HOME > インタビュー > <IFA>Xperiaは“コミュニケーション”を軸に変わっていく − ソニーモバイル幹部が語る今後の展開

新フラグシップ「Xperia XZ」開発の背景などを説明

<IFA>Xperiaは“コミュニケーション”を軸に変わっていく − ソニーモバイル幹部が語る今後の展開

公開日 2016/09/03 14:53 山本 敦
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伊藤氏はXperia Earが単なるワイヤレスヘッドセットではなく“パーソナルアシスタント”であることを強調する。本体には近接/加速度/ジャイロセンサーが搭載されており、例えばスマホとペアリングした状態で本体を身に着けて、頭を縦に振って「ハイ」と頷く動作でメッセージアプリから「ハイ」と返事をタイプして送るといった使い方ができる。ハンズフリー&ボイスコマンドフリーで自然なインタラクションができる魅力を打ち出している。

11月の発売がきまったXperia Ear

発売時期が当初予定していた「夏」から「11月」に伸びた理由については「作り込みをしっかり丁寧にやっていたから。どんなユーザーも耳の中に快適に収まるよう細かなところを調整した。またボイスインタラクションを自然言語に合わせて正確に操作できるように、体感の品質も上げている」と伊藤氏が説く。

ブラッシュアップの過程では、ふだん両手が塞がった状態で仕事をすることの多いカメラマンやデザイナーなど一般のテスターにも協力を仰いで、フィードバックを製品の品質向上に活かしてきたという。

■「新しいソニーのものづくりのあり方」

Xperia Projectorは、IFA2016の場で改めてAndroid対応であることが発表された。「MWCで発表後、たくさんのパートナーからの強い引き合いをいただいた。だから今回はAndroidベースで色んなアプリケーションがつくれることをご紹介した」と伊藤氏は狙いを語る。

Xperia ProjectorとXperia Agentのプロトタイプによる様々な使い方もIFAで発表された

IFAの会場ではヤフージャパンのeコマースサービスと連携して、Xperia Projectorのタッチできる投射画面を活かしてショッピングを楽しむ新たな使い方がお披露目されている。

「生活空間の中で、いままでスクリーンを持ち込めなかった場所に、高精細な“タッチできる画面”を表示して家族の新しいコミュニケーションをつくりたい。インターネットへの接続方法はWi-Fiベースで検討しているが、アプリケーションも含めてソニーモバイルらしい商品に仕上げていきたい」(伊藤氏)

Xperia Agentでは、ネスレジャパンが発売するBluetooth対応のコーヒーメーカーと連携した使い方を提案している。Xperia Agentにはマイクとスピーカーでユーザーと対話する機能や、“おでこ”の場所に搭載する小さなカメラでユーザーの顔を認識できる機能などが搭載される予定。

「音声操作を使ってネスレのコーヒーメーカーを起動したり、ユーザーの顔を覚えて好みに合うレシピのコーヒーをいれたり、色々な連携のアイデアがある。相手の家にもXperia Agentがあれば、ホームネットワークに接続して、本体に搭載したカラー液晶でテレビ電話のような使い方もできる。先々にはエアコンや照明器具などを、Xperia Agentにつないだ家庭内のエレクトロニクスを統合管理できるようにもしていきたい」と伊藤氏が本機の開発構想を語った。

伊藤氏はスマートプロダクトへの展開が、Xperiaの切り売りではないことを強くアピールしている。今後スマホがコモディティ化した後にも、コミュニケーションのトレンドを牽引できるような尖った製品をつくることがXperiaの使命だとすれば、ソニーが持てるユニークなテクノロジーとユーザーが期待する使い方がミートするポイントをできる限り多く見つけて、種を芽吹かせることが大事であるとした。

伊藤氏は「ソニーからの決め打ちのみではなく、これからも色んなご提案をしながら、皆様に欲しいと感じていただけるようなものを一緒に育てていきたい。新しいソニーのものづくりのあり方だと思っている」と考えを述べた。

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