巧みなパッケージング、価格以上の満足度
販売中止相次ぐファーウェイ新スマホ、購入して使ってみた
だが、この過度な補正を好ましく思う方もいるだろう。逆にいうと、好ましく思う方向けのチューニングのはずだ。特にSNSなどで「ぱっと見キレイ」であることを重視しているのであれば、この程度の調整をあらかじめしてくれた方が楽に感じるのではないか。
もちろん、自動調整がピタッとハマる場合もある。日陰の逆光下でも、人物の顔が明るく表現されるのは驚いた。手持ちのiPhone Xでは暗く潰れてしまう場面だ。肉眼の印象とは異なるのだが、こういう補正は嬉しい。
また、本機のウリの一つである広角レンズも、使い方次第では面白そうだ。特に狭い距離で大勢の人数を一枚に収めたいときなどに活躍しそうだ。タル上の歪みは、撮影後に自動的に補正してくれる。
■iPhoneとつい比べたくなる完成度
一番気に入ったのは、そのデザインだ。今回購入した本体色は「ピーコックブルー」。背面はブルーのグラデーションが、見る角度によってその表情を変える。とても美しい。高い塗装技術でプラスチッキーさをうまく隠しており、クラスを超えた高級感を演出することに成功している。
色々とテストしながら、「iPhone Xならここがもうちょっとスムーズなのに」「画面もiPhone Xの方が遙かに綺麗だな」など、どうしてもふだん使っている機器と比べてしまい、不満を覚えることが多かった。だがそれは裏返すと、比べられる程度のレベルに達しているということでもある。
冒頭で書いた通り、本機のトータルパッケージは非常に優れており、この価格帯で、ここまで機能・性能を高い次元でまとめ上げたモデルは少ない。
それだけに今後、このモデルに対するAndroid OS 最新バージョンの提供、セキュリティアップデートがしっかり行われるかが気になるところだ。
P30 liteのAndroidはバージョン9、同社独自のUI「EMUI」はバージョン9.0.1。今後、Androidの新バージョンが登場したとき、メジャーアップデートされる可能性は今のところ低い。
セキュリティアップデートについては、ファーウェイが「日本で今回発表したスマートフォン、タブレットにおいて、その使用、今後のセキュリティアップデート、アフターサービスなどが影響を受けることはありません」とコメントしている。これを信じる限り、OSアップデートはさておき、セキュリティアップデートや保証については問題ないということになる。
ファーウェイにこのあと何が起きるか、正確に予測できる人はいないはず。米中のトップ同士で、急に手打ちが行われる可能性すらある。それだけにモヤモヤする部分はあるが、新製品が高い完成度に仕上がっていることは確かだ。