ケーブルブランド探訪記(SHUNYATA RESEARCH編その4「Diamondback」)
その中からまずはエントリークラスの電源ケーブル「Diamondback」(ダイヤモンドバック)をご紹介する。同モデルはOFHC(無酸素銅)を低温処理しAWG12ゲージワイヤ、大容量20アンペアのコンダクターを採用している。独自のシールドによりEMI/RFI(電磁波、ラジオ波)を制御しているのも特徴的である。接点は金、銅の2種アロイメッキとし、特別設計のコネクターやパワーロスの発生しにくいクリスタル絶縁体も使用している。多くのアンプメーカーにから高く評価され、すでにアンプ用電源ケーブルとして標準装備しているメーカーあるほどという。(季刊・オーディオアクセサリー編集部)
Diamondback
15A / 1.8m 29,000
20A / 1.8m 38,000
●SHUNYATA RESEARCH社の紹介
シュンヤッタ・リサーチは米国国家安全保障委員会(NSA)の通信関係のエンジニアとして活躍したケーリン・ガブリエルと物理学者テリー・バッジとの共同で1998年に創業され、独自の設計と工法によるケーブル開発で一躍ハイエンドオーディオ界の注目を浴びている。また、同社のケーブルはマスタリングスタジオでも活躍し中。ピンクフロイドのメンバー、ディビッドギルモアの評判の高いアストラスタジオで使用されているのをはじめ、匠といわれるミキサーエンジニア、ダグ・サックス、ジェームス・ガスリーらも愛用している。また、ピンクフロイドの名作『狂気』のSACDリマスターの最終音決め段階でソニーミュージックにおいても多用されているという。さらに、フィリップス所有のクレストナショナルスタジオでもDVDやCDのマスタリングなどの高品位再生音を求める作業の際にはシュンヤッタ・リサーチのケーブルを独占的に使用している。このクレストナショナルスタジオは米国でたった一カ所、SACDの製造施設として認定され、高品質な5.1チャンネルマスターシステムで知られているマスタリングスタジオである。
●SHUNYATA RESEARCHケーブルの特徴
(1)使用素材
同ブランドの特徴は、使用する材料の分子構造を変化させ、性能と安定性をさらに高めるために、独自のコンピューター管理の下、摂氏マイナス190度という超低温処理を施している点にある。
(2)構造
構造に関しても、ケーリン・ガブリエルは高級パワーケーブルなどに応用されている螺旋状の特殊編み上げ構造である90度交差のカウンター回転螺旋法によってキャパシタンスやインダクタンスを最低限度に減少させるマトリックス・ジオメトリーを考案し、米国特許6242689を取得している。
(3)電磁波対策
さらに電磁波などの対策にはパワーコンディショナーやフィルターを使わずに有害な電磁波などからパワーケーブルを隔離する物質科学からアプローチした特殊粒状材FeSi1000を採用することでこの問題を解決させている。
(4)コネクター部
また、コネクターに関しては「信号から見てそのインダクタンス、インピーダンスがケーブルと一体になるのが理想的」という発想から独自の加工を施したヴェノムコネクターを使用。電源ケーブル用のプラグは、銀、金、ロジウムなどの異種金属を使用し伝統的な金メッキの25〜50倍のメッキ厚という3段階多層のヘビーデューティー仕上げを施した。そのため、ケーブルが接点を持たないかのように理想的に電源や機器と統合、低接続インピーダンスと経年劣化の大幅な減少を達成することができた。
(5)着色顔料
長期にわたる検証と研究から着色顔料が信号伝達剤に対して悪影響を及ぼすことを発見した。その結果、炭素や鉄成分を排除した被覆、プラグなどのパーツを独自に開発。さらに、独自のシールド方法をも開発し、電磁波、ラジオ波に対して高いシールド効果を達成した。
トライフィールド・ブレイド・シールド方法で各コンダクターをそれぞれ分離し、コストを無視した独自の方式によって優れたケーブル類を製作することで「カッティングエッジのケーブル=シュンヤッタ・リサーチ」という図式が世界各国のハイエンドユーザーから認められている。
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