【特別企画】OPPO連続レビュー 第1回
“4極グランド分離出力”はなぜ高音質なのか? OPPOのポタアン「HA-2」とヘッドホン「PM-3」で検証
■「PM-3」と「HA-2」の組み合わせで4極グランド分離出力の音質を検証する
ヘッドホン PM-3は、4極ステレオミニ端子を採用したケーブルを用いてHA-2と組み合わせれば、「4極グランド分離出力」に対応する。PM-3に付属してくる交換ケーブルは3極タイプのものだが、今回はOPPOの製品を取り扱うOPPO Digital Japanに協力をいただき、PH-3用の4極グランド分離ケーブルの試作品をお借りして、特別に4極グランド分離によるサウンドを試聴できる機会を得た。
リスニングは3極端子と4極端子のケーブルを、楽曲ごと交互にリケーブルしながら聴いて効果を試した。HA-2は2段階のゲイン切り替え機能を搭載しているが、今回PM-3との組み合わせでは「Low」で良好なリスニング感が得られたため、こちらに設定して聴いた。
Jane Monheitのアルバム『The Heart of The Matter』から「Depende De Nos」はボーカルとアコースティック楽器のバンドによるセッション。3極ケーブルで聴いてもアコースティック楽器のふくよかな響きとクリアな低域、ボーカルのナチュラルな質感の再現力に驚いた。しかし4極仕様のケーブルに変更すると、同じヘッドホンで聴いていることがにわかに信じ難くなるほど、ベールを何枚も脱いだように演奏の立体感が迫ってくる。奥行き方向だけでなく縦横方向の音場が一気に広がり、パーカッションの音は粒立ちに磨きがかかる。ボーカルは口元の解像感が上がり、声のビブラートや息づかいの表情がより生々しくイメージされる。アコースティックギターやアコーディオン、ピアノの音色には彩りが増し、ウッドベースの低域は一段と彫りの深さが増す。
オーケストラはカラヤン/ベルリンフィルの『ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」』を試聴。大編成のオーケストラは特に4極グランド分離出力による効果がわかりやすい。セパレーションが高まることで楽器の定位が鮮明になり、楽器の音色がより色濃く浮かび上がる。弦楽器は余韻の階調に自然な滑らかさが加わり、しなやかさと艶っぽさが加わる。高域の情報量も増えて、特に自然に伸びる金管楽器の響きが気持ち良い。歪みのない透明な低域が緊張感をさらに引き立てる。ピアニッシモの音色も再現性が一段と高まるようだ。
ジャズギターは小沼ようすけの『GNJ』から「Super Moon」を聴いた。4極ケーブルに変えると、ベースラインの付帯音が消えて、奥行方向の見晴らしが抜群に良くなる。ギターのカッティングは粒が揃い、ビビッドな躍動感に溢れる。パーカッションも輪郭の精細度がグンと増して、演奏の空間に引き込まれるような感覚をおぼえてしまった。
「HA-2」に搭載されているベースブースト機能も試してみた。感触としては低域の質感やバランスに手を加える機能というより、解像感を高めて音像をよりしゃきっと鮮明にする機能と捉えた方が近いかもしれない。中低域の音のつながりが一段とスムーズになる。アウトドアリスニングでは積極的に使ってもいいと思う。
ちなみにAstell&Kernの「AK240」や「AK120」用に、これらモデルが採用している2.5mm端子のバランス交換ケーブルをお持ちの方もいらっしゃることだろう。これらケーブルを使ってHA-2で4極グランド分離出力を楽しむために、4極対応の2.5mm to 3.5mm変換コネクターを用いるという方法もある。
ヘッドホン PM-3は、4極ステレオミニ端子を採用したケーブルを用いてHA-2と組み合わせれば、「4極グランド分離出力」に対応する。PM-3に付属してくる交換ケーブルは3極タイプのものだが、今回はOPPOの製品を取り扱うOPPO Digital Japanに協力をいただき、PH-3用の4極グランド分離ケーブルの試作品をお借りして、特別に4極グランド分離によるサウンドを試聴できる機会を得た。
リスニングは3極端子と4極端子のケーブルを、楽曲ごと交互にリケーブルしながら聴いて効果を試した。HA-2は2段階のゲイン切り替え機能を搭載しているが、今回PM-3との組み合わせでは「Low」で良好なリスニング感が得られたため、こちらに設定して聴いた。
Jane Monheitのアルバム『The Heart of The Matter』から「Depende De Nos」はボーカルとアコースティック楽器のバンドによるセッション。3極ケーブルで聴いてもアコースティック楽器のふくよかな響きとクリアな低域、ボーカルのナチュラルな質感の再現力に驚いた。しかし4極仕様のケーブルに変更すると、同じヘッドホンで聴いていることがにわかに信じ難くなるほど、ベールを何枚も脱いだように演奏の立体感が迫ってくる。奥行き方向だけでなく縦横方向の音場が一気に広がり、パーカッションの音は粒立ちに磨きがかかる。ボーカルは口元の解像感が上がり、声のビブラートや息づかいの表情がより生々しくイメージされる。アコースティックギターやアコーディオン、ピアノの音色には彩りが増し、ウッドベースの低域は一段と彫りの深さが増す。
オーケストラはカラヤン/ベルリンフィルの『ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」』を試聴。大編成のオーケストラは特に4極グランド分離出力による効果がわかりやすい。セパレーションが高まることで楽器の定位が鮮明になり、楽器の音色がより色濃く浮かび上がる。弦楽器は余韻の階調に自然な滑らかさが加わり、しなやかさと艶っぽさが加わる。高域の情報量も増えて、特に自然に伸びる金管楽器の響きが気持ち良い。歪みのない透明な低域が緊張感をさらに引き立てる。ピアニッシモの音色も再現性が一段と高まるようだ。
ジャズギターは小沼ようすけの『GNJ』から「Super Moon」を聴いた。4極ケーブルに変えると、ベースラインの付帯音が消えて、奥行方向の見晴らしが抜群に良くなる。ギターのカッティングは粒が揃い、ビビッドな躍動感に溢れる。パーカッションも輪郭の精細度がグンと増して、演奏の空間に引き込まれるような感覚をおぼえてしまった。
「HA-2」に搭載されているベースブースト機能も試してみた。感触としては低域の質感やバランスに手を加える機能というより、解像感を高めて音像をよりしゃきっと鮮明にする機能と捉えた方が近いかもしれない。中低域の音のつながりが一段とスムーズになる。アウトドアリスニングでは積極的に使ってもいいと思う。
ちなみにAstell&Kernの「AK240」や「AK120」用に、これらモデルが採用している2.5mm端子のバランス交換ケーブルをお持ちの方もいらっしゃることだろう。これらケーブルを使ってHA-2で4極グランド分離出力を楽しむために、4極対応の2.5mm to 3.5mm変換コネクターを用いるという方法もある。