5月病も梅雨も吹き飛ばせ!
ゼンハイザーのヘッドホン/イヤホン、通勤・通学にマッチする3モデルをレビュー
■低域の量感の豊かさ、空間性の広さを実感「MOMENTUM On-Ear」
最後は今回唯一のヘッドホンスタイルであるMOMENTUM On-Earだ。MOMENTUMの耳のせ型コンパクトモデルとして誕生した経緯もあり、アイコンとなるようなハウジング周りやヘッドバンドのデザイン性はそのまま継承されている。
そしてMOMENTUMと異なるのはカラフルなカラーリングを揃えたラインナップの豊かさにあるだろう。この色の豊富さと、レトロなフォルムを残しつつ小型化したことで女性に対してもアピール度の高い“かわいらしさ”を身につけた、ゼンハイザーの新境地ともいえるモデルだ。
ヘッドバンド周りを含め、細部にわたって妥協のないデザインのまとまりの良さ、素材感の高さも本機の魅力の一つであり、そのなかでも極めつけのものが肌触りの良いアルカンタラ製イヤーパッドだ。
着脱式ケーブルは標準のストレートコードとiOS端末用リモコン付きコードの2種類が付属。
これまで紹介してきた2モデルと比べるとヘッドホンということもあり、低域の量感の豊かさ、空間性の広さを実感できる。MOMENTUMに比べるとやや音場もコンパクトで音像もよりソリッドな印象を持つが、適度な締まりの良さ、高域のクリアな輝き感がより際立ち、鮮明さは増す。
クラシックにおける管弦楽器は細やかなタッチで爽やかに空間へ浮き上がる。ローエンドも深く響き、明瞭さと量感のバランスは程よく取れているようだ。ティンパニの打感は皮のハリの良さと胴鳴りの腰高な響きをすっきりと表現。全体的に解像感の高いオーケストラとなっている。
ジャズにおいてはブライトで軽快なタッチのピアノと弾力良くむっちりとした響きを持つウッドベースが対比良く並び、程よい厚みを持つドラムセットの安定感、ブラシのヌケの良さによって耳当たり良いサウンドとなった。こちらも高域にかけての倍音表現に特徴があり、ヌケ良く煌びやかなサウンド再生を得意とするようだ。
中低域はゼンハイザーならではの密度の高さと腰の太さを持っており、音像の厚みも適度に持たせ、存在感のある描写としてくれる。リッチかつ華やかな傾向であり、ポップスやロックとの組み合わせでは鮮やかですっきりとした表現を楽しめるだろう。
TOTOの「I Will Remember」ではどしんと響くキックドラムのリッチさ、輪郭のフォーカスはあるが、ふわっと余韻が広がるベースの存在感によってリズムの土台をしっかりとキープ(今は亡きマイク・ポーカロの演奏だ)。ギターやピアノのブライトな際立ちと、スティーブ・ルカサーの甘いハイトーンボーカルが伸び良く艶やかに描かれる。
一方、打ち込みメインの女性ボーカル曲としてKOTOKO「→unfinished→」も聴いてみたが、ドライで太さのあるキック&ベースの豊かさに対し、シャープでキレ良いボーカルの口元が鮮やかにセンターへ定位。ただし細身な描写ではなく、ボディの厚みも伴っていて耳に刺さる際立ち感ではない。粒立ち細やかなシンセも爽やかに浮き立ち、心地よいサウンドである。
◇
ここまで各々のモデルの特徴について述べてきたが、いずれも新生活を鮮やかに彩ってくれるサウンドを持つハイC/P機ばかりだ。この3モデルは基本的なサウンド傾向は揃っているので、予算や好みの装着スタイル、カラーリングで選んでも問題なく、サウンドのクオリティで大きく見劣りするようなことはないだろう。ぜひゼンハイザーの新ラインナップを手にしていただき、うっとおしい季節を乗り越えていただきたい。
最後は今回唯一のヘッドホンスタイルであるMOMENTUM On-Earだ。MOMENTUMの耳のせ型コンパクトモデルとして誕生した経緯もあり、アイコンとなるようなハウジング周りやヘッドバンドのデザイン性はそのまま継承されている。
そしてMOMENTUMと異なるのはカラフルなカラーリングを揃えたラインナップの豊かさにあるだろう。この色の豊富さと、レトロなフォルムを残しつつ小型化したことで女性に対してもアピール度の高い“かわいらしさ”を身につけた、ゼンハイザーの新境地ともいえるモデルだ。
ヘッドバンド周りを含め、細部にわたって妥協のないデザインのまとまりの良さ、素材感の高さも本機の魅力の一つであり、そのなかでも極めつけのものが肌触りの良いアルカンタラ製イヤーパッドだ。
着脱式ケーブルは標準のストレートコードとiOS端末用リモコン付きコードの2種類が付属。
これまで紹介してきた2モデルと比べるとヘッドホンということもあり、低域の量感の豊かさ、空間性の広さを実感できる。MOMENTUMに比べるとやや音場もコンパクトで音像もよりソリッドな印象を持つが、適度な締まりの良さ、高域のクリアな輝き感がより際立ち、鮮明さは増す。
クラシックにおける管弦楽器は細やかなタッチで爽やかに空間へ浮き上がる。ローエンドも深く響き、明瞭さと量感のバランスは程よく取れているようだ。ティンパニの打感は皮のハリの良さと胴鳴りの腰高な響きをすっきりと表現。全体的に解像感の高いオーケストラとなっている。
ジャズにおいてはブライトで軽快なタッチのピアノと弾力良くむっちりとした響きを持つウッドベースが対比良く並び、程よい厚みを持つドラムセットの安定感、ブラシのヌケの良さによって耳当たり良いサウンドとなった。こちらも高域にかけての倍音表現に特徴があり、ヌケ良く煌びやかなサウンド再生を得意とするようだ。
中低域はゼンハイザーならではの密度の高さと腰の太さを持っており、音像の厚みも適度に持たせ、存在感のある描写としてくれる。リッチかつ華やかな傾向であり、ポップスやロックとの組み合わせでは鮮やかですっきりとした表現を楽しめるだろう。
TOTOの「I Will Remember」ではどしんと響くキックドラムのリッチさ、輪郭のフォーカスはあるが、ふわっと余韻が広がるベースの存在感によってリズムの土台をしっかりとキープ(今は亡きマイク・ポーカロの演奏だ)。ギターやピアノのブライトな際立ちと、スティーブ・ルカサーの甘いハイトーンボーカルが伸び良く艶やかに描かれる。
一方、打ち込みメインの女性ボーカル曲としてKOTOKO「→unfinished→」も聴いてみたが、ドライで太さのあるキック&ベースの豊かさに対し、シャープでキレ良いボーカルの口元が鮮やかにセンターへ定位。ただし細身な描写ではなく、ボディの厚みも伴っていて耳に刺さる際立ち感ではない。粒立ち細やかなシンセも爽やかに浮き立ち、心地よいサウンドである。
ここまで各々のモデルの特徴について述べてきたが、いずれも新生活を鮮やかに彩ってくれるサウンドを持つハイC/P機ばかりだ。この3モデルは基本的なサウンド傾向は揃っているので、予算や好みの装着スタイル、カラーリングで選んでも問題なく、サウンドのクオリティで大きく見劣りするようなことはないだろう。ぜひゼンハイザーの新ラインナップを手にしていただき、うっとおしい季節を乗り越えていただきたい。