[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域
【第52回】Androidとデジタル接続! iBasso Audio新ポタアン「D zero-SE」レビュー
■全てのAndroid端末が本機のUSB-DAC接続に対応するわけではない
AndroidがOSレベルでUSBオーディオ機能に対応したのはAndroid 4.1以降。しかしAndroid 4.1以降なら全ての機種が使用可能かというとそういうわけでもない。本機のUSB-DAC対応機能が有効かどうかは、機種ごとに異なるらしいのだ。さらに、実はAndroid 4.1だけがこの機能に対応するわけでもない。後述するGALAXY S3はAndroid 4.0.4だが、本機とのUSB接続に対応する。
…え〜と、つまり「D zero-SEのUSB-DAC機能対応機種は個別に確認するしかない!」のが実情だ。改めて製品紹介ページの記載をそのまま引用させてもらうと、
USB Audioをサポートしていても端末の仕様やAndroidのバージョンによりデジタル接続ができない場合があります。2013年6月現在動作確認しているモデルはGALAXY S3「SC-06D」です
ということになっている。現時点ではまだ一般化していない、先進的な機能と認識しておいた方が良いかもしれない。去年の夏モデルであるGALAXY S IIIが対応しているのだから、その後の機種では対応が広がっていると良いのだが…。
■USB-DAC搭載ポタアンとしても優秀 − ESS製DACを搭載
しかし本機は、AndroidスマートフォンとのUSB接続のことはさておいても、USB-DAC搭載ポータブルヘッドホンアンプとしての基本性能もなかなかのものだ。
DACチップにはESS Technology社の「SABRE ES9023」を搭載。ESSのDACチップはハイエンド機での採用例も増えており評価が高い。アンプ回路もこのサイズと価格にして、1チップで済ませずにオペアンプとコンデンサーで回路を組み上げて音作りをしている。
PCと組み合わせるにしても「ハイレゾとかまだいらねーし!」という方にとっては必要十分の機能・性能を備えており、音質も期待できる。
というわけで、その期待できそうな音質を実際にチェックしていこう。