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進化した“最強パフォーマンス”をチェック

第5世代「iPad Pro」深掘りレビュー。ミニLEDの搭載は成功か?

公開日 2021/06/01 06:40 山本 敦
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アップルが5月21日に発売した第5世代の12.9インチiPad Pro。世代を重ねるごとにアップデートされてきた本シリーズだが、今回はミニLEDバックライトシステムを搭載する「Liquid Retina XDRディスプレイ」、アップル独自設計の「M1チップ」、高速・大容量ストレージや5G対応など最新モデルの見どころにスポットをあててレビューしたい。

初めてミニLEDバックライトシステムを搭載した、第5世代の12.9インチiPad Proをレビューする

12.9インチiPad ProがミニLEDバックライトシステムを搭載

アップルが今期発売したiPad Proも、12.9インチと11インチの2モデル展開。カラーバリエーションはシルバーとスペースグレイの2色。それぞれに5G通信に対応するCellular+Wi-Fiモデルと、Wi-Fi単体のモデルがある。Wi-Fi通信は最新高速規格のWi-Fi 6対応になった。モバイル通信を利用する場合に物理SIMとeSIMが使える仕様は、2020年モデルのiPad Proと一緒だ。

本体のフロント側いっぱいにディスプレイが広がるオールスクリーンデザインも前世代のモデルから受け継ぐ。

注目したいポイントは画面の大きな12.9インチiPad Proの方にだけ、新開発のミニLEDバックライトシステムを搭載するLiquid Retina XDRディスプレイが採用されたことだ。11インチのiPad ProはLiquid Retinaディスプレイとなる。最初にこのLiquid Retina XDRディスプレイの実力から確かめていこう。

明るく色鮮やかなLiquid Retina XDRディスプレイ。オールスクリーンデザインを踏襲する

背面にはデュアルレンズカメラとLiDARスキャナを搭載

最大輝度1,600ニット。HDRネイティブ表示に対応

ミニLEDはリビングシアター用の大画面テレビやPC用モニターにも少しずつ採用が広がる液晶ディスプレイの技術だ。バックライトモジュールを分割してエリアごとに輝度をコントロールするローカルディミングの精度を、極小サイズのLEDバックライトシステムを使うことでさらに高めて、画質の向上とともにデバイス全体で消費する電力の効率化を図る。

アップルが公開したLiquid Retina XDRディスプレイの仕様をおさらいしよう。カスタム設計された1万個以上のミニLEDを均一に配置したバックライトシステムは2,596のゾーンに分割され、独自のアルゴリズムによるローカルディミングで画質を制御する。

パネルの解像度と画素密度は2020年発売の第4世代のモデルから変えていないが、iPadとして初めてHDR映像コンテンツのネイティブ表示に対応したことが大きく効いている。

画面の明るさはSDR映像コンテンツを表示した場合、第4世代のモデルと同じ最大600ニットになる。HDRコンテンツを表示するとさらに1,000ニットから、最大1,600ニットまで再現できる輝度の幅が伸びる。コントラスト比は100万対1とした。

iPhone 12シリーズで撮影した写真も高精細に表示できる

第4世代の12.9インチiPad Proと映像を比較した

アップルは新しいiPad Proのディスプレイについて詳細を解説したページの中で、IPS液晶パネルと高輝度バックライトシステム、カスタム光学フィルムなどにより、明暗比の大きな映像の輪郭部分に光のにじみが表れる「ブルーミング効果」または「ハロー現象」とも呼ばれるノイズが表れないように細かく調整を行ったとしている。

高い処理性能を誇るM1チップと独自のアルゴリズムにより、ディスプレイのミニLED層とLCDパネルの層を個別にピクセル単位で制御しながら素速く調光ゾーンの移動を繰り返し、被写体の輪郭ぼけを抑えているという。

第5・第4世代の12.9インチiPad Proを並べて、iMovieアプリで作成した黒背景の画面にホワイトのテロップが左右に流れる動画をそれぞれの画面に表示して見比べた。確かに明るいテロップの文字周辺に光彩が広がるものの、肉眼視ではさほど気になるものではないと筆者は感じた。

iMovieで黒バックに白字のテロップを入れた即席動画。画面輝度を最大にしてから暗い室内で再生してみた。カメラの設定は固定しているが、腕前にも寄るところが大きいためあくまで参考までのイメージとして紹介したいと思う

むしろ、新しいiPad ProがついにHDR映像のネイティブ表示の壁を打ち破ったことにより得られる高画質化のメリットの方が大きい、と実感できるものがある。

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