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【第53回】ミヤザキタケルの気軽にホームシネマ

「ファイナルアンサー」でおなじみのあの番組に挑む青年のサクセスストーリー

公開日 2023/03/10 06:30 ミヤザキタケル
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サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2008年製作の『スラムドッグ$ミリオネア』をご紹介します!

『スラムドッグ$ミリオネア』(2008年・イギリス)
(配信:hulu / U-NEXT / dTV)

『スラムドッグ$ミリオネア』Blu-ray:2,2800円(税込)/DVD:1,257円(税込) 発売元・販売元:ギャガ

第81回アカデミー賞作品賞・監督賞を含む最多8部門を受賞したダニー・ボイル監督作。インドのスラム街で育った青年ジャマール(デヴ・パテル)は、世界的人気番組「クイズ$ミリオネア」に出演し、一夜にして億万長者になるチャンスを掴む。が、無学であるが故に不正の疑いをかけられ、自らの無実を証明すべく、彼は自らの生い立ちを語り始めるのだが…。

(C) 2008 Celador Films and Channel 4 Television Corporation

2000年〜2007年にかけて同番組が日本でも放送されていたため、多くの人に馴染みがあるであろう「ファイナルアンサー」などの決まり文句もそのままに、クイズに挑戦するジャマールの姿と、幼少期から現在に至るまでの彼の姿が描かれていく本作。では、一体何がアカデミー賞最多受賞に至るだけのものを生み出しているのか。それは、アジア最大のスラム街と呼ばれるムンバイでの描写を通して、格差・貧困など、インド社会が抱える現実を映し出している点が非常に大きい。

(C) 2008 Celador Films and Channel 4 Television Corporation

それに加え、『トレインスポッティング』などを手掛けるボイル作品特有の疾走感ある映像、ジャマールの恋模様などを織り交ぜていることで、社会性の伴った壮大なエンタメ感動作へと仕上がっている。公開から15年近く経っても変わらぬスラムの現実を踏まえてご覧ください。

(C) 2008 Celador Films and Channel 4 Television Corporation
※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。

ミヤザキタケル
1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 WOWOW・宝島社sweet・DOKUSOマガジンでの連載のほか、ラジオ・配信番組・雑誌などで映画を紹介。イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30人のシネマコンシェルジュ」など幅広く活動中。

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