冨田勲のニューアルバム「源氏物語交響曲絵巻」Ｔｕｎｅｄ　ＣＤで登場

●大ヒットした「月の光」「惑星」をはじめとするシンセサイザーミュージックや大河ドラマやジャングル大帝などのテーマ曲で知られる世界的な作曲家、冨田勲の新作ＣＤがＤＥＮＯＮ(日本コロムビア）から発売となる。

この「源氏物語幻想交響絵巻」はタイトルの示す通り、千年前に描かれた源氏物語を交響化したもので、１９９８年に作曲し、東京・ロサンゼルス、ロンドンにて初演。その後名門ロンドン・フィルと邦楽器の名手たち、さらにはシンセサイザーを交えて、ロンドンにてレコーディングされたものだ。冨田氏は以前から源氏物語に興味があったものの、読み切れないままになっていたところに、瀬戸内寂聴さんの現代語訳版「源氏物語」に出会い、曲を作りはじめたとのこと。主人公の光源氏にはホリ・ヒロシさんの人形を見て、イメージを作り上げたという。このようにでき上がった作品は冨田音楽の集大成ともいえる壮大なイメージの大作に仕上がっている。

ＣＤはマスターソニック24ビットプロセッシングで、ＤＥＮＯＮの最新高音質技術であるＴｕｎｅｄ　ＣＤ仕様となっている点が大きな特徴だ。このシステムは通常のＣＤプレーヤーによってハイクオリティなサウンドが楽しめるもの。さらにローランドが開発した２ch立体音響システムＲＳＳも採用されており、その点でも楽しめるソフトとなっている。なお、同時にマルチチャンネルＤＶＤオーディオ用の録音がされており、来年１月から製作に入るという。このＤＶＤオーディオソフトは発売は未定だが、96ｋHz24ビットの5.1chで収録される予定なので、こちらも期待していたい。

いずれにしても、この雄大な音楽絵巻は、ジャンルを超えて多くの音楽ファンに楽しめる作品だといえるだろう。（季刊・オーディオアクセサリー編集部）