アップルTIPS
アップル「HomePod mini」についてわかっていること、期待すること
アップルがAIアシスタントSiriを搭載する “小さなスマートスピーカー”「HomePod mini」を発表した 。本機について取材によりわかったことを報告しつつ、筆者が期待することを整理してみたい。
■コンピュテーショナルオーディオの実力はどう音質に反映されるのか
アップル初のSiriを搭載するスマートスピーカー「HomePod」は、日本では2019年8月に発売された。筆者もこれを使っているが、音質については間違いなくオーディオ専業メーカーのスマートスピーカーにカテゴライズされる製品に引けを取らないほど高い完成度だと思う。
本体に内蔵する6つのマイクアレイ、7つのビームフォーミングトゥイーターのカスタムアレイと専用設計のウーファーにより、HomePodが自機の置かれている場所のアコースティック環境をわずか数秒間で測定してサウンドを最適化する「自動室内センシング技術」の効果により、いつでもベストコンディションでリスニングを楽しめる。
HomePodに比べてふたまわり以上も小さなHomePod miniに搭載されているスピーカーシステムの構成は既報に詳しいので割愛するが、単体でどれほどパワフルな音が出せるだろうか。2万円台前半で2台揃えることができるので、「ホーム」アプリからステレオ再生環境を構築して本格的なスピーカーリスニングを楽しんでみたい。
HomePodとはハードウェアの構成が異なるため「自動室内センシング技術」は搭載していない。代わりにHomePod miniは「Apple S5」チップを核としたコンピュテーショナルオーディオにより、再生するコンテンツに合わせたドライバーの制御、ラウドネスやダイナミックレンジの自動調整をリアルタイムに行うという。他社のスマートスピーカーの新製品とも比べながら音質を徹底的に吟味してみたいと思う。
■U1チップ内蔵でiPhone連携がよりスムーズになる
HomePod miniにはアップルが独自に開発するUWB(Ultra Wide Band)対応の無線チップ「U1」が内蔵される。同じU1チップを搭載するiPhone 12シリーズ、iPhone 11シリーズを持ってスピーカーに近づくと、再生中の楽曲情報、関連する楽曲の再生レコメンドをiPhoneの画面に表示する。
おすすめされた曲を選択すると、そのままHomePodが立ち上がって音楽が鳴り始める。外出先でiPhoneを使って聴いていた音楽を、帰宅後HomePodに近づくだけでシームレスにハンドオフできる機能はiOS 13.2.1の頃からBluetooth Low Energyの技術により先に実現している。U1チップを載せたHomePod miniはハンドオフの精度が一段と高くなるようだ。
なおBluetoothオーディオ再生についてはHomePod miniも対応していないため、Android OSを搭載するスマートフォンやDAPの場合はAirPlayに対応するサードパーティ製のプレーヤーアプリを使う必要がある。
■Apple Music以外の音楽サービスにも対応が広がる
HomePod miniの登場以降、数ヶ月以内をめどにHomePodシリーズがApple Music以外の音楽配信サービスに対応の輪を広げていくこともアナウンスされた。現在でもSpotify、Amazon Musicの音楽配信、TuneInのインターネットラジオなどはAirPlayを使ってiPhoneからキャストできるので、HomePodのSiriに話しかけて音声操作で楽曲を選んだり再生もできるようになるということだろう。
これにより、今はApple Musicをメインの音楽配信サービスとして使っていない音楽ファンもHomePod miniと他社による配信サービスを組み合わせることでスマートな音楽リスニング体験が得られる。これは朗報だと思う。
もうひとつ新機能として発表されたIntercomは、HomePodシリーズから音声で入力したボイスメッセージを宅内に複数置いたHomePodシリーズに配信したり、家族のiPhoneやApple Watch、CarPlay対応デバイスに音声メッセージとして送れるというものだ。Siriがユーザーのパーソナルアシスタントとしてだけでなく、家族のホームアシスタントとして活用される機会が広がる。
米国など英語圏ではHomePodにアカウントを登録しているユーザー以外の家族の声紋をSiriに登録、発話の主を認識する「マルチユーザー」も新機能として加わる。家族でHomePodをより気軽にシェアしながら使うためには大事な機能だと思うので、将来は日本語対応も実現してほしい。
背丈が約8.5cmという小さなスマートスピーカーに詰め込まれたアップルによるオーディオ技術の先進性は、どれほど強く実感できるものになるのだろうか。11月6日の発売が楽しみだ。
■コンピュテーショナルオーディオの実力はどう音質に反映されるのか
アップル初のSiriを搭載するスマートスピーカー「HomePod」は、日本では2019年8月に発売された。筆者もこれを使っているが、音質については間違いなくオーディオ専業メーカーのスマートスピーカーにカテゴライズされる製品に引けを取らないほど高い完成度だと思う。
本体に内蔵する6つのマイクアレイ、7つのビームフォーミングトゥイーターのカスタムアレイと専用設計のウーファーにより、HomePodが自機の置かれている場所のアコースティック環境をわずか数秒間で測定してサウンドを最適化する「自動室内センシング技術」の効果により、いつでもベストコンディションでリスニングを楽しめる。
HomePodに比べてふたまわり以上も小さなHomePod miniに搭載されているスピーカーシステムの構成は既報に詳しいので割愛するが、単体でどれほどパワフルな音が出せるだろうか。2万円台前半で2台揃えることができるので、「ホーム」アプリからステレオ再生環境を構築して本格的なスピーカーリスニングを楽しんでみたい。
HomePodとはハードウェアの構成が異なるため「自動室内センシング技術」は搭載していない。代わりにHomePod miniは「Apple S5」チップを核としたコンピュテーショナルオーディオにより、再生するコンテンツに合わせたドライバーの制御、ラウドネスやダイナミックレンジの自動調整をリアルタイムに行うという。他社のスマートスピーカーの新製品とも比べながら音質を徹底的に吟味してみたいと思う。
■U1チップ内蔵でiPhone連携がよりスムーズになる
HomePod miniにはアップルが独自に開発するUWB(Ultra Wide Band)対応の無線チップ「U1」が内蔵される。同じU1チップを搭載するiPhone 12シリーズ、iPhone 11シリーズを持ってスピーカーに近づくと、再生中の楽曲情報、関連する楽曲の再生レコメンドをiPhoneの画面に表示する。
おすすめされた曲を選択すると、そのままHomePodが立ち上がって音楽が鳴り始める。外出先でiPhoneを使って聴いていた音楽を、帰宅後HomePodに近づくだけでシームレスにハンドオフできる機能はiOS 13.2.1の頃からBluetooth Low Energyの技術により先に実現している。U1チップを載せたHomePod miniはハンドオフの精度が一段と高くなるようだ。
なおBluetoothオーディオ再生についてはHomePod miniも対応していないため、Android OSを搭載するスマートフォンやDAPの場合はAirPlayに対応するサードパーティ製のプレーヤーアプリを使う必要がある。
■Apple Music以外の音楽サービスにも対応が広がる
HomePod miniの登場以降、数ヶ月以内をめどにHomePodシリーズがApple Music以外の音楽配信サービスに対応の輪を広げていくこともアナウンスされた。現在でもSpotify、Amazon Musicの音楽配信、TuneInのインターネットラジオなどはAirPlayを使ってiPhoneからキャストできるので、HomePodのSiriに話しかけて音声操作で楽曲を選んだり再生もできるようになるということだろう。
これにより、今はApple Musicをメインの音楽配信サービスとして使っていない音楽ファンもHomePod miniと他社による配信サービスを組み合わせることでスマートな音楽リスニング体験が得られる。これは朗報だと思う。
もうひとつ新機能として発表されたIntercomは、HomePodシリーズから音声で入力したボイスメッセージを宅内に複数置いたHomePodシリーズに配信したり、家族のiPhoneやApple Watch、CarPlay対応デバイスに音声メッセージとして送れるというものだ。Siriがユーザーのパーソナルアシスタントとしてだけでなく、家族のホームアシスタントとして活用される機会が広がる。
米国など英語圏ではHomePodにアカウントを登録しているユーザー以外の家族の声紋をSiriに登録、発話の主を認識する「マルチユーザー」も新機能として加わる。家族でHomePodをより気軽にシェアしながら使うためには大事な機能だと思うので、将来は日本語対応も実現してほしい。
背丈が約8.5cmという小さなスマートスピーカーに詰め込まれたアップルによるオーディオ技術の先進性は、どれほど強く実感できるものになるのだろうか。11月6日の発売が楽しみだ。