オーディオ万華鏡(オーディオユーザーによるCESレポート)・後編
前編で登場のRAVEN社のR1.0(左)とR2.0(右)リボントゥイーター |
BY 針健
第六感が導いたブースは
私に感動を与えてくれた
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聞くところによると、そこは先ほどのブースとは違い、まったく別の州の青年二人が生活を切り詰め、この日のために共同でブースを借りたそうです。そのブースの青年の一人は普段は洗面用として使われているコーナーに私を引き込み、熱心にオープンエアのヘッドホンを改良し、ポータブルCDプレーヤーでM社やC社のケーブルと聴き比べさせられました。しかし私は感動いたしました。パンフレットも手作りだし、ケーブルの姿かたちは決して見栄えのするものでありませんでしたが、出てくる音は素晴らしいものがあったのです。見たところどうやらスーパーコンピューターに使われているフラットケーブルに極厚にテフロン加工を施したようです。でも、家庭用のコンポーネントには今やDVDプレーヤー、DAコンバーター、DDコンバーター等多数の機能があり、そのデジタルノイズの中でどこまで立ちふるまえるのかな?と一抹の不安も残りました。
類は類を呼ぶで同室のブースにはこの1セットしかないというホワイトパール仕上げのスピーカーシステムも鎮座しておりました。
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条件の悪いブース内はいろいろとチューニングしてあり、お尋ねすると、これはソフトを運搬する時に使われているウレタンスポンジケースの廃材だとか、これは何々の廃材だとか説明してくれて、非常にほほえましく思い、やさしく屈託のない笑顔が印象的でした。ところが音を出すとうって変わって骨太の、心地よいサウンドを披露してくれました。ああこれがアメリカンドリームのプレリュードなのか?とも予感いたしました。
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最後は、私も以前より興味があるMark Levinson氏主催のレッド・ローズ・ミュージックのブースを訪問いたしました。彼も私と少し同じ年齢を感じさせていましたが、忙しそうなので、雑誌の広告でみかけるZENの意味を聞くことはできませんでした。
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その他のブースに関して特に珍しく感じたのは、以前5セットくらいしか輸入されなかったサウンドラボ社のM1に会えたことです。セールスマネージャーにお聞きすると、湿気に弱いとされた部品を改良し、今では日本でも十分通用すると言っていました。そして何と今回はP.A.D.社と共同で鳴らして、たくさんの聴衆を集めていました。
日本の○○フェアや各地のイベントとは異なり、久しぶりに良い勉強をさせていただき、感謝の気持ちを込めてラスベガスを後にしました。(針健)