西和彦氏創立のデジタルドメイン、SIT搭載アンプなど新製品を発表
昨年3月に設立されたハイエンドピュアオーディオメーカー「デジタルドメイン」は、新ブランド第一弾製品となる3製品を3月より発売する。ラインナップは以下のとおり。
・A級パワーアンプ B-1a ¥1,050,000(税込)
・マルチビットDAコンバーター D-1a ¥1,575,000(税込)
・マルチビットDAコンバーター D-1b ¥1,050,000(税込)
3製品はいずれも「録音・マスタリングスタジオのクオリティを再現する」ことを目指して制作されている。
■パワーアンプ B-1a ¥1,050,000(税込)
「限りなく三極真空管に近い特性を持つSITの耐圧の高さ・リニアリティの良さを活かしたい」という思想から、全段に静電容量トランジスタ(SIT)を搭載したA級アンプ。チャネルを短くし抵抗を極限まで減少させることでネガティブ電圧を最小にし、高速動作と信号波形の忠実な増幅を実現するという。
「いい音には強力な電源が必要」という西氏の思想から、大型の電源トランスを搭載。大型のチョークを通して電流の安定を図っている。一方でコンデンサーは必要最小限の大きさに留め、スピーカーの逆起電力をキャンセルする独自回路を通している。
左右シンメトリーのデザインを採用しており、内部配線には単芯銀金線を使用。電源と信号の高速化を図っている。
■マルチビットDAコンバーター D-1a/D-1b
高速動作が可能なラダー型DACモジュールを左右それぞれ独立させて搭載。3Mbit/秒のマルチビット処理を可能とし、音楽信号の動きに即座に追随し、変換時の非直線性誤差もほとんどゼロに近づけることができるという。マルチビットDACにはMSBTechnology社のものを採用。D-1aはACD 311を、D-1bはACD 512を採用している。
CDなどの信号をデジタル・デシメーションフィルター計算し、最大192kHz/24bitまでアップサンプリング可能なほか、SHARC製DSPと大容量メモリを搭載することにより、高精度のクロックを行い、ジッターを低減を実現。また、出力段にDC補正をかけずダイレクトDC結合することで、ピュアで色づけのない音が得られるという。内部配線にはこちらも単芯銀金線を使用している。
なお、今回はデジタルプリアンプも参考出展された。新製品は、明日からパシフィコ横浜で開催される「A&Vフェスタ2008」にお目見えし、その音を体験することができる。また、開発中のスピーカーも参考出展される。
■拡販・利益追求型ではなく、時代を超えた価値を持つ製品を作りたい − 発表会詳報
同社は昨日、都内で記者発表会を行った。
まず同社取締役会長の持田氏が挨拶。「長年楽器メーカーに勤務し、電子楽器を手掛けてきたが、縁あって西と出会った。西のビジョンと私の提案を組み合わせ、今回の製品ができあがった。今後デジタルドメイン製品を長くご愛顧いただきたい」と語った。
続いて西氏が挨拶を行った。アスキーの創業者である西氏は、同社を退社後、大学で研究などに携わった。そこで培った知識や経験から「パソコンの音質向上」「ピュアオーディオとデジタルミュージックを融合させたい」という思いを抱いたという。
「例えばSACDの場合、音楽スタジオでは24bit/192kHzのデータで制作を行い、それをマスタリングする直前でDSDに変換するのが普通。スタジオで制作していた時には存在していたけれど、SACDには含めきれなかった信号があるのではないだろうか。そのような考えから、失われた信号を復元し、スタジオクオリティで再生できる機器の開発を思いたった」と語った。
今回発表された新製品は、全国のオーディオ専門店のほか、ウェブ販売も行い海外に向けても販売する予定だという。販売戦略について西氏は「目標は特にない」とコメント。「大学で研究した成果を生かし、納得した製品を世に送り出していくだけ。量販・利益追求型ではなく、時代を超えた価値を持つ製品をリリースしていきたいと考えている」と語った。
今後の製品リリース計画については「納得のいく、“最終形のオーディオ”を常に探して作っている。1年に1、2製品ずつリリースしていけたら」と述べた。
なお、デジタルドメインの会社概要は以下のとおりとなる。
・商号:株式会社デジタルドメイン(英名:Digital Do Main Inc.)
・資本金:4,075万円
・創設日:2007年3月19日
・役員:
取締役会長 持田康典
取締役社長 西 和彦
取締役副社長 田中良拓
監査役 小林英章
・事業内容:オーディオおよびビジュアルに関する企画、開発、販売および管理
・所在地:東京都千代田区内神田2丁目14-3 TSビル
【問い合わせ先】
(株)デジタルドメイン
TEL/03-4590-6222
(Phile-web編集部)
・A級パワーアンプ B-1a ¥1,050,000(税込)
・マルチビットDAコンバーター D-1a ¥1,575,000(税込)
・マルチビットDAコンバーター D-1b ¥1,050,000(税込)
3製品はいずれも「録音・マスタリングスタジオのクオリティを再現する」ことを目指して制作されている。
■パワーアンプ B-1a ¥1,050,000(税込)
「限りなく三極真空管に近い特性を持つSITの耐圧の高さ・リニアリティの良さを活かしたい」という思想から、全段に静電容量トランジスタ(SIT)を搭載したA級アンプ。チャネルを短くし抵抗を極限まで減少させることでネガティブ電圧を最小にし、高速動作と信号波形の忠実な増幅を実現するという。
「いい音には強力な電源が必要」という西氏の思想から、大型の電源トランスを搭載。大型のチョークを通して電流の安定を図っている。一方でコンデンサーは必要最小限の大きさに留め、スピーカーの逆起電力をキャンセルする独自回路を通している。
左右シンメトリーのデザインを採用しており、内部配線には単芯銀金線を使用。電源と信号の高速化を図っている。
■マルチビットDAコンバーター D-1a/D-1b
高速動作が可能なラダー型DACモジュールを左右それぞれ独立させて搭載。3Mbit/秒のマルチビット処理を可能とし、音楽信号の動きに即座に追随し、変換時の非直線性誤差もほとんどゼロに近づけることができるという。マルチビットDACにはMSBTechnology社のものを採用。D-1aはACD 311を、D-1bはACD 512を採用している。
CDなどの信号をデジタル・デシメーションフィルター計算し、最大192kHz/24bitまでアップサンプリング可能なほか、SHARC製DSPと大容量メモリを搭載することにより、高精度のクロックを行い、ジッターを低減を実現。また、出力段にDC補正をかけずダイレクトDC結合することで、ピュアで色づけのない音が得られるという。内部配線にはこちらも単芯銀金線を使用している。
なお、今回はデジタルプリアンプも参考出展された。新製品は、明日からパシフィコ横浜で開催される「A&Vフェスタ2008」にお目見えし、その音を体験することができる。また、開発中のスピーカーも参考出展される。
■拡販・利益追求型ではなく、時代を超えた価値を持つ製品を作りたい − 発表会詳報
同社は昨日、都内で記者発表会を行った。
まず同社取締役会長の持田氏が挨拶。「長年楽器メーカーに勤務し、電子楽器を手掛けてきたが、縁あって西と出会った。西のビジョンと私の提案を組み合わせ、今回の製品ができあがった。今後デジタルドメイン製品を長くご愛顧いただきたい」と語った。
続いて西氏が挨拶を行った。アスキーの創業者である西氏は、同社を退社後、大学で研究などに携わった。そこで培った知識や経験から「パソコンの音質向上」「ピュアオーディオとデジタルミュージックを融合させたい」という思いを抱いたという。
「例えばSACDの場合、音楽スタジオでは24bit/192kHzのデータで制作を行い、それをマスタリングする直前でDSDに変換するのが普通。スタジオで制作していた時には存在していたけれど、SACDには含めきれなかった信号があるのではないだろうか。そのような考えから、失われた信号を復元し、スタジオクオリティで再生できる機器の開発を思いたった」と語った。
今回発表された新製品は、全国のオーディオ専門店のほか、ウェブ販売も行い海外に向けても販売する予定だという。販売戦略について西氏は「目標は特にない」とコメント。「大学で研究した成果を生かし、納得した製品を世に送り出していくだけ。量販・利益追求型ではなく、時代を超えた価値を持つ製品をリリースしていきたいと考えている」と語った。
今後の製品リリース計画については「納得のいく、“最終形のオーディオ”を常に探して作っている。1年に1、2製品ずつリリースしていけたら」と述べた。
なお、デジタルドメインの会社概要は以下のとおりとなる。
・商号:株式会社デジタルドメイン(英名:Digital Do Main Inc.)
・資本金:4,075万円
・創設日:2007年3月19日
・役員:
取締役会長 持田康典
取締役社長 西 和彦
取締役副社長 田中良拓
監査役 小林英章
・事業内容:オーディオおよびビジュアルに関する企画、開発、販売および管理
・所在地:東京都千代田区内神田2丁目14-3 TSビル
【問い合わせ先】
(株)デジタルドメイン
TEL/03-4590-6222
(Phile-web編集部)
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