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<ゲーミング特集2022>

音質が上がるとゲームプレイの質もアップ!Astell&Kern「AK HC3」が使えば使うほど“良い”

公開日 2022/12/09 06:30 草野晃輔
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ハイエンドDAPの雄であるAstell&Kern(アステル&ケルン)。スマホで高音質を楽しんでもらうことにも意欲的で、ポータブルUSB DAC/アンプを多数手掛けている。新製品の「AK HC3」は、シリーズを代表する人気モデル「PEE51 AK USB-C Dual DAC Amplifier Cable」の後継機だ。「Hi-Fi Sound Anywhere」を掲げ、音楽や映像、ゲームなどざまざまなシーンで高音質を実現できるよう開発されている。

「AK HC3」(予想実売価格:32,980円前後)

DACチップには、ESS Technology社製の「ES9219MQ」を左右デュアル構成で搭載。PCM 384kHz/32bit、DSD 256までのネイティブ再生に対応する。

金属製の本体は最も長い部分が59mmと非常にコンパクト。これは、DAP設計で培ったノウハウをもとに超小型の抵抗やコンデンサを採用したため。ほかにも、カスタムメイドの超小型タンタルコンデンサを用いて電源変動を抑制。消費電力を抑えつつ、安定したシステム駆動とオーディオ性能を両立させた。

再生機器との接続用にUSB-C端子を備え、Androidスマホはもちろん、付属の「USB Type-C to Lightning変換アダプター」を使えばiOSでも利用できる。また、Windows PCやMacにも対応し、接続すればバスパワーで駆動する。端子がつながるケーブルにもこだわり、「高耐久性デュアルノイズシールドケーブル」を採用。ノイズの干渉を極限まで抑える工夫がいくつも凝らされている。出力端子は使い勝手のよい4極の3.5mmステレオミニを採用する。通話にも対応し、ゲームのボイスチャットやテレワークにも重宝する。(※iOSデバイスは付属のアダプター使用では通話に非対応)

USB-C接続、付属アダプタでのLightning接続で、Android/iOS/PCなど多様なデバイスに対応するできる0

出力端子は3.5mmアンバランス出力を採用。USB-C接続時は3.5mm4極マイク・コントローラー入力に対応しボイスチャットも行える

銘機の後継モデルとして性能強化、高精細で厚みのあるサウンドがプレイの幅を広げる



まずはAndroidスマホから試していこう。代理店が本機と相性がいいと薦めるfinal「VR3000」やTAGO STUDIO「T3-03 GAMING PKG」を組み合わせた。FPSゲームの『Apex Legends』を起動すると、音の厚みと立体感がGoogle純正「USB-C - 3.5mmアダプター」を使っていた時とまったく違う。「サー」というホワイトノイズが極めて低く、今まで雑に聴こえた風切り音がリアルなのだ。

iPhoneやAndroidスマホと組み合わせてサウンドをチェックした

遠くの銃声も距離感や定位がわかりやすい。これまでは銃声が聞こえたら、近寄ってひたすら打ちまくるという、ある意味パワープレイ主体だった。これが、AK HC3を使うことで、音を頼りに敵の背後に回り込み、忍び寄ることに成功した。音質の向上によって、プレイスタイルの幅を広げられたのが嬉しい。

音ゲーの『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat.初音ミク』も、音の解像度が大幅にアップしてしている。これまでは音に合わせてタップしていたつもりでも、判定がシビアで最上位の「Perfect」ではなく、その下の「Great」や「Good」になり、「あれ?」と感じることが少なくなかった。それが、AK HC3で今までどおりプレイしたら「Perfect」判定をもらえる頻度が格段に上がった。立ち上がりが鋭く音像が明瞭なため、リズムの芯へのピントが合ったような感覚だ。何曲か試したが、多くのケースでこれまでのスコアを更新できた。

付属のLightning変換アダプターを装着し、iPhoneでも試した。プレイしたのはパズルゲームの『ツムツム』だ。音なんて関係ないと思われるかもしれないが、ツムをつないだ際の効果音やフィーバー時のサウンドなど、実は音を頼りに展開を先読みすることが多い。AK HC3だと音の粒が立つので、重なった効果音の聴きわけがカンタン。目視しなくても状態がわかるので、プレイがしやすかった。

スマホでのプレイ時は、本体がテーブルなどで支えられるよう低い位置で構えると楽だ

もう一つ、往年の名作をリメイクしたスマホ版『ドラゴンクエストIV』も遊んでみたが、タイトル画面で高音質の「序曲」が流れてきただけで感激してしまった。ホワイトノイズがなく、ゲームをしているというよりはサントラを聴いている感覚。「フィールド曲はどんないい音だろう」「戦闘曲も聴きたい」と、プレイもそこそこに音楽を楽しんでしまった。

ゲーム以外の実力はどうだろうか。音楽はAmazon Musicでいろいろなジャンルの曲を聴いてみたが、総じて高解像で密度のあるサウンドが楽しい。低域から高域までフラットな傾向ではあるものの、低域の彫りが深いため表情が豊か。ロックやポップス、EDMのような低域がリズミカルな曲と特に相性がよい印象だ。映像もFPSゲームのように、音の実在感が際立っている。それこそ、物音一つ取ってもリアルで、知らず知らずのうちに映像の世界に没入してしまっていた。

TAGO STUDIO「T3-03 GAMING PKG」など、ゲーミングヘッドセットとして活用できるモデルとの組み合わせでさらなる音質アップが期待できる

昨今、Bluetooth接続のヘッドホンやイヤホンが人気だ。性能が向上し、遅延も少なくなったが「ゼロ」とまではいかない。遅延の影響を完全排除するなら有線接続がベストだ。では、有線接続ならなんでもOKかというと、そんなことはない。変換アダプターがあれば簡易的に有線接続が可能になるが、音質面では専用DACに劣る。この音質こそ重要で、AK HC3を使えばプレイの質が上がり、楽しさが大幅にアップすることが改めてわかった。ゲームを満足に楽しみたいなら、AK HC3は必携のアイテム。使えば使うほど、その良さに惚れ込むはずだ。

(提供:株式会社アユート)

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