液晶タッチパネル技術の説明会を開催
シャープ、タッチパネル液晶を進化させる新コンセプト「フリードローイング技術」
シャープでは、独自技術によってこの問題をクリア。インセルであっても高感度にタッチ操作を検知する技術を開発したことによって、4K対応スマートフォンなど高精細なタッチパネルや、ノートPC向けなど一般的なインセル技術よりも大型のパネルを生産できるできる点をアピールした。
FFDでは自動車のコンパネのような形状と円形のものとの2種類を展示。それぞれに適したUIを搭載させることで、例えばコンパネ型では側部などエッジの特定の部分を触ると画面を切り替えるなど、自由な形状であればブラインド(手探り)でも操作できるといった利点があると紹介する。
また、超狭額縁スマートフォンの額縁部にタッチパネルを搭載して操作感を向上させた「スマートフォン向けフレームレスUI」などを披露。エッジ部でタッチ操作が行えることで片手での操作を行いやすいと説明した。
さらに、NFCのカードリーダー機能を搭載した16型のディスプレイも展示。各種案内を表示するディスプレイに直接カードをタッチして決済などを行えるようにすることで、表示と入力が一体化した直感的なUIを提供するとした。なお、本機能はフィギュアやカードを画面上に置いて操作するゲーム機などにも応用可能だという。
■2016年までにフリードローイングを実用化
同社代表取締役 専務執行役員 デバイスビジネスグループ担当の方志教和(ほうしのりかず)氏は、「ディスプレイの高精細化は、スマートフォンが牽引して人間の知覚神経に近いレベルにまで向上してきており、それを中型・大型が追っている状況だ」とコメント。中小型においては、高精細化とは異なる軸での考え方が必要になっていると、フリードローイング技術を発想するに至った背景を述べる。
そして、フリードローイング技術について「静電容量方式によるものを、2016年までにスマートフォンから電子黒板まであらゆるサイズで実用化したい」とコメント。「フリードローイングは小中大あらゆるサイズ、また、LTPS、IGZO、アモルファスシリコンすべてのディスプレイに適応する技術だ。現在、コネクティビティという言葉があるが、フリードローイングによって機器間の親和性が向上するなど、コネクティビティの進化に貢献できると考えている」と言葉を続けた。