海上忍のラズパイ・オーディオ通信(42)
最新ラズパイ「Raspberry Pi 3 Model B+」はココが違う!従来モデルからの進化点を検証
ラズパイ3+の寸法や端子位置はラズパイ3と寸分違わず、既存モデル用に設計されたケースをそのまま利用できる。筆者プロデュースの「CASE 01」に装着してみたが、側面のHDMI端子やUSB micro-B端子、背面のUSBポートやEthernetポートまで、ケースの孔の位置と完全に一致した。
問題は、Power over Ethernet(PoE)用に増設された4pinのピンヘッダ。高さはGPIOと同じだが、中心寄りに配置されており、拡張ボードによっては裏側に実装されたパーツと物理的に干渉する可能性がある。
筆者プロデュースの「DAC 01」に関しては問題なかったものの、今度は銅シールド(電磁ノイズ対策を主目的としたCASE 01の付属品)を装着できないという悩ましい事態が判明してしまい、PoEのピンヘッダを切断するかどうかという決断を迫られている。スペーサーの高さを調整するにしても、拡張ボード裏面と銅シールドの空間を狭めることは難しく、かといって銅シールドとピンヘッダが干渉する部分に孔を開けるのは加工が困難だ。
ところで3月20日現在、ラズパイ3+は技適をクリアしていない。国/地域を設定するまでワイヤレス機能は無効化される仕様だが、電波法第4条には「無線局を開設しようとする者は、総務大臣の免許を受けなければならない」とあり、ワイヤレスモジュールを基板から除去するなど抜本的な対策を講じないかぎりは、Wi-Fi/Bluetoothが利用できない状態であっても“無線局の開設”とみなされる可能性がある。
残念ながら、現時点ではスペックに関する情報と、新設のPoEヘッダピンが拡張カードに干渉する/しないといった物理的な情報しか語ることはできないが、おそらく数ヶ月もすれば技適を通過するはず。ソフトウェアおよび音質の評価はそれからの話とならざるをえないため、続報をお待ちいただきたい。