[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域:第223回
弱点皆無の新ケーブルって!? 平成最後の「ポタ研 2019冬」、高橋敦の “超個人的ベスト5”
【第1位】DITAの新ケーブル「OSLO」は弱点皆無か!?
DITAブースの主役はイヤホンの限定モデル「PROJECT 71」だったが、そちらにも付属するケーブルの単品バージョンとなるリケーブル新製品「OSLO」にもぜひ大注目を!
まずプラグはもちろん、同社オリジナル「AWESOMEプラグ」システムを採用。端子部分が交換可能となっており、3.5mmシングルエンド、2.5mmバランス、さらに今回は4.4mmバランスの端子も標準同梱される。
イヤホン側との接続端子への対応も、以下4バージョンの用意で万全だ。
・OSLO-CABLE-MMCX
・OSLO-CABLE-2PIN
・OSLO-CABLE-FITEAR
・OSLO-CABLE-TWINS(同社「TWINS」シリーズ用)
ケーブル部分は、導体に長結晶無酸素銅「PC-Triple C」を採用、外被膜には柔らかめのポリエチレンを採用。耳周りは針金タイプではなく、柔らかめの樹脂で型を作ってるタイプ。取り回し使い勝手の良さはDITA史上最高ではないだろうか?
そしてその導体は、スクワランオイルにシルバーとゴールドのナノ粒子をブレンドしたオイルでコーティング。線材表面の微細な凹凸を滑らかにすることで、伝導性を整えたという。
またメーカーはその点を特にアピールしていないが、スクワランオイルは電気的な特性だけではなく物的な特性にも優れたものだ。例えばその潤滑性は、縒り合わされた導体にかかる負荷を減らすことにも役立っているかもしれないし、酸化しにくい特性から長期的な品質維持も期待できるかもしれない。
というか、僕がここしばらく個人的にギターの接触部の潤滑や指板の保湿などメンテナンスにスクワランオイルを試してみており、いわゆるマイブームなので推しているだけだったりするのだが……
マイブームはさておくとしても、絶対的に便利なAWESOMEプラグシステムを採用した上に使い勝手も良さげということで、手元にあれば損はしないケーブルであることは間違いない。価格も発売時期も未定とのことだが、正式登場の際には改めてしっかり試してみたいと思う。
【定点観測】Music With 規格外でカセットテープを眺める
では最後にいつもの!
今回は、何となくだが、カセットテープが特に目に留まった。
昨今はアナログ盤に続いてカセットテープもまあまあブームらしいが、しかしそれを十分に楽しめる製品が提供されてきているか?というと、そこは正直残念な状況。プレイヤーの現行製品はモノラル再生にしか対応していないラジカセ型やポータブルが大半だし、カセットMTRの現行製品もたぶん存在しない。
そして何より、ハイポジやメタルのテープは一般には入手困難となっている。アナログレコードとカセットテープの最大の違いは、前者は再生メディアであり、後者は録音再生メディアであるというところではないだろうか。であればカセットテープの楽しさを真に蘇らせるためには良質なレコーダー、そして録音テープの供給が必須だ。
うん、それは望み薄、超薄だな……
となると今、そして今後にアナログ録音を楽しむためにはまだテープの供給は存続されているオープンリールに行くしかない。アナログ録音はアナログ再生よりもずっとずっとハードルの高い趣味であるなあと再認識したのであった。
高橋敦 TAKAHASHI,Atsushi 趣味も仕事も文章作成。仕事としての文章作成はオーディオ関連が主。他の趣味は読書、音楽鑑賞、アニメ鑑賞、映画鑑賞、エレクトリック・ギターの演奏と整備、猫の溺愛など。趣味を仕事に生かし仕事を趣味に生かして日々活動中。 |
[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域 バックナンバーはこちら