InterBEE 2008レポート
進化する“テープレス”の撮影・編集システム/映像クリエイティブワークの強力なサポートソリューション
「2008国際放送機器展(InterBEE 2008)」が19日から21日まで幕張メッセで開催されている。期間中は国内外から映像・放送・音響関連機器、アプリケーションやソリューションが紹介される。本項ではビクターやソニー、アドビシステムズなどのブースを中心に、会場レポートをお届けしよう。
業務用ビデオカメラやノンリニア編集システムにおけるテープレス化の流れは、昨年のイベント時よりもさらに加速した印象を受ける。またディスプレイ関連の出展についても、液晶デバイスを採用した各社の高精細なマスターモニターの完成度がさらに高まってきており、いよいよCRTからの置き換えが最終局面に達しつつあることが伺える。またソリューション関連ではコンパクトな器材、およびクルーでのHD放送収録・編集システムに実用度の高いものがいくつも登場してきた。
■ビクター
海外ではJVCブランドから発売され、既に高い評価を獲得している業務用HDVカムコーダー“ProHD”シリーズが国内市場に登場する。HDVカムコーダー「GY-HD200U」は、本体のみではテープメディアへの720p記録に対応するが、別途外付けのオプションとなるS×Sメモリーカードレコーダーシステム「KA-MR100G」を装着することで、1080i相当のMPEG2映像をSxSメモリーカードに記録することが可能だ。同記録媒体は、ソニーの“XDCAM EX”シリーズが採用するフォーマットだが、ビクターのカメラでも「KA-MR100G」による記録システムが実現されることで、HD映像と音声信号を、“XDCAM EX”シリーズと互換を持つファイル形式で記録・再生できるようになる。「GY-HD200U」自体の特徴については、ショルダータイプのカムコーダーとして軽量・コンパクトサイズを実現した高いハンドリング性能や、交換レンズへの対応などが挙げられる。
もう一つの業務用HDVカムコーダー“ProHD”シリーズ「GY-HD250U」は、本体のみで720pのハイビジョン対応映像が記録できるほか、本体にスタジオアダプタを装着することにより、HD SDI出力でカメラからダイレクトに1080i相当の映像を非圧縮で出力することが可能になる。これにより、ローコストなHD対応のスタジオシステムが実現できる点が特徴の一つだ。
上記の2モデルについては年内の国内市場投入が検討されているという。
また会場にはメモリータイプのコンパクトな“ProHD”シリーズの業務用カムコーダーも参考出展されている。こちらは細かな仕様については非公開とされていたが、記録媒体についてはSDHCカード対応のスロットが本体に設けられていることがうかがえた。商品化の時期については、まず来春頃の海外導入が予定されており、国内での発売に関してはまだ検討段階にあるという。
ディスプレイ関連の出展では56インチの4K2K液晶モニターを出展。同社の研究所で4K2K対応のカメラで撮影したというデモソースを使った、高精細な映像によるデモンストレーションが行われている。製品の発売時期等については現在検討段階であるという。
一方、42インチのフルHDモニター「GM-F420S」は「近日発売」のアナウンスで参考出展されていた。特徴はアルミダイキャストを使った堅牢なキャビネットと、厚さ15mmと業務用としては薄型化を実現しているところなどが挙げられる。画面の明るさも700カンデラを実現しており、付属の人感センサーなどによる高い使い勝手を提案する。サイズ展開はいずれもフルHD対応で、52/47/42インチの3サイズを揃える。
また同社が放送局向けに提案する液晶マルチフォーマットモニター“DTV”シリーズも、24インチの1920×1200画素モデル「DT-V24L3D」をはじめ、20/17インチの新製品が並ぶ。「L3D」の型番シリーズから、ディスプレイに映し出される映像の輝度をリアルタイムに確認できる波形モニターが新しく搭載されたほか、映像エンジンを進化させたことにより、ライブ映像に対するフレームディレイが1フレーム以下にスペックアップされている。
■ソニー
ソニーのブースでは業務用ビデオカメラ“XDCAMシリーズ”の様々なラインナップを紹介している。
「PDW-700」は昨年のイベントにも参考出展されて話題を集めたフラグシップモデル。記録メディアは青紫色レーザーを用いる“プロフェッショナルディスク”を採用しており、記録ビットレート50Mbps/4:2:2サンプリングの「MPEG HD422(MPEG2 422P@HL準拠)」コーデックをはじめ、これまでの“XDCAM”シリーズに採用されている、“MPEG IMX”や“DVCAM”、“MPEG HD”などにも対応し、高い互換性を実現している。
“XDCAM EXシリーズ”のニューモデル「PMW-EX3」はレンズ交換に対応し、多彩な映像表現が可能。マウントには1/2インチ「EXマウント」を採用している。イメージセンサーは独自開発の“Exmor”CMOSセンサーを1/2型フルHD3板式で搭載する。また記録媒体には「SxSメモリーカード」を採用。本媒体はPCでの採用が進むExpressCardスロット規格に準拠しており、PCへの高速転送ができることから、撮影現場でのワークフローを効率化できるソリューションとして期待されている。MPEG2 Long GOPコーデックを採用し、16GBのメモリー1枚に最大約70分の記録が可能だ。
ほかにもカメラ系では“まめカム”HD「HXR-MC1」が注目を浴びている。1080iのフルHD撮影に対応した小型カメラで、カメラヘッドとコントロールユニットをそれぞれ別筐体としたことで、通常のHDカメラでは入り込めない場所での撮影を可能にする。カメラヘッドにはマイクも内蔵し、同時に音声記録が可能。ヘッド部にアームやヘルメットを装着できるほか、本体自体も防滴仕様としている。クリアビッド配列“Exmor”CMOSセンサーを搭載する。コントロールユニットにはタッチパネル操作に対応する液晶パネルを採用し、手軽なオペレーションを実現。記録媒体はメモリースティックPROデュオ、またはメモリースティックPRO-HGデュオとなる。
ディスプレイ系では、ラックマウントに対応した17インチの液晶マスターモニター「BVM-L170」や、正確な色再現と忠実な描画性能を実現した23インチの最新モデル「PVM-L2300」を出展。両モデルともに独自の高画質技術“TRIMASTER”を搭載し、フルHD対応の10bitドライバーを搭載。120Hzのハイフレームレート表示にも対応している。他にも参考出展として、バックライトにLEDを採用した56インチのQFHD(3840×2160)画素の液晶モニター試作機も並ぶ。
業務用ビデオカメラやノンリニア編集システムにおけるテープレス化の流れは、昨年のイベント時よりもさらに加速した印象を受ける。またディスプレイ関連の出展についても、液晶デバイスを採用した各社の高精細なマスターモニターの完成度がさらに高まってきており、いよいよCRTからの置き換えが最終局面に達しつつあることが伺える。またソリューション関連ではコンパクトな器材、およびクルーでのHD放送収録・編集システムに実用度の高いものがいくつも登場してきた。
■ビクター
海外ではJVCブランドから発売され、既に高い評価を獲得している業務用HDVカムコーダー“ProHD”シリーズが国内市場に登場する。HDVカムコーダー「GY-HD200U」は、本体のみではテープメディアへの720p記録に対応するが、別途外付けのオプションとなるS×Sメモリーカードレコーダーシステム「KA-MR100G」を装着することで、1080i相当のMPEG2映像をSxSメモリーカードに記録することが可能だ。同記録媒体は、ソニーの“XDCAM EX”シリーズが採用するフォーマットだが、ビクターのカメラでも「KA-MR100G」による記録システムが実現されることで、HD映像と音声信号を、“XDCAM EX”シリーズと互換を持つファイル形式で記録・再生できるようになる。「GY-HD200U」自体の特徴については、ショルダータイプのカムコーダーとして軽量・コンパクトサイズを実現した高いハンドリング性能や、交換レンズへの対応などが挙げられる。
もう一つの業務用HDVカムコーダー“ProHD”シリーズ「GY-HD250U」は、本体のみで720pのハイビジョン対応映像が記録できるほか、本体にスタジオアダプタを装着することにより、HD SDI出力でカメラからダイレクトに1080i相当の映像を非圧縮で出力することが可能になる。これにより、ローコストなHD対応のスタジオシステムが実現できる点が特徴の一つだ。
上記の2モデルについては年内の国内市場投入が検討されているという。
また会場にはメモリータイプのコンパクトな“ProHD”シリーズの業務用カムコーダーも参考出展されている。こちらは細かな仕様については非公開とされていたが、記録媒体についてはSDHCカード対応のスロットが本体に設けられていることがうかがえた。商品化の時期については、まず来春頃の海外導入が予定されており、国内での発売に関してはまだ検討段階にあるという。
ディスプレイ関連の出展では56インチの4K2K液晶モニターを出展。同社の研究所で4K2K対応のカメラで撮影したというデモソースを使った、高精細な映像によるデモンストレーションが行われている。製品の発売時期等については現在検討段階であるという。
一方、42インチのフルHDモニター「GM-F420S」は「近日発売」のアナウンスで参考出展されていた。特徴はアルミダイキャストを使った堅牢なキャビネットと、厚さ15mmと業務用としては薄型化を実現しているところなどが挙げられる。画面の明るさも700カンデラを実現しており、付属の人感センサーなどによる高い使い勝手を提案する。サイズ展開はいずれもフルHD対応で、52/47/42インチの3サイズを揃える。
また同社が放送局向けに提案する液晶マルチフォーマットモニター“DTV”シリーズも、24インチの1920×1200画素モデル「DT-V24L3D」をはじめ、20/17インチの新製品が並ぶ。「L3D」の型番シリーズから、ディスプレイに映し出される映像の輝度をリアルタイムに確認できる波形モニターが新しく搭載されたほか、映像エンジンを進化させたことにより、ライブ映像に対するフレームディレイが1フレーム以下にスペックアップされている。
■ソニー
ソニーのブースでは業務用ビデオカメラ“XDCAMシリーズ”の様々なラインナップを紹介している。
「PDW-700」は昨年のイベントにも参考出展されて話題を集めたフラグシップモデル。記録メディアは青紫色レーザーを用いる“プロフェッショナルディスク”を採用しており、記録ビットレート50Mbps/4:2:2サンプリングの「MPEG HD422(MPEG2 422P@HL準拠)」コーデックをはじめ、これまでの“XDCAM”シリーズに採用されている、“MPEG IMX”や“DVCAM”、“MPEG HD”などにも対応し、高い互換性を実現している。
“XDCAM EXシリーズ”のニューモデル「PMW-EX3」はレンズ交換に対応し、多彩な映像表現が可能。マウントには1/2インチ「EXマウント」を採用している。イメージセンサーは独自開発の“Exmor”CMOSセンサーを1/2型フルHD3板式で搭載する。また記録媒体には「SxSメモリーカード」を採用。本媒体はPCでの採用が進むExpressCardスロット規格に準拠しており、PCへの高速転送ができることから、撮影現場でのワークフローを効率化できるソリューションとして期待されている。MPEG2 Long GOPコーデックを採用し、16GBのメモリー1枚に最大約70分の記録が可能だ。
ほかにもカメラ系では“まめカム”HD「HXR-MC1」が注目を浴びている。1080iのフルHD撮影に対応した小型カメラで、カメラヘッドとコントロールユニットをそれぞれ別筐体としたことで、通常のHDカメラでは入り込めない場所での撮影を可能にする。カメラヘッドにはマイクも内蔵し、同時に音声記録が可能。ヘッド部にアームやヘルメットを装着できるほか、本体自体も防滴仕様としている。クリアビッド配列“Exmor”CMOSセンサーを搭載する。コントロールユニットにはタッチパネル操作に対応する液晶パネルを採用し、手軽なオペレーションを実現。記録媒体はメモリースティックPROデュオ、またはメモリースティックPRO-HGデュオとなる。
ディスプレイ系では、ラックマウントに対応した17インチの液晶マスターモニター「BVM-L170」や、正確な色再現と忠実な描画性能を実現した23インチの最新モデル「PVM-L2300」を出展。両モデルともに独自の高画質技術“TRIMASTER”を搭載し、フルHD対応の10bitドライバーを搭載。120Hzのハイフレームレート表示にも対応している。他にも参考出展として、バックライトにLEDを採用した56インチのQFHD(3840×2160)画素の液晶モニター試作機も並ぶ。