ケーブルブランド探訪記(日立電線編 最終回)特別付録・日立電線物語
QCX-102 ¥7,500(1m) |
また、コネクタのコンタクト部分にもLC-OFCカンタムを使用するなどこだわりの構造。コンタクトと導体の接続は、無はんだ圧着接続とし高信頼性、低歪化を追求したモデルとなっている。ぜひ、お試しいただきたい。(季刊・オーディオアクセサリー編集部)
【日立電線物語】
●日立電線のプロフィール
高音質ケーブルを徹底追求し続けてきた老舗メーカーである日立電線同は茨城県日立市に生産拠点を持ち、電力ケーブルから航空宇宙産業用のハイテク導体まであらゆるジャンルのケーブルを一貫生産する設備を持っている。
●日立電線のヒストリー
【1.オーディオケーブルの誕生】
ケーブルが音質に関係することが知られはじめた頃、一人の技師がチューブに水銀を詰めたケーブルを試作し、オーディオ用に適した導体を研究し始めた。しかし、水銀には結晶境界がないため、銅導体を使用して同じ構造を実現できないものか、試案に明け暮れた。
【2.LC-OFCの誕生】
そしてついに1983年、LC-OFCの開発に成功する。このLC-OFCは銅結晶を巨大化し、線形に引き延ばすことで結晶粒界を激減させることのできる導体であり、そしてこの効果がケーブル導体の重要性を認識させることになった。
【3.LC-OFCカンタムの誕生】
その後、OFCには結晶組織に水素などの不純物が含まれることがわかり、さらにガス成分を排除し純度を高めたクラス1OFCというグレードを開発し、これをベースに線形結晶構造とした導体をLC-OFCカンタムとした。
【4.メルトーンの誕生】
しかし、このLC-OFCには1つの課題が残されていた。結晶構造を維持するため、機械的な歪みが残留するのだ。そしてこの弱点を解決したのがお馴染みの「メルトーン」処理技術である。特殊な高温条件の中で熟成させることで、結晶構造の特徴を残しながら物理的な歪みを排除し飛躍的な音質改善をもたらした。そして、この「メルトーン」技法が、同ブランドの現在の主力モデルに採用されていることは言うまでもない。