートフォン、タブレットでも入室可能だが、通信環境や各機種のスペックによって入室の可否やメタバース内での動作に差が生じることから、快適に楽しむために、安定した通信環境下でのパソコンのウェブブラウザ(Windows:Google Chrome/Microsoft Edge、Mac:Google Chrome/Safari)からの入室を推奨している。
同社イメ―イングソリューション事業部 新規商品戦略グループ 統括マネージャー・上野隆氏は「まずは年間で50万人が訪れるエリアにしたい。たくさんの人に集まっていただき、われわれや写真家とコミュケーションをして、富士フイルムのことを知っていただくことがスタートとなります」と当初の目標を掲げた。
また、国内向けでのスタートとなったことについて、「ユーザーとのコミュニケーションをしっかりしていくには自国の言語でやる必要があります。また、24時間オープンしているので、セキュリティの面からもきちんと会員登録をして入っていただくのが大事になります。各国で個人情報のルールがだいぶ違うこともあり、“日本在住の方”という縛りになりました。トライアルという側面もあり、今後周知をして我々にとって有効なシステムとなれば、各国へ展開していく施策も考えています」と説明した。
発表会には写真家の内田ユキオ氏と川辺優紀子氏がHoP in Metaverseに登場。その魅力と可能性について両氏は「リアルなものをここに持ち込むのがいいのか、ここでしかできないことをやった方がいいのか、まだこれからだと思います。地方にいてイベントなどになかなか参加できないケースもあり、距離や時間を超越した可能性を感じています」(内田氏)、「写真の展示の仕方にもまた新しいことが考えられると思います。交流の幅も拡がり、本当に楽しみしかないです」と大きな期待を寄せた。