黎明期から”ハイレゾ対応”を推進したその理由に迫る
ノーススターデザインCEOインタビュー - ヨーロッパ有数のデジタル先進ブランドの素顔
ノーススターデザインの最近の製品の中でも、とりわけ日本のオーディオファイルの注目を集めているのが、最大384kHz/32bitのPCM、そして5.6MHzのDSDネイティブ再生に対応した現行のシリーズだろう。2013年の登場となったImplusoは、数あるDSDネイティブ再生対応DACの中でもとりわけ早い時期に製品化されていたことも大きな注目点となった。
「ノーススターデザインは常に先を走るオーディオブランドです。また、私たちはオーディオマニアがまだ体験したことのないサウンドを実現するための方法を考え出す会社でもあります。これが、いち早く96kHz/24bit、そして192kHz/24bitへの対応へ踏み切った理由にもなっています。また、2001年のModel192CDTの時から、192kHzの音楽信号を引き出すための方法としてI2S伝送に着目して製品化したりもしました。昨年は、DSDネイティブ再生において成功への大きな足がかりを掴みましたが、同時にこのことは私たちの”常に先端を追求する設計思想”に間違いがないことを証明できたと考えています」
D/Aコンバーターの本質は“変換”すること
心臓部のDACチップの性能を引き出すアプローチ
こうしたランピーノ氏の理想があってこそ、ノーススターデザインのD/Aコンバーターは移り変わりの早いデジタル市場のなかにあっても決して色褪せることのないモデルを生み出し続けているのである。事実、同社の製品ラインアップは創業以来の歴史を見ても、決してその数が多いわけではない。しかし、そのひとつひとつが長いスパンで販売され、多くのオーディオファイルに支持されていることも同社の先進性を示しているといえる。そんなノーススターデザインが考えるD/Aコンバーターの理想は、極めてシンプルなものだ。
「私が考える理想のD/Aコンバーターとは、私のこの15年間の仕事の全てということでもあります。D/A変換とは“ただひたすら”にデジタル信号をアナログ信号に変換するものです。本質はこれだけとなります。ここ数年は、さまざまなデジタル信号フォーマットとしてDACに送りこむことができる製品もありますが、これは“変換”ではありません。ですので、D/Aコンバーターの心臓部となるのは、DACチップ自身です。私たちはこのDACチップを中心として、アナログ部、デジタル部を設計していきます」
「ですから、私にとって理想のD/Aコンバーターの姿というのは、音に少しの色付けもしない無色透明なものとなります。D/Aコンバーターは音の源となる製品なので、何かを足してはいけません。三次元的なサウンドステージは音の詳細から構成されるものですので、全ての音の情報、特に微小レベルの信号であっても正しく再生する必要があるんです。これが極めてリアルなサウンドを再現する方法となります。私たちのD/Aコンバーターは全てのラインアップでこの無色透明かつ音の情報を全て伝送するための設計をしています。ただし、この音楽的情報に関するクオリティそのものと、ユニットが持つミュージカリティは時を経るごとに変化するものですが……。いずれにしても“自然な音楽情報の再現”こそが、私たちの理想であり、目標なのです」
「ノーススターデザインは常に先を走るオーディオブランドです。また、私たちはオーディオマニアがまだ体験したことのないサウンドを実現するための方法を考え出す会社でもあります。これが、いち早く96kHz/24bit、そして192kHz/24bitへの対応へ踏み切った理由にもなっています。また、2001年のModel192CDTの時から、192kHzの音楽信号を引き出すための方法としてI2S伝送に着目して製品化したりもしました。昨年は、DSDネイティブ再生において成功への大きな足がかりを掴みましたが、同時にこのことは私たちの”常に先端を追求する設計思想”に間違いがないことを証明できたと考えています」
D/Aコンバーターの本質は“変換”すること
心臓部のDACチップの性能を引き出すアプローチ
こうしたランピーノ氏の理想があってこそ、ノーススターデザインのD/Aコンバーターは移り変わりの早いデジタル市場のなかにあっても決して色褪せることのないモデルを生み出し続けているのである。事実、同社の製品ラインアップは創業以来の歴史を見ても、決してその数が多いわけではない。しかし、そのひとつひとつが長いスパンで販売され、多くのオーディオファイルに支持されていることも同社の先進性を示しているといえる。そんなノーススターデザインが考えるD/Aコンバーターの理想は、極めてシンプルなものだ。
「私が考える理想のD/Aコンバーターとは、私のこの15年間の仕事の全てということでもあります。D/A変換とは“ただひたすら”にデジタル信号をアナログ信号に変換するものです。本質はこれだけとなります。ここ数年は、さまざまなデジタル信号フォーマットとしてDACに送りこむことができる製品もありますが、これは“変換”ではありません。ですので、D/Aコンバーターの心臓部となるのは、DACチップ自身です。私たちはこのDACチップを中心として、アナログ部、デジタル部を設計していきます」
「ですから、私にとって理想のD/Aコンバーターの姿というのは、音に少しの色付けもしない無色透明なものとなります。D/Aコンバーターは音の源となる製品なので、何かを足してはいけません。三次元的なサウンドステージは音の詳細から構成されるものですので、全ての音の情報、特に微小レベルの信号であっても正しく再生する必要があるんです。これが極めてリアルなサウンドを再現する方法となります。私たちのD/Aコンバーターは全てのラインアップでこの無色透明かつ音の情報を全て伝送するための設計をしています。ただし、この音楽的情報に関するクオリティそのものと、ユニットが持つミュージカリティは時を経るごとに変化するものですが……。いずれにしても“自然な音楽情報の再現”こそが、私たちの理想であり、目標なのです」
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