唯一無二の音色を体感
南 里沙のセカンド・オリジナルアルバム試聴会で感じたハイレゾの可能性
2015年10月28日、東京の「Gibson Brands Showroom TOKYO」にて、南 里沙のセカンド・オリジナルアルバム『El Mundo - エル・ムンド』のハイレゾ試聴会が行われた。
なぜ、ハイレゾをリリースするアーティストが多い中で、彼女が注目され、試聴会が開催されたのか。このイベントに参加した記者が感じ取った、南 里沙の楽曲から伝わる“ハイレゾの魅力"をレポートする。
●南 里沙とクロマチック・ハーモニカ
まず、南 里沙というアーティストについてご紹介したい。2009年のF.I.H.ドイツ世界大会オープンカテゴリー準優勝を皮切りに、多くの世界的なコンクールで優勝する輝かしい実績を持つ。さらには、その高い実力を買われ、ソリストとして数々の楽団と共演。2014年にはハーモニカの名門である独HOHNER社とエンドース契約を結んでいる。
そんな彼女の肩書を端的に言えば、クロマチック・ハーモニカ奏者となる。この楽器は一般的なハーモニカと異なり、スライド機構により半音階(クロマチック)を鳴らすことが可能だ。これにより1本で4オクターブ+2音もの音域を演奏できるという優れた性能を実現するが、その反面で演奏者に相応の技量を要求する楽器でもある。
そんな複雑な楽器の奏者として、南 里沙は世界で認められている。つまり最高のクロマチック・ハーモニカを聴いてみたいなら、南 里沙のタイトルを手に取れば間違いない。では、何を聴けば良いか。いま最もお薦めできるのが、最新アルバム『El Mundo - エル・ムンド』というわけだ。
●生演奏とハイレゾ再生
さて、遠回りになったが、ここからハイレゾ試聴会の模様をお伝えしたい。この会場でのイベントは別の機会にも訪れたことがあるが、今回は特に来場者の年齢が幅広いことが印象に残った。そしてイベント中に投げかけられた、「ハイレゾでの楽曲を聴いたことがある?」という質問には数名が手を上げるのみ。割合として、オーディオファンというより音楽ファンが多いのだろう。
本イベントには南 里沙と、ギタリストの渡辺具義が招かれ、最初にハーモニカとギターのデュオによる生演奏が披露された。その後、『El Mundo - エル・ムンド』のハイレゾ音源を両名とハイレゾ解説役として壇上に登ったオンキヨー&パイオニアイノベーションズの祐成 秀信氏で試聴。その感想を語り合った。
ハイレゾというフォーマットについては、南 里沙もまだ勉強中だと言う。ただ、自身が演奏した楽曲を聴いて、ハーモニカを持つ手の包み方であえて音をこもらせるといった繊細な演奏の機微などがとても分かりやすいと驚き、そして嬉しそうな表情を見せていた。渡辺具義は、強弱のつけられた息に合わせて1本1本のリードが震えている様子など、細かな部分までハイレゾだと感じられると述べた。
そして、観客として訪れていた日々ハーモニカを取り扱うショップの方は、ハイレゾを聴いての印象を、思わず拍手をしてしまいそうになった表現した。実際にそこで演奏しているかのようなリアルさを感じ取ったという。
生演奏とハイレゾ再生の両方を一度に体験できる本イベントで、記者もまたハイレゾの可能性というものを感じさせられた。まず、やはり生演奏は素晴らしい。コンサートなど、それに触れられる機会があるなら出来る限り参加したい。しかし、現実的にいつも足を伸ばすことは難しいだろう。そんな時に、良質なハイレゾ音源を聴くということは、生演奏の疑似体験が出来ると言ってもいい。少なくとも『El Mundo - エル・ムンド』は、そういった領域に達している作品だ。
●他にはない魅力を持った音色
そしてクロマチック・ハーモニカだが、その音は独特で、どこか懐かしい。聴いてみれば、誰しもが耳にしたことのある音色だ。けれど、そんなハーモニカの音に対して、集中して聴き込んだということはなかなか無いのではないだろうか。
自身が前に出て、主役を張ることの出来る楽器なのだ。それでいて包み込むような空気感を演出し、オーケストラともバンド・サウンドとも絶妙に調和する。『El Mundo - エル・ムンド』のリード曲となる、田中公平作曲の「諸刃の剣」などはそれが分かりやすい。アルバム収録曲ではオーケストラをバックとした壮大な演奏で、単売となる「諸刃の剣 Band ver.」ではアグレッシブかつジャジーな仕上がりとなっている。そのどちらであっても、クロマチック・ハーモニカの魅力的な音色が存分に堪能できる。
その他にも、チック・コリアの「スペイン」や、キャロル・キング「You've got a friend」などの名曲に加え、ハーモニカの響きが生きる情緒豊かなオリジナル曲も収録されている。彼女の卓越したテクニックと豊かな音楽性に関心を抱いた方は、ぜひ一度、可能であればハイレゾで聴いてみて欲しい。きっとその世界の虜になるはずだ。
〜『El Mundo - エル・ムンド』の購入はこちら〜
e-onkyo music
mora
VICTOR STUDIO HD-Music.
〜Live Infomation〜
【南 里沙2016新春イロイロコンサート】
兵庫県立芸術文化センター 神戸女学院小ホール
2016年1月6日(水)19:00開演(18:30開場)
全席自由 3000円
出演:南 里沙、ギター渡辺具義、ピアノただすけ、ベース藤谷一郎
<プレイガイド>
●チケットぴあ 0570-02-9999[Pコード:281526]
●お申し込みフォームはこちら
●お名前・ご希望枚数・ご住所・電話番号を記入の上、下記にお送りください。
FAX 03-6735-7141 または メール[email protected]
●南里沙コンサート事務局 090-6053-0362
●芸術センターチケットオフィス 0798-68-0255[12/1(火)より]
●兵庫県立芸術文化センター2階総合カウンターでの発券[12/1(火)より]
芸術文化センターチケットオフィス 0798-68-0255
10:00AM〜5:00PM 月曜休み ※祝日の場合翌日
なぜ、ハイレゾをリリースするアーティストが多い中で、彼女が注目され、試聴会が開催されたのか。このイベントに参加した記者が感じ取った、南 里沙の楽曲から伝わる“ハイレゾの魅力"をレポートする。
●南 里沙とクロマチック・ハーモニカ
まず、南 里沙というアーティストについてご紹介したい。2009年のF.I.H.ドイツ世界大会オープンカテゴリー準優勝を皮切りに、多くの世界的なコンクールで優勝する輝かしい実績を持つ。さらには、その高い実力を買われ、ソリストとして数々の楽団と共演。2014年にはハーモニカの名門である独HOHNER社とエンドース契約を結んでいる。
そんな彼女の肩書を端的に言えば、クロマチック・ハーモニカ奏者となる。この楽器は一般的なハーモニカと異なり、スライド機構により半音階(クロマチック)を鳴らすことが可能だ。これにより1本で4オクターブ+2音もの音域を演奏できるという優れた性能を実現するが、その反面で演奏者に相応の技量を要求する楽器でもある。
そんな複雑な楽器の奏者として、南 里沙は世界で認められている。つまり最高のクロマチック・ハーモニカを聴いてみたいなら、南 里沙のタイトルを手に取れば間違いない。では、何を聴けば良いか。いま最もお薦めできるのが、最新アルバム『El Mundo - エル・ムンド』というわけだ。
●生演奏とハイレゾ再生
さて、遠回りになったが、ここからハイレゾ試聴会の模様をお伝えしたい。この会場でのイベントは別の機会にも訪れたことがあるが、今回は特に来場者の年齢が幅広いことが印象に残った。そしてイベント中に投げかけられた、「ハイレゾでの楽曲を聴いたことがある?」という質問には数名が手を上げるのみ。割合として、オーディオファンというより音楽ファンが多いのだろう。
本イベントには南 里沙と、ギタリストの渡辺具義が招かれ、最初にハーモニカとギターのデュオによる生演奏が披露された。その後、『El Mundo - エル・ムンド』のハイレゾ音源を両名とハイレゾ解説役として壇上に登ったオンキヨー&パイオニアイノベーションズの祐成 秀信氏で試聴。その感想を語り合った。
ハイレゾというフォーマットについては、南 里沙もまだ勉強中だと言う。ただ、自身が演奏した楽曲を聴いて、ハーモニカを持つ手の包み方であえて音をこもらせるといった繊細な演奏の機微などがとても分かりやすいと驚き、そして嬉しそうな表情を見せていた。渡辺具義は、強弱のつけられた息に合わせて1本1本のリードが震えている様子など、細かな部分までハイレゾだと感じられると述べた。
そして、観客として訪れていた日々ハーモニカを取り扱うショップの方は、ハイレゾを聴いての印象を、思わず拍手をしてしまいそうになった表現した。実際にそこで演奏しているかのようなリアルさを感じ取ったという。
生演奏とハイレゾ再生の両方を一度に体験できる本イベントで、記者もまたハイレゾの可能性というものを感じさせられた。まず、やはり生演奏は素晴らしい。コンサートなど、それに触れられる機会があるなら出来る限り参加したい。しかし、現実的にいつも足を伸ばすことは難しいだろう。そんな時に、良質なハイレゾ音源を聴くということは、生演奏の疑似体験が出来ると言ってもいい。少なくとも『El Mundo - エル・ムンド』は、そういった領域に達している作品だ。
●他にはない魅力を持った音色
そしてクロマチック・ハーモニカだが、その音は独特で、どこか懐かしい。聴いてみれば、誰しもが耳にしたことのある音色だ。けれど、そんなハーモニカの音に対して、集中して聴き込んだということはなかなか無いのではないだろうか。
自身が前に出て、主役を張ることの出来る楽器なのだ。それでいて包み込むような空気感を演出し、オーケストラともバンド・サウンドとも絶妙に調和する。『El Mundo - エル・ムンド』のリード曲となる、田中公平作曲の「諸刃の剣」などはそれが分かりやすい。アルバム収録曲ではオーケストラをバックとした壮大な演奏で、単売となる「諸刃の剣 Band ver.」ではアグレッシブかつジャジーな仕上がりとなっている。そのどちらであっても、クロマチック・ハーモニカの魅力的な音色が存分に堪能できる。
その他にも、チック・コリアの「スペイン」や、キャロル・キング「You've got a friend」などの名曲に加え、ハーモニカの響きが生きる情緒豊かなオリジナル曲も収録されている。彼女の卓越したテクニックと豊かな音楽性に関心を抱いた方は、ぜひ一度、可能であればハイレゾで聴いてみて欲しい。きっとその世界の虜になるはずだ。
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【南 里沙2016新春イロイロコンサート】
兵庫県立芸術文化センター 神戸女学院小ホール
2016年1月6日(水)19:00開演(18:30開場)
全席自由 3000円
出演:南 里沙、ギター渡辺具義、ピアノただすけ、ベース藤谷一郎
<プレイガイド>
●チケットぴあ 0570-02-9999[Pコード:281526]
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FAX 03-6735-7141 または メール[email protected]
●南里沙コンサート事務局 090-6053-0362
●芸術センターチケットオフィス 0798-68-0255[12/1(火)より]
●兵庫県立芸術文化センター2階総合カウンターでの発券[12/1(火)より]
芸術文化センターチケットオフィス 0798-68-0255
10:00AM〜5:00PM 月曜休み ※祝日の場合翌日