オンイヤー/オーバーイヤーで音の変化も楽しめる
音もルックスも良いワイヤレスヘッドホン、欲張りな願いがMASTER&DYNAMIC「MW50+」なら実現する
また、少し使えば高い堅牢性にも気が付くだろう。ハウジングにはアルミニウムを、ヘッドバンドとの間のアーム部分にはステンレスを採用。見た目の高級感もさることながら、アームを伸張させてバンドの長さを調整する際に、一度位置を決めたらびくともしないことに驚いた。装着時やイヤーパッドの交換時に勝手に伸びたり縮んだりといったことが一切ないのだ。
側圧は強めで、これがイヤーパッドの形状に左右されない高いフィット感につながっている。この堅牢性の高さは使い勝手だけでなく、毎日使うことへの安心感にも直結し、持つことへの喜びを高めてくれる。なお、サイズ/質量はオンイヤー状態で190×155×34mm/205g、オーバーイヤー時は200×165×40mm/239gとなる。
ハウジングは密閉型。表面には網状の装飾が施されている。ドライバーにはベリリウムコーティングを施したφ40mmのネオジウムドライバーを搭載。再生周波数帯域は5Hz〜30kHz、有線接続時のインピーダンスは32Ωとなる。
Bluetoothのバージョンは4.2、サポートするコーデックはaptXとSBCだ。連続再生時間は最大で16時間。持ち歩いて使った感覚でも、片道1時間(往復2時間)の電車移動でおおよそ1週間程度は持つ。また、移動中のBluetoothリスニング時でも接続は非常に安定しており、数秒単位で音声が聴こえなくなったり、接続自体が切れたりすることはなかった。
操作や他の機器との接続は、左右ハウジング底部のボタンや端子で行う。左側に備えるのは、電源のオン/オフおよびペアリング操作を行うスライド式のスイッチと、有線接続用の3.5mm端子。右側にはボリュームと再生/一時停止などの操作用スイッチおよび、充電用のUSBタイプC端子がある。
キャリングポーチが付属し、ハウジングを90度倒してフラットな状態にして収納できる。また、他にはオンイヤーとオーバーイヤー2種類のイヤーパッド、オーバーイヤーのイヤーパッド用レザーケース、長さ1.25mの有線接続用ケーブル(両端とも3.5mm 4極)、充電用USBタイプCケーブルが付く。
■4つのマトリクスで聴き比べ。ベストマッチはどの組合せ?
では、いよいよ試聴に入ろう。今回は、試聴プレーヤーにオンキヨーの「GRANBEAT」を使い、aptX方式によるBluetooth接続と有線接続をともに試した。これとオンイヤーとオーバーイヤー、2種類のイヤーパッドを組み合せて4つのマトリクスで聴き比べていきたい。
試聴曲に選んだのは、ブルーノ・マーズの「24K Magic」(44.1kHz/24bit、FLAC)。2016年10月にシングルで発売された彼の代表曲の一つで、現代的でありながら80年代のR&Bの雰囲気を併せ持つ。洗練されたサウンドが魅力で、太く芯の通ったベースラインとノリの良いテンポに、キレ味鋭いボーカルとゴージャスなコーラスが合わさる。
収録アルバム『24K Magic』が、2018年のグラミー賞で最優秀アルバム賞に輝いたこともあり、耳にしたことがある人も多いだろう。この曲は驚くほど音が整理されていて定位に曖昧さがない。各パート(楽器)もクリアに分離されている。空間の広さや、音数が多い部分で音をしっかり聴き分けられるかが試聴ポイントだ。
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