PRアクセサリーのような上質感も魅力
HIFIMAN「Svanar Wireless」は驚きの高密度設計!最上位モデルらしい音質最優先の完全ワイヤレス
このように、音質に関しては万全の構えをとる「Svanar Wireless」だが、機能面でもフラッグシップモデルに相応しい内容を持ち合わせている。まず、上位機種ではすっかりお約束となっているANC(アクティブノイズキャンセリング)機能を搭載。こちら、「ANCディープノイズキャンセリング」と呼ぶシステムによって最大-35dBのノイズ低減を実現しているという。もちろん、外音取り込み機能も用意されている。また、防水性能はIPX5を確保している。
もうひとつ、ユニークなのがアンプの活用だ。「Svanar Wireless」にはANCに加えて、「HIFIモード」が用意されている。こちらをオンにすることで、ベストなサウンドを楽しむことができるという。そのぶんバッテリー持続時間は短くなり、ANCオフで約7時間再生、ANCオンで約6時間再生のところ、HIFIモードでは約4時間となる。ただ、専用ケースからおよそ3回のフル充電が行えるようなので、日常使いで特に不満が生じることはないだろう。
イヤホン本体のデザインも秀逸だ。いわゆる“バータイプ”などと言われるデザインを採用しているが、細部にこだわったデザインであること、シルバーカラーを採用することなどからアクセサリーとして見ても違和感のない上質感を持つ。
加えて、インナーハウジング(イヤホン本体の耳側に当たる部分)に有線イヤホン「Svanar」と同じエルゴノミックデザインを採用、良好な装着感をもたらしてくれる。ANCの効果を左右する遮音性も良好だ。ジュエリーケースのようなデザインの専用ケースは、ワイヤレス充電にも対応。使い勝手が良さそうだ。
■どんなジャンルを聴いても楽しい!キレよく自然な絶妙チューニング
さて、肝心のサウンドはいかがなものだろう。洋楽やJポップ、クラシック、ハードロックまで様々な楽曲を聴いて見たが、キレがよく、それでいて自然な音色という絶妙なチューニングバランスが特徴的だ。
おかげで、どんなジャンルの楽曲も存分に鳴らしてくれるが、特にEarth,Wind & Fireなどの名盤洋楽がとても楽しい。ヴォーカルが活き活きとした歌声を聴かせてくれ、それに重なる楽器の音色も自然。強調されすぎず、それでいて適度な存在感を持つベースの演奏によって、グルーブ感溢れるサウンドが堪能できる。
最近の作品では、宇多田ヒカル『BADモード』も楽しい。キレのよさと繊細な表現が巧みにバランスする高域によって、普段よりもクリアな歌声や演奏が味わえる。
いっぽうで、クラシックも聴き応えがあった。ディテール表現がきめ細やかなこと、抑揚表現の幅に余裕をもつことが功を奏して、オーケストラは臨場感溢れる、壮大なスケール感の演奏が楽しめた。
モード設定に関しては、やはりHIFIモードがオススメ。連続再生時間が約4時間というのは少々短くも感じるが、ケースからの充電を含めると約16時間は使えるし、そもそもノイズ感のなさや抑揚表現のダイナミックさが格別なので、バッテリーが気になってもついついこちらを楽しみたくなる。
このように、HIFIMANの新型フラッグシップTWS「Svanar Wireless」は、その価格にみあったデザインとサウンドを持つ、とても魅力的な存在となっている。特に“TWSは音質的に満足できない”という人には、是非一度聴いてみて欲しい製品だ。
(企画協力:ハイファイマンジャパン)