PS3のDLNA機能を無線LANで快適に使う! − 私的NAS導入記(後編)
■HD-PLCを試してみる
そこで次に試したのはHD-PLCだ。ご存じの方も多いだろうが、PLCについてざっくりと説明しておこう。PLCは「Power Line Communications」の略称で、その名の通り家庭内の電力線を使ってネットワークのデータ伝送を行うというもの。
色々とネットで調べてみると、無線LANで接続が安定しない場合でも、PLCなら問題なく接続できた、という報告も多く、俄然興味を持った。またPLCでは無線LANのようにパスワードを設定・入力する必要がなく、有線LANで直接つないでいるように扱えるのもメリットだ。
PLCにもいくつか規格があるが、パナソニックが中心となって推し進めている「HD-PLC」が国内ではメジャーな存在だ。今回はHD-PLCの最初期モデルである「BL-PA100KT」(現在は生産終了)を使ってみた。
HD-PLCの接続は、ルーターに直接LANケーブルで接続した「マスターアダプター」をコンセントに接続し、さらに別室などに置いたネットワーク機器を「ターミナルアダプター」とLANでつなぐというもの。必要に応じてターミナルは増設も可能だ。なお、マスターとターミナルがセットになったキットタイプの製品なら、初めからペアリングが完了しているので、あとは接続するだけで良い。
■HD-PLCはコンセントの確保が最大の難関
ただし、HD-PLCの接続時には、色々と注意しなければならない点がある。記者が一番苦労したのはコンセントの確保だ。HD-PLCはこのページにもある通り、アダプターをコンセントに接続する際、なるべくほかの電気機器を接続しない方がノイズを低減できる。
HD-PLC用ノイズフィルターを使えば、ACアダプターや充電器など、ノイズの発生源となる機器も同じコンセントに接続できるし、アイ・オー・データなどからPLCアダプターとほかの電子機器を同時に使用できる電源タップなども販売されている。ただ今回はなるべく最良の状態でテストしたかったのと、あまり追加投資を行う余裕がなかったこともあり、全く使用していないコンセントを探し、HD-PLCを試してみることにした。
1階リビングのNAS周辺にあるコンセントは、6個口の電源タップ2つが全て埋まっているような状態で、とても使用は不可能。テーブルの下に1つだけ空いているコンセントがあったが、リビングの真ん中をLANケーブルが這うことになってしまうので、これは却下。一通り探してみて、リビング隣の和室に使われていないコンセントを発見したので、これを使用することにした。
ただしこの和室のコンセントの側にはマスターアダプターを置くスペースが無い。そこで1口タイプの延長ケーブルを買ってきて、これにアダプターを接続し、棚の上に置いてみた。テーブルタップを使用しない方が良いことは分かっていたが、単にケーブルを延長するだけなら問題ないだろうと考えたのだ。LANケーブルについては10mのものを1,000円程度で買ってきて、なるべくリビングのケーブルが目立たないよう、部屋の端から引き回した。
2階のシアタールームは、スピーカーの裏に使っていないコンセントがあることを知っていたので、ここを利用し、ターミナルアダプターを接続した。