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まさに“一生モノ”のBluetoothスピーカー。Fender「INDIO」は佇まいからして別格、音を聴いて納得
電源スイッチを入れると赤色のジュエルランプが点灯して、「ギャーン」というギターサウンドが電源投入を知らせてくれる。電源を入れるだけで気持ちが高まるなんて、数多くのBluetoothスピーカーをレビューしてきた身からしても初めての経験だ。
■低域の再現力と透明感の高さ。音質こそがINDIOの特長だ
今回は「iPhone X」とAstell&KernのDAP「A&futura SE100」という2つの端末を用い、Bluetooth接続で試聴した。
ペアリングの状態は、本体LEDの点滅状態で確認できる。“PAIR”ボタンを1回押すと、LEDの点滅のパターンが変わり、端末のBluetooth接続候補画面に“Fender Indio”と表示されるので、そのまま選択すればよい。iPhone X、SE100ともにペアリング作業はスムーズで、完了すると改めてギターサウンドが鳴るのが嬉しい。
まずはiPhone Xからロスレスの音楽ストリーミングサービスを用いて、第61回グラミー賞 最優秀ロック・アルバムを受賞した、グレタ・ヴァン・フリート『From The Fires』を再生してみた。1曲目「サファリ・ソング」の音が出てすぐに、本スピーカー最大のアドバンテージが音質であることがわかった。
音に透明感があり、グイグイと前に飛び出してくる。「現代のレッド・ツェッペリン」とも評されるグレタ・ヴァン・フリートの音作りを、INDIOは卓越したグルーブ感で表現する。ジョシュ・キスカのボーカルはリアルで、ビートの効いたジェイク・キスカのギターも素晴らしい。
次にA&futura SE100とaptXで接続。こちらもグラミー賞で最優秀新人賞を受賞したデュア・リパのアルバム『Dua Lipa』を再生した。本楽曲はEDM調の音作りで、エレクトリックベースの低域が迫力満点、だけどその再生が難しい。しかし、INDIOはこの低域を見事に、キレ良く再生してくれた。
本モデルはエンクロージャーに同社のギターアンプと同じMDF材を使用している。先述した本体の重さはそれが理由で、期待した通り、低域の再現性の高さという形で音に効いている。
ロックとEDMをここまでグルービーに鳴らしてくれたことに嬉しくなり、続いて筆者が大好きな古いハードバップJazzを再生することにした。
余談だが、実はこのタイミングでSE100のバッテリーがなくなってしまった。しかしINDIOは、大きめのバッテリー容量を活かしたUSB機器の充電機能を持っている。この便利な機能を使わない手は無いということで、ここからはINDIO からSE100に給電しながら再生している。小さなことだが、外に持ち出す時などにはうってつけだろう。