価格は35,000円前後
オンキヨー、PCIeデジタルオーディオボード「SE-300PCIE」を正式発表
オンキヨーは、WAVIOブランドの新製品として、PCI Express(PCIe)インターフェースのデジタルオーディオボード「SE-300PCIE」を4月末に発売する。
価格はオープンだが34,800円前後での販売が予想される。対応OSはWindows 7(64/32ビット)、Vista SP1以降(32ビット)。
同社として、2008年の「SE-200PCI LTD」から約3年ぶりとなるデジタルオーディオボードの新モデル。PCIeインターフェースを採用したのは、同社製品では本機が初めて。今年2月にティザーサイトを立ち上げ(関連ニュース)、ディテールを少しずつ公開していたが、その全貌が明らかにされた格好だ。
現在、PCオーディオではUSBオーディオインターフェースが人気を博している。同社では本機を投入するねらいについて「PCI搭載のタワー型PCが少なくなっており、これまでご愛用頂いていた方々に、PCIeの最新版をお届けしたいと考えた」と説明。「最新のデジタル技術を搭載することで、あえて内蔵型で最高の音質を実現するというチャレンジを行った」という。
また、PCIeインターフェースを利用するため、USB接続にくらべて遅延(レイテンシー)が少ない点も強調。「ゲームユーザーなどに低遅延であることをアピールしたい」という。
入力端子はステレオミニのアナログ入力が1系統、同じくステレオミニのマイク端子が1系統。光デジタル入力端子も備える。
出力端子は2chアナログ音声出力がRCAで、ほかに光デジタル出力、同軸デジタル出力、ステレオミニのヘッドホン端子を装備する。
このほか、7.1ch出力用の拡張スロットも用意。7.1ch出力用スロットはフロントL/R、センター/サブウーファー、サラウンドL/R、サラウンドバックL/Rを、それぞれステレオミニ端子で備えており、別売りのステレオミニ-RCA変換ケーブル4本を使って7.1chアナログオーディオ出力が行える。
なお、PCIe経由で入力する信号は192kHz/24ビットまで対応ただし光デジタル入出力と同軸デジタル出力は96kHz/24ビットまでの対応となる。
■混変調歪みを抑えるDIDRC回路を搭載
アナログ回路にはオペアンプを用いず、すべてディスクリート部品で構成し、同社独自の「DIDRC」技術を採用した。
DIDRCは「Dynamic Intermodulation Distortion Reduction Circuitry」の略称。可聴帯域外の高周波数帯で、複数の波形が近接しているとそれが合成されて混変調(ビートダウン)が起き、これが可聴帯域内にも変換されることでノイズになる。このノイズはハイカットフィルターで抑制することはできない。
同社は、この混変調ノイズの発生理由について「スルーレートの不足」と「回路動作の上下対称性が良好でないこと」の2つと説明。DIDRCではこの2つについて対策を施した。
スルーレートについては、一般的なオペアンプに比べ10倍程度となる、250V/μsのI/V変換スピードを実現。この回路で電流電圧変換した±平衡出力を、360V/μsの不平高変換回路で合成して出力し、S/N比を高めている。
また上下対称性についても確保し、チャンネルあたり38個のトランジスタが用いられている。
さらに、このDIDRCの効果などを確認するため、可聴帯域内の144dB、24ビットまで見える測定系も開発したという。
なおDIDRCは、同社が昨年発表したセパレートアンプ「P-3000R」「M-5000R」などにも採用されているものだが、本機は電圧などが異なるため、チューニングを施したものを搭載している。
■音質を高める機能や仕様が充実
2ch専用のD/Aコンバーター部には、バーブラウンのDAC「PCM1798」を、各チャンネルに独立して2個搭載。L+とL-、R+とR-でそれぞれ差動動作させ、合成することでセパレーションを高めている。S/N比は同社の製品として最高クラスとなる、120dBを実現したという。
ヘッドホンアンプ回路にもこだわり、DIDRC回路を採用した。オペアンプを使用せず、フルディスクリート部品で上下シンメトリーの構成として、音質を高めている。ヘッドホン対応インピーダンスは32Ω〜600Ω。
輻射ノイズや内部干渉を抑えるため、シールドにもこだわった。アナログオーディオ回路部には磁気歪みを発生させない銅シールドを採用。またデジタル回路と電源のDC/DCコンバーター部には、高透磁率の磁性シールド材を採用。ブロックごとに異なる材料を使い分けることでノイズを抑制している。
12Vの電源から、±12Vと5Vの電源を生成する電源部を、アナログオーディオ回路専用に搭載。PCから供給される電源をそのまま使用するのではなく、絶縁され、高いレギュレーション能力を持つ電源回路を備えることで音質向上を図っている。なお、コンデンサーの容量はSE-200PCIと同じ。
そのほか電源周りでは、アナログ2ch出力回路に、グランド電位の安定化を図る銅バスプレートを採用している。
クロックには±10ppmの高精度クロックを採用している。
オーディオプロセッサーにはクリエイティブ社製の「20K2 X-Fi」を搭載。また「EAX Advanced HD 5.0」に対応し、EAX対応ゲームの音声の臨場感を高められる。ゲームプレイ時のCPU不可を軽減することもできるほか、音声出力の応答速度も高めている。
さらにASIO 2.0にも対応し、ソフトウェアミキサーをバイパスできるなダイレクトモニタリング機能をサポートしている。
ドライバはクリエイティブ社製のものをベースに、S/PDIF信号のルーティングなどを変えるなど、内部で最適化を施した。
専用コンソールソフトも準備しているが、これもクリエイティブ社のものがベース。ゲームモード、エンターテイメントモード、オーディオクリエーションモードなどの切替が可能だ。今後はデフォルトを、エフェクトを切った状態にするなど、ピュアオーディオ再生を意識したものにアップデートすることを検討しているという。
【問い合わせ先】
ONKYO DIRECT
TEL/0570-001900
価格はオープンだが34,800円前後での販売が予想される。対応OSはWindows 7(64/32ビット)、Vista SP1以降(32ビット)。
同社として、2008年の「SE-200PCI LTD」から約3年ぶりとなるデジタルオーディオボードの新モデル。PCIeインターフェースを採用したのは、同社製品では本機が初めて。今年2月にティザーサイトを立ち上げ(関連ニュース)、ディテールを少しずつ公開していたが、その全貌が明らかにされた格好だ。
現在、PCオーディオではUSBオーディオインターフェースが人気を博している。同社では本機を投入するねらいについて「PCI搭載のタワー型PCが少なくなっており、これまでご愛用頂いていた方々に、PCIeの最新版をお届けしたいと考えた」と説明。「最新のデジタル技術を搭載することで、あえて内蔵型で最高の音質を実現するというチャレンジを行った」という。
また、PCIeインターフェースを利用するため、USB接続にくらべて遅延(レイテンシー)が少ない点も強調。「ゲームユーザーなどに低遅延であることをアピールしたい」という。
入力端子はステレオミニのアナログ入力が1系統、同じくステレオミニのマイク端子が1系統。光デジタル入力端子も備える。
出力端子は2chアナログ音声出力がRCAで、ほかに光デジタル出力、同軸デジタル出力、ステレオミニのヘッドホン端子を装備する。
このほか、7.1ch出力用の拡張スロットも用意。7.1ch出力用スロットはフロントL/R、センター/サブウーファー、サラウンドL/R、サラウンドバックL/Rを、それぞれステレオミニ端子で備えており、別売りのステレオミニ-RCA変換ケーブル4本を使って7.1chアナログオーディオ出力が行える。
なお、PCIe経由で入力する信号は192kHz/24ビットまで対応ただし光デジタル入出力と同軸デジタル出力は96kHz/24ビットまでの対応となる。
■混変調歪みを抑えるDIDRC回路を搭載
アナログ回路にはオペアンプを用いず、すべてディスクリート部品で構成し、同社独自の「DIDRC」技術を採用した。
DIDRCは「Dynamic Intermodulation Distortion Reduction Circuitry」の略称。可聴帯域外の高周波数帯で、複数の波形が近接しているとそれが合成されて混変調(ビートダウン)が起き、これが可聴帯域内にも変換されることでノイズになる。このノイズはハイカットフィルターで抑制することはできない。
同社は、この混変調ノイズの発生理由について「スルーレートの不足」と「回路動作の上下対称性が良好でないこと」の2つと説明。DIDRCではこの2つについて対策を施した。
スルーレートについては、一般的なオペアンプに比べ10倍程度となる、250V/μsのI/V変換スピードを実現。この回路で電流電圧変換した±平衡出力を、360V/μsの不平高変換回路で合成して出力し、S/N比を高めている。
また上下対称性についても確保し、チャンネルあたり38個のトランジスタが用いられている。
さらに、このDIDRCの効果などを確認するため、可聴帯域内の144dB、24ビットまで見える測定系も開発したという。
なおDIDRCは、同社が昨年発表したセパレートアンプ「P-3000R」「M-5000R」などにも採用されているものだが、本機は電圧などが異なるため、チューニングを施したものを搭載している。
■音質を高める機能や仕様が充実
2ch専用のD/Aコンバーター部には、バーブラウンのDAC「PCM1798」を、各チャンネルに独立して2個搭載。L+とL-、R+とR-でそれぞれ差動動作させ、合成することでセパレーションを高めている。S/N比は同社の製品として最高クラスとなる、120dBを実現したという。
ヘッドホンアンプ回路にもこだわり、DIDRC回路を採用した。オペアンプを使用せず、フルディスクリート部品で上下シンメトリーの構成として、音質を高めている。ヘッドホン対応インピーダンスは32Ω〜600Ω。
輻射ノイズや内部干渉を抑えるため、シールドにもこだわった。アナログオーディオ回路部には磁気歪みを発生させない銅シールドを採用。またデジタル回路と電源のDC/DCコンバーター部には、高透磁率の磁性シールド材を採用。ブロックごとに異なる材料を使い分けることでノイズを抑制している。
12Vの電源から、±12Vと5Vの電源を生成する電源部を、アナログオーディオ回路専用に搭載。PCから供給される電源をそのまま使用するのではなく、絶縁され、高いレギュレーション能力を持つ電源回路を備えることで音質向上を図っている。なお、コンデンサーの容量はSE-200PCIと同じ。
そのほか電源周りでは、アナログ2ch出力回路に、グランド電位の安定化を図る銅バスプレートを採用している。
クロックには±10ppmの高精度クロックを採用している。
オーディオプロセッサーにはクリエイティブ社製の「20K2 X-Fi」を搭載。また「EAX Advanced HD 5.0」に対応し、EAX対応ゲームの音声の臨場感を高められる。ゲームプレイ時のCPU不可を軽減することもできるほか、音声出力の応答速度も高めている。
さらにASIO 2.0にも対応し、ソフトウェアミキサーをバイパスできるなダイレクトモニタリング機能をサポートしている。
ドライバはクリエイティブ社製のものをベースに、S/PDIF信号のルーティングなどを変えるなど、内部で最適化を施した。
専用コンソールソフトも準備しているが、これもクリエイティブ社のものがベース。ゲームモード、エンターテイメントモード、オーディオクリエーションモードなどの切替が可能だ。今後はデフォルトを、エフェクトを切った状態にするなど、ピュアオーディオ再生を意識したものにアップデートすることを検討しているという。
【問い合わせ先】
ONKYO DIRECT
TEL/0570-001900
関連リンク
- ジャンルサウンドボード(カード)
- ブランドONKYO
- 型番SE-300PCIE
- 発売日2011年4月末
- 価格¥OPEN(予想実売価格34,800円前後)
【SPEC】●インターフェース:PCI Express ●S/N比:120dB( 2ch ANALOG OUT ) ●周波数特性:0.3Hz-88kHZ( 2ch ANALOG OUT , +0/-3dB ) ●ライン出力レベル:2.0V rms ●デジタルINサンプリング周波数:44.1/48/96kHz ●デジタルOUTサンプリング周波数:32/44.1/48/96kHz ●入力端子:アナログ音声×1(ステレオミニ)、マイク×1(ステレオミニ)、光デジタル×1 ●出力端子:2ch アナログ音声×1(ステレオRCA)、光デジタル×1、同軸デジタル×1、7.1chアナログ音声×1(Front L/R, Center, Surround L/R, Surround Back L/R, Subwoofer) ●動作環境:Windows 7(64/32ビット)、Vista SP1以降(32ビット)