【特別企画】開放的な音場の広がりは「360 EXAKT」と共通
アンプ選びの楽しみも広がる、LINNのフラグシップスピーカー「360 PWAB」を自宅で検証
“スピーカーの存在が消える(Audibly Invisible)”。音楽だけ聴こえるというコンセプトを掲げ、昨夏登場したLINN(リン)創業50周年のフラッグシップスピーカー「360」。ここでは、低域のみ内蔵アンプで駆動するパッシブ型の「360 PWAB」のインプレッションをお届けしたい。オーディオ評論家・山之内 正邸に持ち込み、氏が普段から使用しているアンプと組み合わせて試聴した。
LINNが2023年夏に発売した「360」が大きな注目を集めたのはなぜか。理由はいくつか思い当たる。まずは待望の新製品という話題性。ロングセラーの350シリーズから久々のフルモデルチェンジで、EXAKTの導入からもすでに10年が経過している。
そして、LINNが自社で開発したORGANIK DACをEXAKT仕様のモデルに導入したことも注目度が高い。ディスクリートDACをスピーカーに載せるという未来志向の贅沢な手法は、当然ながらリスナーの興味を掻き立てる。そのほかにも流麗かつ精緻な外観、上位移行した価格など、話題には事欠かない。
そして、忘れてはいけないのがもうひとつのバリエーション「360 PWAB」の存在だ。PWABは「パッシブ・ウィズ・アクティブ・バス」の略で、文字通り最低音域のみアクティブでその他の帯域はパッシブという意味だ。一般的なスピーカーに近い構成なので現有アンプを活用できるし、マルチアンプ駆動に挑戦したいリスナーならExaktboxと3ウェイ分のパワーアンプをつなぎ、EXAKTマルチアンプのオプションが視野に入る。
「360 EXAKT」はLINNでシステムを揃える場合は理想的な選択肢になるが、組み合わせの自由度と拡張性では360 PWABの方が優位に立つのだ。
前回は360 EXAKTを試聴したが、今回はこの360 PWABが主役。筆者の試聴室の再生システムに組み込み、聴き慣れた環境で検証することができた。
ドライバーとエンクロージャーは360 EXAKTと共通だ。4ウェイ構成が基本で、100Hz以上の主要帯域は「360アレイ」に近接配置した3つのドライバー、すなわち19mmトゥイーター、64mmドーム型ミッドレンジ、190mmアッパーベースがカバーする。100Hzより下は内蔵アンプによるアクティブ駆動となり、220mm口径の2つのウーファーが受け持つ。振動板素材はトゥイーターがベリリウム、ミッドレンジが薄層織りカーボンファイバー、アッパーベースとウーファーはアルミマグネシウム合金をそれぞれ採用する。
アレイを構成する3つのドライバーは共通の削り出しアルミ製プレートに固定され、ウーファーの外周部にも同じくアルミを採用。これらの部品をLINNは「トリム」と呼んでいるが、いずれもウェーブガイドの役割を担い、デザイン上も目を引く存在だ。
ちなみに本体の5種類の仕上げに対してトリムはブラックまたはシルバーを選べるので、合計で10パターン。特注でカスタムカラーも選べる。今回の試聴機はグラスゴー・コレクションのリン・ヘリテッジ+シルバートリムという仕上げで、濃いブルーとシルバーの対比が鮮烈だ。部屋に外光が入ると光沢感のあるブルーが浮かび上がり、引き込まれるような深みのある外観は息を呑むほど美しい。
主要帯域を外部パワーアンプで駆動する360 PWABにはデジタル入力がないので、基本的には通常のスピーカーと使い勝手は変わらない。アッパーベース、ミドル、ハイの各入力をジャンパーでつなぎ、内部のパッシブクロスオーバーで帯域分割を行う。
一方、低域については2種類の接続方法がある。背面の切り替えスイッチを用いて、スピーカー入力を内部で分岐するか、または専用XLR端子にプリアウトをつなぐ方法のどちらかを選べるのだ。いずれの場合もスピーカー内部でAD変換後にアップサンプリング及びビット拡張、ドライバーユニットの個体差補正が行われ、デジタルクロスオーバーで低音成分を取り出す。
その後、ボリューム回路を経て「PowerDAC」と呼ばれるブロックにデジタル信号を受け渡すという流れだ。ちなみにボリュームは内蔵アンプと外部アンプのゲイン差を補正するための機能で、背面のトリムで調整する(1dB単位)。
PowerDACを含む低域の信号処理と増幅回路はADコンバーターの有無を除けば360 EXAKTとまったく同一の内容だ。DACとパワーアンプを統合したLINN独自の技術で、出力レベルが上ってもノイズが増えないというデジタル処理ならではのメリットが享受できる。
(編集注)360 PWABは通常のパワーアンプと組み合わせて使うスピーカーである。パッシブクロスオーバーにはプリント基板は使用されておらず、新設計の低レゾナンスパッシブクロスオーバーを搭載している。低域のみアクティブ駆動するため、低域信号はスピーカー端子に入れてから内部で分岐するか、プリアンプから専用XLRに入力する方法いずれかから選ぶ。いずれの場合もスピーカー内部でAD変換され、デジタル領域でアップサンプリング、最適化が行われ、「PowerDAC」へと受け渡される。
再生システムはスピーカーを除いて普段使っている製品をそのまま使用した。ソース機器はLINNのKLIMAX DSM/3を固定出力のプレーヤーとして使用し、アキュフェーズのC-2900とA-75に送り出す。今回はプリ出力を360 PWABのXLR端子に入力する方法で試聴したが、この組み合わせではA-75のみXLR入力を2番HOTに切り替えれば全帯域で正相に揃う。ゲイン補正は+2で適切なバランスが得られた。
360 PWABと床の間にボードを介しているが、それを除くとスタンド込みで高さは114cmほど。この部屋に常設しているウィルソン・オーディオのSophia 3とほぼ同寸で、重さも360 PWABの方が5kgほど軽い。ベース部の幅と奥行きを無視すれば360 PWABの方が本体は細身で圧迫感がなく、上部に向かって連続的に幅が狭くなる形状がスリムな印象を際立たせる。ハイエンドのフロア型スピーカーのなかでは導入しやすく、設置しやすいサイズ感である。
360の試聴経験は通算で5〜6回に及ぶはずだが、パッシブの360 PWABをじっくり聴くのは2回目で、自宅の試聴環境では今回が初めての経験だ。だが、音が出た瞬間、スピーカーに音が張り付かず開放的な音場が広がる情景は、アクティブとパッシブという駆動方法の違いを超えて360というスピーカーに共通する長所だと実感した。存在を感じさせないというのはスピーカーにとって最大級の賛辞だから頻繁に使いたくはないのだが、まさにそう形容するしかないと感じるほどに音離れの良いサウンドが部屋を満たす。
ツィンマーマンとヘルムヒェンによるベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタは、スピーカーの後方に透明度の高いピアノのハーモニーが広がり、その手前の空中にヴァイオリンの立体的な音像がふわりと浮かぶ。両者の間の空気に混濁はなく、アーティストと聴き手の間にもなにも介在せず、目の前で鍵盤や弓が動いて発音しているようにしか感じられない。しかも、最初の第一音からいきなりそう感じさせるのだ。弾き始める瞬間のブレスも思わずハッとするほどリアルで、ステージに近いホールの座席となんら変わらない心地よい緊張感に包まれる。
壁が存在しないようなオープンな空気の動きは、規模の大きなオーケストラ作品でさらに強烈な印象を生む。バッティストーニが振ったマーラーの交響曲第5番のアダージェットでは、弦楽器の直接音の瑞々しい音色に引き込まれると同時に、柔らかい感触の余韻が舞台上からその周囲までゆったり広がっていく様子が目に浮かぶ。演奏会場では日常的に体験できる残響の広がりもリスニングルームではどこかで動きが止まってしまうことが多いのだが、360 PWABの再生音にはその中途半端な感じがなく、部屋の壁を超えてはるか彼方まで響きが広がっていくのだ。
豊かなアコースティックの対極のデッドなスタジオで収録した音源では、アーティストとの距離の近さ、同じ空気を共有しているテンションの高さを生々しく伝えるが、狭い空間に閉じ込められたような閉塞感は皆無で、音の伸びやかさとリアリティに強く引き込まれた。
リッキー・リー・ジョーンズ「イッツ・ライク・ディス」のベース、オルガン、パーカッションの距離の近さと楽器イメージの実在感は圧巻で、ヴォーカルはアンプを介さず本人がそこで歌っているような迫真のイメージが浮かぶ。普段よりも大きめの音量で聴いても、声もピアノもまったく飽和する気配を見せず、ボリュームを上げればどこまでも実在感が高まる。振幅が最大限に達する「Trouble Man」のベースも余分な音が微塵も残らず、ピタリと制動して緩みを見せない。LINNが低音のアクティブ駆動にこだわるのは、低音の質で妥協したくないからに違いない。
アラン・テイラー「ザ・トラベラー」の深々としたベースも空気が震える感触だけが静かに広がり、ヴォーカルやギターの音色を曇らせたり、声の発音が曖昧になる気配はまったく感じさせない。反射や回折の影響を排除したエンクロージャーの形状は特に声のイメージを自然に収束させる効果を発揮。もう一度繰り返すが、スピーカーの存在がスッと消えて目の前に楽器と声が浮かぶ情景をここまで違和感なく描き出す例は極めて珍しい。
ステージがホール空間ごと部屋に引っ越してきたような臨場感は360 EXAKTとかなり近い。一方、演奏の勢いやハーモニーの厚みを引き出すことができた点など、A-75との組み合わせならではと感じた部分もある。組み合わせるアンプ次第で音調を追い込む楽しみにこだわるなら、あえてパッシブ型を選ぶのは理にかなっている。
取材Photo by 君嶋寛慶
(提供:リンジャパン)
本記事は『季刊・Audio Accessory vol.191』からの転載です
手持ちのアンプと合わせて楽しめる360 PWAB
LINNが2023年夏に発売した「360」が大きな注目を集めたのはなぜか。理由はいくつか思い当たる。まずは待望の新製品という話題性。ロングセラーの350シリーズから久々のフルモデルチェンジで、EXAKTの導入からもすでに10年が経過している。
そして、LINNが自社で開発したORGANIK DACをEXAKT仕様のモデルに導入したことも注目度が高い。ディスクリートDACをスピーカーに載せるという未来志向の贅沢な手法は、当然ながらリスナーの興味を掻き立てる。そのほかにも流麗かつ精緻な外観、上位移行した価格など、話題には事欠かない。
そして、忘れてはいけないのがもうひとつのバリエーション「360 PWAB」の存在だ。PWABは「パッシブ・ウィズ・アクティブ・バス」の略で、文字通り最低音域のみアクティブでその他の帯域はパッシブという意味だ。一般的なスピーカーに近い構成なので現有アンプを活用できるし、マルチアンプ駆動に挑戦したいリスナーならExaktboxと3ウェイ分のパワーアンプをつなぎ、EXAKTマルチアンプのオプションが視野に入る。
「360 EXAKT」はLINNでシステムを揃える場合は理想的な選択肢になるが、組み合わせの自由度と拡張性では360 PWABの方が優位に立つのだ。
前回は360 EXAKTを試聴したが、今回はこの360 PWABが主役。筆者の試聴室の再生システムに組み込み、聴き慣れた環境で検証することができた。
通常のスピーカーと使い勝手は変わらない
ドライバーとエンクロージャーは360 EXAKTと共通だ。4ウェイ構成が基本で、100Hz以上の主要帯域は「360アレイ」に近接配置した3つのドライバー、すなわち19mmトゥイーター、64mmドーム型ミッドレンジ、190mmアッパーベースがカバーする。100Hzより下は内蔵アンプによるアクティブ駆動となり、220mm口径の2つのウーファーが受け持つ。振動板素材はトゥイーターがベリリウム、ミッドレンジが薄層織りカーボンファイバー、アッパーベースとウーファーはアルミマグネシウム合金をそれぞれ採用する。
アレイを構成する3つのドライバーは共通の削り出しアルミ製プレートに固定され、ウーファーの外周部にも同じくアルミを採用。これらの部品をLINNは「トリム」と呼んでいるが、いずれもウェーブガイドの役割を担い、デザイン上も目を引く存在だ。
ちなみに本体の5種類の仕上げに対してトリムはブラックまたはシルバーを選べるので、合計で10パターン。特注でカスタムカラーも選べる。今回の試聴機はグラスゴー・コレクションのリン・ヘリテッジ+シルバートリムという仕上げで、濃いブルーとシルバーの対比が鮮烈だ。部屋に外光が入ると光沢感のあるブルーが浮かび上がり、引き込まれるような深みのある外観は息を呑むほど美しい。
主要帯域を外部パワーアンプで駆動する360 PWABにはデジタル入力がないので、基本的には通常のスピーカーと使い勝手は変わらない。アッパーベース、ミドル、ハイの各入力をジャンパーでつなぎ、内部のパッシブクロスオーバーで帯域分割を行う。
一方、低域については2種類の接続方法がある。背面の切り替えスイッチを用いて、スピーカー入力を内部で分岐するか、または専用XLR端子にプリアウトをつなぐ方法のどちらかを選べるのだ。いずれの場合もスピーカー内部でAD変換後にアップサンプリング及びビット拡張、ドライバーユニットの個体差補正が行われ、デジタルクロスオーバーで低音成分を取り出す。
その後、ボリューム回路を経て「PowerDAC」と呼ばれるブロックにデジタル信号を受け渡すという流れだ。ちなみにボリュームは内蔵アンプと外部アンプのゲイン差を補正するための機能で、背面のトリムで調整する(1dB単位)。
PowerDACを含む低域の信号処理と増幅回路はADコンバーターの有無を除けば360 EXAKTとまったく同一の内容だ。DACとパワーアンプを統合したLINN独自の技術で、出力レベルが上ってもノイズが増えないというデジタル処理ならではのメリットが享受できる。
(編集注)360 PWABは通常のパワーアンプと組み合わせて使うスピーカーである。パッシブクロスオーバーにはプリント基板は使用されておらず、新設計の低レゾナンスパッシブクロスオーバーを搭載している。低域のみアクティブ駆動するため、低域信号はスピーカー端子に入れてから内部で分岐するか、プリアンプから専用XLRに入力する方法いずれかから選ぶ。いずれの場合もスピーカー内部でAD変換され、デジタル領域でアップサンプリング、最適化が行われ、「PowerDAC」へと受け渡される。
再生システムはスピーカーを除いて普段使っている製品をそのまま使用した。ソース機器はLINNのKLIMAX DSM/3を固定出力のプレーヤーとして使用し、アキュフェーズのC-2900とA-75に送り出す。今回はプリ出力を360 PWABのXLR端子に入力する方法で試聴したが、この組み合わせではA-75のみXLR入力を2番HOTに切り替えれば全帯域で正相に揃う。ゲイン補正は+2で適切なバランスが得られた。
360 PWABと床の間にボードを介しているが、それを除くとスタンド込みで高さは114cmほど。この部屋に常設しているウィルソン・オーディオのSophia 3とほぼ同寸で、重さも360 PWABの方が5kgほど軽い。ベース部の幅と奥行きを無視すれば360 PWABの方が本体は細身で圧迫感がなく、上部に向かって連続的に幅が狭くなる形状がスリムな印象を際立たせる。ハイエンドのフロア型スピーカーのなかでは導入しやすく、設置しやすいサイズ感である。
音が出た瞬間、開放的な音場が広がる
360の試聴経験は通算で5〜6回に及ぶはずだが、パッシブの360 PWABをじっくり聴くのは2回目で、自宅の試聴環境では今回が初めての経験だ。だが、音が出た瞬間、スピーカーに音が張り付かず開放的な音場が広がる情景は、アクティブとパッシブという駆動方法の違いを超えて360というスピーカーに共通する長所だと実感した。存在を感じさせないというのはスピーカーにとって最大級の賛辞だから頻繁に使いたくはないのだが、まさにそう形容するしかないと感じるほどに音離れの良いサウンドが部屋を満たす。
ツィンマーマンとヘルムヒェンによるベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタは、スピーカーの後方に透明度の高いピアノのハーモニーが広がり、その手前の空中にヴァイオリンの立体的な音像がふわりと浮かぶ。両者の間の空気に混濁はなく、アーティストと聴き手の間にもなにも介在せず、目の前で鍵盤や弓が動いて発音しているようにしか感じられない。しかも、最初の第一音からいきなりそう感じさせるのだ。弾き始める瞬間のブレスも思わずハッとするほどリアルで、ステージに近いホールの座席となんら変わらない心地よい緊張感に包まれる。
壁が存在しないようなオープンな空気の動きは、規模の大きなオーケストラ作品でさらに強烈な印象を生む。バッティストーニが振ったマーラーの交響曲第5番のアダージェットでは、弦楽器の直接音の瑞々しい音色に引き込まれると同時に、柔らかい感触の余韻が舞台上からその周囲までゆったり広がっていく様子が目に浮かぶ。演奏会場では日常的に体験できる残響の広がりもリスニングルームではどこかで動きが止まってしまうことが多いのだが、360 PWABの再生音にはその中途半端な感じがなく、部屋の壁を超えてはるか彼方まで響きが広がっていくのだ。
豊かなアコースティックの対極のデッドなスタジオで収録した音源では、アーティストとの距離の近さ、同じ空気を共有しているテンションの高さを生々しく伝えるが、狭い空間に閉じ込められたような閉塞感は皆無で、音の伸びやかさとリアリティに強く引き込まれた。
リッキー・リー・ジョーンズ「イッツ・ライク・ディス」のベース、オルガン、パーカッションの距離の近さと楽器イメージの実在感は圧巻で、ヴォーカルはアンプを介さず本人がそこで歌っているような迫真のイメージが浮かぶ。普段よりも大きめの音量で聴いても、声もピアノもまったく飽和する気配を見せず、ボリュームを上げればどこまでも実在感が高まる。振幅が最大限に達する「Trouble Man」のベースも余分な音が微塵も残らず、ピタリと制動して緩みを見せない。LINNが低音のアクティブ駆動にこだわるのは、低音の質で妥協したくないからに違いない。
アラン・テイラー「ザ・トラベラー」の深々としたベースも空気が震える感触だけが静かに広がり、ヴォーカルやギターの音色を曇らせたり、声の発音が曖昧になる気配はまったく感じさせない。反射や回折の影響を排除したエンクロージャーの形状は特に声のイメージを自然に収束させる効果を発揮。もう一度繰り返すが、スピーカーの存在がスッと消えて目の前に楽器と声が浮かぶ情景をここまで違和感なく描き出す例は極めて珍しい。
ステージがホール空間ごと部屋に引っ越してきたような臨場感は360 EXAKTとかなり近い。一方、演奏の勢いやハーモニーの厚みを引き出すことができた点など、A-75との組み合わせならではと感じた部分もある。組み合わせるアンプ次第で音調を追い込む楽しみにこだわるなら、あえてパッシブ型を選ぶのは理にかなっている。
取材Photo by 君嶋寛慶
(提供:リンジャパン)
本記事は『季刊・Audio Accessory vol.191』からの転載です