PR 「手軽さと音質を見事に両立する一台」
ビクター「EX-DM10」レビュー。伝統の“ウッドコーン”搭載機はインテリアにも馴染む「紛れもない本物」だ
■伝統のウッドコーンとコンパクトな一体型システムで高音質と手軽さを両立
オーディオは、1,000万円を超えるような高価な機器も当たり前の世界だ。僕自身、イベントでこうしたハイエンドオーディオを紹介することも増えているし、そこには大きな魅力と可能性があると感じているが、一方で、手軽に良い音の世界に触れられるチャンスを提供することも大切だと思っている。
とはいえ、「手軽さ」を優先するあまりに「音質」に妥協はしたくないから、その二つを両立することが課題になる。そこで注目したいのが、日本の総合オーディオビジュアルブランドのビクターから登場したコンパクトコンポーネントシステム「EX-DM10」だ。
本製品は独自の “ウッドコーンスピーカー” を搭載した一体型システム。横幅約34cmでフラット&ローデザインを採用しており、同社のウッドコーン採用一体型オーディオの中では最もコンパクトだ「手軽さ」という観点から見て、コンパクトな筐体は大きなアドバンテージとなる。では「音質」についてはどうか?ここでポイントとなるのが、ビクターならではのウッドコーンスピーカーの搭載だ。
ビクターでは、色彩と美しさのある楽器の多くが木を使用していることに注目して、1970年代からウッドコーンスピーカーの基礎研究を開始した。幾度となく失敗を繰り返したものの、成形方法および経年変化対策を追求し、音楽の録音や編集をするプロフェッショナル集団のビクタースタジオと共同で音質チューニングを行い、2003年にウッドコーンスピーカー搭載コンポの初代モデル「EX-A1」を誕生させた。
ウッド素材による振動板は音の伝達速度が速く、余分な振動も吸収し、適度な音の色艶を付加するという独自のアドバンテージがあった。また、ウッド素材の持つ木目は視覚的にかなり美しく、市場にある類似のオーディオ製品の中でも魅力を放っている。これらの理由により、ウッドコーン搭載コンポはビクターのヒット製品となった。
現在のラインナップは、スピーカー別体の比較的本格的なオーディオシステム「EX-HR10000」、そして手軽に設置が可能な一体型モデル「EX-D7」「EX-D6」。少し趣向の異なったところで、声優の声を楽しむことにフォーカスした「EX-DUB1」もある。そして、そこに新しく加わったのが、今回取り上げる 「EX-DM10」だ。本製品は6cmフルレンジ「ウッドコーンスピーカー」を搭載した一体型モデルである。
■美しいデザイン。様々な場所に置きやすいコンパクトさも魅力
早速自宅に届いた試聴機をレビューしよう。
次ページ想像以上に本格的な音質。ダブつかない低域と音楽が楽しく聞ける明るい音色