【特別企画】低反射と高コントラストを両立
「モスアイパネル」の実力とは? 山之内正がAQUOS「XL9」の画質を検証
■AQUOS XL9シリーズのプロフィール
XL9シリーズは46V型から80V型まで計5機種で構成されるが、今回はちょうど真ん中のサイズに相当するLC-60XL9を視聴した。60V型は大画面ならではのスケール感と設置性を同時に追求できるため、大画面テレビのなかでは比較的導入しやすいサイズと言えるだろう。
XL9シリーズは地上デジタルチューナー3基+BS/110度CSチューナー2基を積み、USB-HDD録画とAQUOSブルーレイへのダビングに対応するなど、フラグシップにふさわしい装備と機能を誇る。
モスアイ技術に加え、4原色表示のクアトロンパネルを積み、微細なサブピクセル構造を生かして精細度の高い再現を実現していることも見逃せない。エッジ型のLEDバックライトは基本構造の見直しによって効率を10%改善したほか、特に周辺部における明るさの均一性(ユニフォーミティ)を改良することにも成功したという。いずれもモスアイの高コントラスト性能を引き出すうえで重要なリファインとみなすことができる。
画面サイズの割に圧迫感を感じないのは、ボディ全体をスリムに仕上げていることに加え、アルミ素材でフレームを構成していることに理由がある。また、水平ラインはシルバー、垂直のベゼルはブラックと仕上げを使い分けることによって引き締まった印象を引き出していることにも注目したい。
高さを抑えているので気付きにくいが、スピーカーはパネル本体とは独立した筐体にミッドレンジとトゥイーターの各ユニットを左右独立で内蔵し、フロント側にダイレクトに音を放射する構造を採用している。
さらに、薄型のキャビネットに収めたサブウーファーを背面中央部に配置しているため、前面からは明瞭な中高域を再生し、背面のスペースを利用して低音の量感を引き出すことが可能だ。明瞭度と低音の量感の両立には、倍音合成技術を活用したヤマハ製音声処理エンジンも大きく貢献しているという。