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リカーリングで収益基盤強化

ソニー、’18年度連結業績を発表。ゲーム事業の牽引で2年連続で過去最高益更新

公開日 2019/04/26 19:26 Senka21編集部・竹内純
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ソニーは、2018年度連結業績を発表した。売上高8兆6,657億円(対前年比1,217億円増)、営業利益8,942億円(同1,594億円増)、税引前利益1兆116億円(同3,126億円増)、当期純利益9,163億円(同4,255億円増)と増収増益。税引前利益が1兆円を突破したのは初めてとなり、営業利益、税引前利益、当期純利益のそれぞれにおいて、2年連続で過去最高益を更新。下振れリスク要因を抱えた第4四半期も3年連続で黒字を計上した。

2018年度連結業績

同社代表執行役 専務 CFO・十時裕樹氏は「2019年度も高い利益水準を維持できる見通し。このように収益が安定してきたことは、リカーリング売上げの比率を高め、収益基盤の強化を図って来た成果と考えている」と手応えを訴えた。

ソニー(株)代表執行役 専務 CFO・十時裕樹氏

なお、固定資産の減損や子会社の譲渡益などの一時的要因を除いた調整後の営業利益は、997億円増加の8,093億円、同税引前利益は1,352億円増の8,090億円となる。

2018年度調整後営業利益

スマートフォンが主力となるモバイル・コミュニケーション分野が前年度に引き続き大幅減収となり、損失が拡大したが、力強く牽引したのは大幅な増収・増益となったゲーム&ネットワークサービス分野。プレイステーション4(PS4)は減収となったものの、ゲームソフトウェアの増収、有料会員サービス「プレイステーション プラス」の加入者増により、3,671億円の大幅増収、1,336億円の大幅増益となった。2019年度の見通しは、PS4の販売台数減が見込まれるものの、売上高は18年度並み。また、次世代機の開発費用増加等により、営業利益は311億円の減益を見込む。

ゲーム&ネットワークサービス分野 2018年度売上高と営業利益

Googleが新しいストリーミングゲームのサービスを発表するなど、ゲーム業界の動向に注目が集まるが、「業界のリーディングカンパニーとして、これまでいろいろなお客様に対してゲームエクスペリエンスを提供してきた。今、全世界で9,000万人以上の方が我々のプラットフォームでお楽しみいただいている。そのお客様の動向をもっとも把握していることが一番の強みになる。この強みをできるだけ活かす形で、将来に向け発展させていきたい」とソニーの強みをアピールした。

一方、構造改革が進められるモバイル・コミュニケーション分野では、2019年度の営業利益を、18年度の971億円の損失から、501億円縮小した470億円の損失を見込む。「昨年度、スマートフォン事業の見通しを発表した際に、今期の半分くらいにと述べたが、そのラインにきちっと乗っている。2020年度の黒字化へ向けて、ステップは着実に進んでいると認識している」との見方を示した。

業績が低迷していた時期と比較すると、確実に仕込みもできるようになったと語る十時氏。新体制となった初年度を振り返り、「この1年は、各事業に対する手応えを確認する1年だった。中期的なポテンシャルはかなりある企業体だと思っている。もちろん、それに気を緩めることなく、自分たちの可能性を確認しながら、成長を続けていきたい」とさらなる成長を力強く見据えた。

2019年度の連結業績見通しは、半導体分野、映画分野、金融分野は引き続き増収が見込まれるが、エレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション分野やゲーム&ネットワークサービス分野の減収、前年度にEMIの連結子会社化による再評価益を計上したことなどから、売上高8兆8,000億円(対前年度比2%増)、営業利益8,100億円(同9%減)、税引前利益7,700億円(同24%減)、当期純利益5,000億円(同45%減)とした。

2019年度連結業績見通し

2019年度セグメント別業績見通し

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