<山本敦のAV進化論 第86回>
Xperiaに新シリーズ「X」登場。企画者・開発者に聞く「Xperia 第3章」のすべて
「これからもXperiaの先進性が薄まることはないし、そのような戦略は立てていません。ただ、まず最初にスマホの“本質”に立ち返って、いろいろな機能を整理したいという思いから、新しいXシリーズの企画・開発はスタートしました。
機能を追い込んでいく過程では、いまのユーザーの期待に目を向けて、多くの声に耳を傾けてきました。その中で、100人の方々の中から1人だけがうれしいというフィーチャーについては、Xシリーズの始まりとしてはふさわしくないと判断したことも事実です。
でも例えば“スマホでもいい音で音楽を聴きたい”という声は非常に多くのユーザーから得ているので、XシリーズにもZシリーズで培ってきたハイレゾ再生やLDAC、デジタルノイズキャンセリング、バイノーラル録音などの機能がしっかりと受け継がれています」(伊藤氏)
一方でZシリーズを継承するカッティングエッジなXperiaが出てくるかどうかについては「今後の展開次第」であるという。伊藤氏はまた「インテリジェンスを極めていくことが、これまでの違うフィールドでのカッティングエッジを切り開いていくことにもなる」と答えている。
その方向での進化にも確かに期待したいところだが、一方では直近で初の4Kディスプレイを搭載したスマホも発表したZシリーズのマニアックな思想がここで途絶えることなく、ぜひ次につなげてほしいと願う。
新しいチャプターの幕開けに向けた、伊藤氏らソニーモバイルの開発スタッフの強い意気込みは、Xperiaの頭文字である「X」を新シリーズの名前に付けたところにも表れている。
そのXシリーズに搭載されている新機能やデザインへのこだわりについては、商品企画を担当したソニーモバイルコミュニケーションズの染谷洋祐氏、進化したカメラ機能の開発を担当した高野浩司氏、ならびにプロダクトデザインを担当したソニーの石井大輔氏にインタビューした。
■誰もが一番心地よいサイズ感を追求
改めて新しいシリーズネームの「X」に込められた意味を商品企画担当の染谷氏に訊ねた。「今回はシリーズの新たなスタートということで、ユーザーと様々な体験がクロスする場所という意味でアルファベットのXを選んでいます。“XperiaのX”を正面に出すことによるコミットメントを表しています」(染谷氏)
次ページh.earシリーズに共通する「ユニファイドデザイン」