「8」はペア180万円
D&M、DALI最上位スピーカー「EPICON8」「EPICON2」を2月下旬発売
(株)ディーアンドエムホールディングスは、同社が取り扱うDALIのブランドから、最上位シリーズ“EPICON”のスピーカーシステム「EPICON8」「EPICON2」を2月下旬に発売する。
いずれも昨年5月に先行してDALIスピーカーの新しいフラグシップモデルとして発売された「EPICON6」(関連ニュース)と並ぶシリーズの姉妹機。「EPICON8」は3.5ウェイ形式のフロア型、「EPICON2」は2ウェイ形式のブックシェルフ型。昨秋開催された東京インターナショナルオーディオショウ(関連ニュース)に出展したD&Mのブースで参考展示されていたが、正式に国内展開が明らかにされた。
カラーバリエーションは「EPICON6」と同様の、ウォールナット/ブラック/ルービーマカッサルの3色。ブックシェルフの「EPICON2」用にスピーカースタンドも2月下旬から発売される。販売価格はそれぞれ下記の通りとなる。
・「EPICON8」/180万円(ペア・税込)
※ウォールナット/ブラック/ルービーマカッサル 各色
・「EPICON2」/44万円(ペア・税込)
※ウォールナット/ブラック/ルービーマカッサル 各色
・「EPICON/STAND」/9万円(ペア・税込)
■新規マグネットシステムを開発し「究極の低損失性能」を実現
スピーカーは両製品ともにDALIのオーディオ思想をベースに、フラグシップモデルとしてこだわり抜いたユニットやパーツを全体に採用しながら開発された。同社のスピーカー開発における根幹の思想は「究極の低損失性能」を追求することにあるという。
DALIが低損失性能を追求することの背景には、以下のようなサウンドを実現したいという意図があるという。
・より繊細かつ透明なサウンド
・いかなる再生レベルでもよりダイナミックで生き生きとしたサウンド
・ローリスニングレベルでの最適なサウンドの解像力とディティール表現
・より良いサウンドイメージ(サウンドステージ)
・より少ない可聴歪み
・より少ないサウンドタイミング
サウンドタイミングの特性を上げることの意味合いについては、低音域の「息づかい」をより自由に再現することができるようになるからと説明する。
スピーカーの低損失特性を高めるため、DALIが目指してきた要素には2つの大きなポイントがある。1点目は機械的な部品の質を高いレベルに置くこと。コーンやサスペンション、ダンパーや高粘性磁石オイルなど機械部品のクオリティを上げることによって、スピーカーの低損失性能を高めていく上での、およそ60%の改善が達成されるという。残りの40%については、マグネットシステムからノンリニアな制動効果を低減することによって実現されるが、DALIではオリジナルのマグネットシステムを開発することにより、今回EPICONシリーズのサウンドをさらに高次へ導く事に成功したのだという。
DALI独自のマグネットシステムを構成する大きな要素は「SMC(Soft Magnetic Compound)」と呼ばれるマテリアルだ。SMCはオーディオ以外の工業分野では既にいくつもの採用実績を持つ素材だが、スピーカーの磁気回路として応用された事例はEPICONシリーズが初めてという。現在DALIの本国であるデンマークでは、SMCを採用したスピーカー技術に関する技術を取得済みで、日本を含む他国でも特許を出願している段階という。
砂鉄を使ってマグネットシステムを成形する手法は通常のアプローチと大きく変わらないが、DALIでは0.1mmほどの砂鉄の粒に、さらに絶縁処理を施したSMCを使っていることが大きな違い。あらかじめコーティング処理をした鉄粉に約200トンの圧力をかけた後、500〜550度の高熱プロセスを施して完成品のパーツを成形する。こうして完成したSMC素材のパーツを、EPICONシリーズのマグネットシステムではボイスコイルの内周部とポールピースの2カ所に用いている。
通常の砂鉄を硬化したマグネットシステムの場合はボイスコイルの上下運動で電流が流れると、不定期な「渦電流」が発生し、ボイスコイルのリニアリティを阻害し、歪みを生んでしまうことがある。一粒ずつに絶縁処理を施したSMCのメリットは、この渦電流による悪影響を効果的に回避でき、ユニットそのものの歪みを大幅に回避できる点にあるという。しかも磁気素材が持つ特性そのものは、通常のマグネットシステムと変わらないという特長も兼備する。
この、SMCを使ったマグネットシステムという独自のアプローチが完成したことで、旧フラグシップの“EUPHONIA”シリーズと交代する、新たな最高峰モデル“EPICON”シリーズが昨年デビューした。
今回は先行発表されたフロア型3ウェイ構成の「EPICON6」と、異なるユニット構成とキャラクターを備えるフロア型の「EPIOCN8」、ならびにコンパクトなブックシェルフの「EPICON2」が新しくシリーズに加わった。各モデルの特徴をまとめてみよう。
■フロア型スピーカー「EPICON8」の特徴
スピーカー形式は3.5ウェイ。低域用に2基の8インチ・ウーファーユニットを搭載したほか、6.5インチのミッドレンジユニットを専用に配置。ともにウッドファイバーチップを混合したDALI独自のコーン振動板を採用している。
また高域用にはDALIオリジナルのハイブリッド・トゥイーターモジュールを搭載。音の拡散性を高めた29mmシルクドームトゥイーターにより、ミッド/バスレンジのサウンドとのつながりを高めている。これに10×55mのリボントゥイーターを組み合わせ、剛性の高いアルミダイキャスト製プレートにマウントした。
周波数特性が35Hz〜30kHz、入力感度が89dB、インピーダンスが4Ω。本体外形寸法は264W×1,225H×485Dmm、質量が47.5kg。広いオーディオルームにも快適なサウンドを届けるパフォーマンスを備えているという。
なお、「EPICON6」は6.5インチウーファー×2基と、「8」と同じハイブリッド・トゥイーターモジュールを搭載した3ウェイ構成のフロア型スピーカーで、周波数特性が35Hz〜30kHz、入力感度が88dB、インピーダンスが5Ω。外形寸法は「8」よりもやや小振りな232W×1,025H×441Dmmとなる。
■ブックシェルフ型スピーカー「EPICON2」の特徴
中低域用の6.5インチウーファー、および29mmソフトドーム・トゥイーターを高域用に配置した2ウェイ形式のスピーカー。周波数特性が47Hz〜30kHz、入力感度が87dB、インピーダンスが4Ω。本体外形寸法は214W×386H×366Dmm、質量が10.3kg。音響的には小〜中サイズのオーディオルームに最適化されているという。
なお本機専用のスピーカースタンドも同時期に発売される。スタンドの外形寸法は275W×531H×401Dmm、質量は10.4kg。スタンドにスピーカーを固定設置でき、専用のネジも付属している。
「EPICON8」「EPICON2」に共通するその他のハイライトとして、ともにウーファーユニットにウッドファイバー・コーンを採用している点も挙げられる。DALIの目指す低損失特性を実現するための重要な構成要素のひとつである、このウーファーコーンの素材は、紙の持つ音響特性を活かしながら、ウッドファイバーを織り込むことによってコーンそのものの剛性も同時に高めたというもの。DALIスピーカーのトレードマークとも呼べるウッドファイバーコーンだが、現在では現行モデル全ての機種に使われているという。シリーズごとにカスタマイズされたものが使われており、各機種ごとのチューニングも施されているのだという。
キャビネットにもDALIならではのこだわりを盛り込んだ。素材はMDF材を用い、側面部は6層、背面は多層構成としており「EPICON8」は63mm、「EPICON2」は53mmという厚みのある材を用いた。正面バッフルは2層33mmの材で構成されている。塗装についても、塗装・乾燥・研磨の工程を10回繰り返しながら、厚み2mmの塗膜に仕上げたというこだわりようだ。
「EPICON8」のキャビネット内部は、2基のウーファーの間に仕切りを設けて低域成分の干渉を防ぐ構造とした。底部のネットワークボックスも隔離して、空気圧の影響を受けないように留意した内部レイアウトだ。バスレフポートは、この2基のウーファーユニットの真後ろに配置して低域の音響特性を高めた。バッフル板自体、7本のネジの間隔を広く取って、ウーファー後部に自由な空気の流れをつくりだす構造となっている。
その他、フラグシップスピーカーとしてディティールにも細かな気配りをちりばめた。ターミナルやジャンパープレートの素材にも徹底吟味したものが採用されたほか、ネジも1本ずつカスタムオーダーし、組み立てはDALIの自社工場にてハンドメイドで行っているという。
スピーカーターミナルは大型のパーツを採用し、バイワイヤリング/バイアンプに完全対応。端子部には金メッキ処理を施し、高効率の信号伝送を実現している。
付属品はターミナルリンクセット/クリーニングクロス。「EPICON8」にはこれにスパイクセット/ベースプレートが加わる。
【問い合わせ先】
デノン・マランツ・D&Mインポートオーディオお客様相談センター
TEL/0570-666-112
いずれも昨年5月に先行してDALIスピーカーの新しいフラグシップモデルとして発売された「EPICON6」(関連ニュース)と並ぶシリーズの姉妹機。「EPICON8」は3.5ウェイ形式のフロア型、「EPICON2」は2ウェイ形式のブックシェルフ型。昨秋開催された東京インターナショナルオーディオショウ(関連ニュース)に出展したD&Mのブースで参考展示されていたが、正式に国内展開が明らかにされた。
カラーバリエーションは「EPICON6」と同様の、ウォールナット/ブラック/ルービーマカッサルの3色。ブックシェルフの「EPICON2」用にスピーカースタンドも2月下旬から発売される。販売価格はそれぞれ下記の通りとなる。
・「EPICON8」/180万円(ペア・税込)
※ウォールナット/ブラック/ルービーマカッサル 各色
・「EPICON2」/44万円(ペア・税込)
※ウォールナット/ブラック/ルービーマカッサル 各色
・「EPICON/STAND」/9万円(ペア・税込)
■新規マグネットシステムを開発し「究極の低損失性能」を実現
スピーカーは両製品ともにDALIのオーディオ思想をベースに、フラグシップモデルとしてこだわり抜いたユニットやパーツを全体に採用しながら開発された。同社のスピーカー開発における根幹の思想は「究極の低損失性能」を追求することにあるという。
DALIが低損失性能を追求することの背景には、以下のようなサウンドを実現したいという意図があるという。
・より繊細かつ透明なサウンド
・いかなる再生レベルでもよりダイナミックで生き生きとしたサウンド
・ローリスニングレベルでの最適なサウンドの解像力とディティール表現
・より良いサウンドイメージ(サウンドステージ)
・より少ない可聴歪み
・より少ないサウンドタイミング
サウンドタイミングの特性を上げることの意味合いについては、低音域の「息づかい」をより自由に再現することができるようになるからと説明する。
スピーカーの低損失特性を高めるため、DALIが目指してきた要素には2つの大きなポイントがある。1点目は機械的な部品の質を高いレベルに置くこと。コーンやサスペンション、ダンパーや高粘性磁石オイルなど機械部品のクオリティを上げることによって、スピーカーの低損失性能を高めていく上での、およそ60%の改善が達成されるという。残りの40%については、マグネットシステムからノンリニアな制動効果を低減することによって実現されるが、DALIではオリジナルのマグネットシステムを開発することにより、今回EPICONシリーズのサウンドをさらに高次へ導く事に成功したのだという。
DALI独自のマグネットシステムを構成する大きな要素は「SMC(Soft Magnetic Compound)」と呼ばれるマテリアルだ。SMCはオーディオ以外の工業分野では既にいくつもの採用実績を持つ素材だが、スピーカーの磁気回路として応用された事例はEPICONシリーズが初めてという。現在DALIの本国であるデンマークでは、SMCを採用したスピーカー技術に関する技術を取得済みで、日本を含む他国でも特許を出願している段階という。
砂鉄を使ってマグネットシステムを成形する手法は通常のアプローチと大きく変わらないが、DALIでは0.1mmほどの砂鉄の粒に、さらに絶縁処理を施したSMCを使っていることが大きな違い。あらかじめコーティング処理をした鉄粉に約200トンの圧力をかけた後、500〜550度の高熱プロセスを施して完成品のパーツを成形する。こうして完成したSMC素材のパーツを、EPICONシリーズのマグネットシステムではボイスコイルの内周部とポールピースの2カ所に用いている。
通常の砂鉄を硬化したマグネットシステムの場合はボイスコイルの上下運動で電流が流れると、不定期な「渦電流」が発生し、ボイスコイルのリニアリティを阻害し、歪みを生んでしまうことがある。一粒ずつに絶縁処理を施したSMCのメリットは、この渦電流による悪影響を効果的に回避でき、ユニットそのものの歪みを大幅に回避できる点にあるという。しかも磁気素材が持つ特性そのものは、通常のマグネットシステムと変わらないという特長も兼備する。
この、SMCを使ったマグネットシステムという独自のアプローチが完成したことで、旧フラグシップの“EUPHONIA”シリーズと交代する、新たな最高峰モデル“EPICON”シリーズが昨年デビューした。
今回は先行発表されたフロア型3ウェイ構成の「EPICON6」と、異なるユニット構成とキャラクターを備えるフロア型の「EPIOCN8」、ならびにコンパクトなブックシェルフの「EPICON2」が新しくシリーズに加わった。各モデルの特徴をまとめてみよう。
■フロア型スピーカー「EPICON8」の特徴
スピーカー形式は3.5ウェイ。低域用に2基の8インチ・ウーファーユニットを搭載したほか、6.5インチのミッドレンジユニットを専用に配置。ともにウッドファイバーチップを混合したDALI独自のコーン振動板を採用している。
また高域用にはDALIオリジナルのハイブリッド・トゥイーターモジュールを搭載。音の拡散性を高めた29mmシルクドームトゥイーターにより、ミッド/バスレンジのサウンドとのつながりを高めている。これに10×55mのリボントゥイーターを組み合わせ、剛性の高いアルミダイキャスト製プレートにマウントした。
周波数特性が35Hz〜30kHz、入力感度が89dB、インピーダンスが4Ω。本体外形寸法は264W×1,225H×485Dmm、質量が47.5kg。広いオーディオルームにも快適なサウンドを届けるパフォーマンスを備えているという。
なお、「EPICON6」は6.5インチウーファー×2基と、「8」と同じハイブリッド・トゥイーターモジュールを搭載した3ウェイ構成のフロア型スピーカーで、周波数特性が35Hz〜30kHz、入力感度が88dB、インピーダンスが5Ω。外形寸法は「8」よりもやや小振りな232W×1,025H×441Dmmとなる。
■ブックシェルフ型スピーカー「EPICON2」の特徴
中低域用の6.5インチウーファー、および29mmソフトドーム・トゥイーターを高域用に配置した2ウェイ形式のスピーカー。周波数特性が47Hz〜30kHz、入力感度が87dB、インピーダンスが4Ω。本体外形寸法は214W×386H×366Dmm、質量が10.3kg。音響的には小〜中サイズのオーディオルームに最適化されているという。
なお本機専用のスピーカースタンドも同時期に発売される。スタンドの外形寸法は275W×531H×401Dmm、質量は10.4kg。スタンドにスピーカーを固定設置でき、専用のネジも付属している。
「EPICON8」「EPICON2」に共通するその他のハイライトとして、ともにウーファーユニットにウッドファイバー・コーンを採用している点も挙げられる。DALIの目指す低損失特性を実現するための重要な構成要素のひとつである、このウーファーコーンの素材は、紙の持つ音響特性を活かしながら、ウッドファイバーを織り込むことによってコーンそのものの剛性も同時に高めたというもの。DALIスピーカーのトレードマークとも呼べるウッドファイバーコーンだが、現在では現行モデル全ての機種に使われているという。シリーズごとにカスタマイズされたものが使われており、各機種ごとのチューニングも施されているのだという。
キャビネットにもDALIならではのこだわりを盛り込んだ。素材はMDF材を用い、側面部は6層、背面は多層構成としており「EPICON8」は63mm、「EPICON2」は53mmという厚みのある材を用いた。正面バッフルは2層33mmの材で構成されている。塗装についても、塗装・乾燥・研磨の工程を10回繰り返しながら、厚み2mmの塗膜に仕上げたというこだわりようだ。
「EPICON8」のキャビネット内部は、2基のウーファーの間に仕切りを設けて低域成分の干渉を防ぐ構造とした。底部のネットワークボックスも隔離して、空気圧の影響を受けないように留意した内部レイアウトだ。バスレフポートは、この2基のウーファーユニットの真後ろに配置して低域の音響特性を高めた。バッフル板自体、7本のネジの間隔を広く取って、ウーファー後部に自由な空気の流れをつくりだす構造となっている。
その他、フラグシップスピーカーとしてディティールにも細かな気配りをちりばめた。ターミナルやジャンパープレートの素材にも徹底吟味したものが採用されたほか、ネジも1本ずつカスタムオーダーし、組み立てはDALIの自社工場にてハンドメイドで行っているという。
スピーカーターミナルは大型のパーツを採用し、バイワイヤリング/バイアンプに完全対応。端子部には金メッキ処理を施し、高効率の信号伝送を実現している。
付属品はターミナルリンクセット/クリーニングクロス。「EPICON8」にはこれにスパイクセット/ベースプレートが加わる。
【問い合わせ先】
デノン・マランツ・D&Mインポートオーディオお客様相談センター
TEL/0570-666-112
関連リンク