<山本敦のAV進化論 第86回>
Xperiaに新シリーズ「X」登場。企画者・開発者に聞く「Xperia 第3章」のすべて
ラインナップはフラグシップの「Xperia X」を中核に、最上位機であり、日本でも発売を予定する「Xperia X Performance」と、シリーズの中ではエントリーになる「Xperia XA」の3機種だ。
5インチのディスプレイサイズは共通で、上位2機種がフルHDになる。CPUは最上位の「X Performance」がクアルコム最新のハイエンド向けSoCである「Snapdragon 820」シリーズを搭載している。最新のCPUを積んだことで、VOD動画のストリーミング再生の安定感がより一層高まることにも期待したい。OSは3機種ともにAndroid 6.0だ。
最上位の「X Performance」以外は本体が防水仕様ではなくなっている。昨年のMWC 2015で発表され、ヨーロッパでも発売された“スーパーミッドレンジ”の「Xperia M4 aqua」でハイライトされていた防水仕様が、次の“スーパーミッドレンジ”である「XA」に引き継がれなかったのはなぜだろうか。
染谷氏によると「本体防水は特にアジア圏、日本でのニーズが高い機能なので、日本での展開が決まっているX Performanceにのみ乗せている」のだという。反対に欧州ではスマホが防水であることの価値が、メーカーがアピールするほどには求められていないということなのかもしれない。
Zシリーズの中核モデルに継承されてきた5.2インチという画面サイズが、今回のXシリーズでは5.0インチにより小型化されている。イベント会場に展示された実機をハンドリングしてみると、画面が小さくなったことの効果もさることながら、全体に丸みを持たせたデザインが、手に持ったときにしっくりと馴染む。一般的な5インチのスマホよりもさらに片手持ちで操作がしやすいと感じた。
その背景にはユーザーのニーズを丁寧にすくい上げてきたリサーチの成果が生きていると染谷氏は語っている。
「数ミリ単位でサイズを刻んだモックアップを作成して、様々な国の方々を集めて調査をしてきました。その結果、最も多くの方々に持ちやすいと評価いただいたのが、薄さを含めたこのサイズだったので、その寸法に収まるディスプレイが5インチになりました。私たちも欧米の方々はもう少し大きいサイズを好まれるだろうと考えていましたが、意外にも5インチで意見がぴたりと統一されました」(染谷氏)
■オーディオのh.earシリーズに共通する「ユニファイドデザイン」
フロントガラスは2.5Dラウンドエッジ加工として、持ちやすさとデザイン面のバランスも研究し尽くしてきた。ガラスはコーニングの「ゴリラガラス4」を使って耐久性を高めている。