カメラや動画撮影も大幅進化
「iPhone 4」のAV機能をレビュー − 圧倒的な高精細画面、フルHD再生も可能な驚異の実力
■高ビットレート動画やフルHD動画も再生可能
続いて動画再生機能を試していこう。まず確認しておくと、公式に対応を謳っている仕様は
・解像度720p=1,280×720ピクセルでビットレート2.5MbpsまでのH.264ファイル
・解像度640x480ピクセルでビットレート2.5MbpsまでのMPEG-4ファイル
となっている。その範囲内のファイルは確実に再生できるし、iTunesの「ムービー」「ミュージック」から転送できるので、特に理由がなければこれを上限に落とし込んでおくのが良いだろう。
それを前提とした話として、iOS 4で対応したファイル共有機能を用いれば、公式にサポートしている範囲を超えた仕様の動画ファイルも転送や再生が行える。これには、オーディオファイルの項目でも述べたアプリ「Air Sharing」を用いる。なお検証に使用した動画は、パナソニック「DMC-GH1」で撮影したAVCHDのフルHD動画を、「HandBrake」というソフトで、すべて可変ビットレート設定でエンコードしたものだ。
AirSharingを用いて転送と再生を試した結果をまとめると、
・MPEG-4でも1,280×720pや3.0Mbps程度のファイル再生が可能
・H.264の1,280×720p動画については、3.5Mbpsのファイルまでは再生できたが、4.0Mbpsに上げると再生不能と表示される
・H.264でビットレートを2.5Mbpsに収めてみたら、解像度1,920×1,080のファイルも再生できてしまった!
特に驚きだったのは最後の項目。徐々に解像度を上げていっても難なく再生できるので、どこまで行けるか興味が湧き、フルHDならどうだろうと試してみたら、コマ落ちなく再生できてしまったのだ。あくまで検証に用いた素材での事例ということであって、全般に適用できるわけではないだろうが、これには本当に驚かされた。
iTunesでの同期と再生の保証という利点は失われるものの、フルHD解像度を維持できたり、高ビットレートで画質を高められることに大きな魅力を感じる方も多いだろう。場合によってはこちらの手段の併用を検討するのもよさそうだ。