PM-10と同じHypexモジュールを採用
マランツ、プリ部を大幅に強化したスイッチングアンプ採用プリメイン「PM-12」
■「アンプモジュールのダイレクト接続」の意義
説明会では、PM-12の設計を担当した上川太一氏が、上述の「アンプモジュールのダイレクト接続」の実現について詳しく説明した。
上で説明したとおり、Hypexスイッチングアンプ・モジュールの縦配置が筐体サイズの制限上、不可能となったため、PM-12ではアンプの内部構造から改めて検討することになった。この検討は、上川氏をはじめとする設計グループ、サウンドマネージャーの尾形氏、マランツの欧州サウンドチームの3者によって様々なアイデアを出しながら、議論を重ねたのだという。
その中でたどり着いたテーマが、「アンプモジュールのダイレクト接続」だった。アンプモジュールを縦配置できないのであれば、横配置にして、さらにはスピーカー出力基板にダイレクトに接続して音の純度を高めようという考えに至ったのだという。
PM-12では、アンプモジュールはケーブルを介してスピーカー出力基板に接続されていた。基板同士をケーブルで接続することはオーディオ機器としてはごく当たり前のことだが、このケーブルを廃してダイレクトに接続することで、音の純度をさらに高めることを狙った。
結果として、アンプモジュール−スピーカー端子間の接点数はPM-10/PM-14における4点から、PM-12では2点へ低減。アンプモジュール−スピーカー端子間の距離は、PM-10が320mm、PM-14が430mmだったのに対して、PM-10は10mmと大幅な近接化を実現した。
このダイレクト接続を実現するためには、様々なハードルがあったという。ダイレクト接続を行うためには、ケーブルのようなフレキシブルな接続部が存在しないため、接続部において0.1mm精度の部品寸法、組み立て精度が求められる。一方で、コンシューマーモデルとしての量産性も両立しなくてはならない。
これを実現するために、PM-10からの部品流用は一切行わず、該当する構造部品は全て再設計した上で、高精度品が安定供給できる日本製が用いられた。
また、専用の組み立てツールが5種類、本機のためだけに作成された。通常、生産を補助するツールを別途開発するというのは、アンプブロックで1つあるかないかとのこと。アンプモジュール接続のためだけに5種類の補助ツールを作成するというのは異例中の異例なのだという。
これらに、ディーアンドエムの白河オーディオワークスの専門チームによるハイレベルな生産技術を背景に量産性も確立することで、アンプモジュールのダイレクト接続が実現したのだ。
また、スイッチングアンプだからこそ、アンプモジュールのダイレクト接続が実現できたという側面もあるのだという。これは一般的にサイズが大きくなるほど寸法精度を確保するのが難しいためで、モジュールが小型のスイッチングアンプなら、接続のための各部品で高い寸法精度を出すことがより容易だった。
上川氏は「旗艦モデルのPM-10は異なり、コストにも制約があるPM-12において、本機ならではの進化を実現するために、このように様々な検討を行った」と述べた。
■主な仕様
発表会では、PM-12およびSA-12に対して、新たにプレミアム延長保証サービスが設けられることも発表された。内容は、延長補償申請したユーザーに対して、無償修理サービス提供期間を、従来の1年間から3年間に延長するというものだ。
主な仕様は以下の通り。入力端子はアンバランスRCAが5系統、フォノ(MM/MC)1系統に加えて、パワーアンプ直接入力端子を1系統搭載。出力端子は、REC出力を1系統、ヘッドホン(ステレオ標準端子)を1系統搭載する。リモコンも付属する。
定格出力は200W+200W(4Ω、1kHz、T.H.D.:0.1%)/100W+100W(8Ω、1kHz、T.H.D.:0.05%)。全高調波歪率は0.005%(100W、8Ω、1kHz)、周波数特性は5Hz - 50kHz(±3 dB、CD、1W、8Ω)。
消費電力は130W(待機時:0.2W)。外形寸法は440W×123H×453Dmm、質量は15.3kg。
説明会では、PM-12の設計を担当した上川太一氏が、上述の「アンプモジュールのダイレクト接続」の実現について詳しく説明した。
上で説明したとおり、Hypexスイッチングアンプ・モジュールの縦配置が筐体サイズの制限上、不可能となったため、PM-12ではアンプの内部構造から改めて検討することになった。この検討は、上川氏をはじめとする設計グループ、サウンドマネージャーの尾形氏、マランツの欧州サウンドチームの3者によって様々なアイデアを出しながら、議論を重ねたのだという。
その中でたどり着いたテーマが、「アンプモジュールのダイレクト接続」だった。アンプモジュールを縦配置できないのであれば、横配置にして、さらにはスピーカー出力基板にダイレクトに接続して音の純度を高めようという考えに至ったのだという。
PM-12では、アンプモジュールはケーブルを介してスピーカー出力基板に接続されていた。基板同士をケーブルで接続することはオーディオ機器としてはごく当たり前のことだが、このケーブルを廃してダイレクトに接続することで、音の純度をさらに高めることを狙った。
結果として、アンプモジュール−スピーカー端子間の接点数はPM-10/PM-14における4点から、PM-12では2点へ低減。アンプモジュール−スピーカー端子間の距離は、PM-10が320mm、PM-14が430mmだったのに対して、PM-10は10mmと大幅な近接化を実現した。
このダイレクト接続を実現するためには、様々なハードルがあったという。ダイレクト接続を行うためには、ケーブルのようなフレキシブルな接続部が存在しないため、接続部において0.1mm精度の部品寸法、組み立て精度が求められる。一方で、コンシューマーモデルとしての量産性も両立しなくてはならない。
これを実現するために、PM-10からの部品流用は一切行わず、該当する構造部品は全て再設計した上で、高精度品が安定供給できる日本製が用いられた。
また、専用の組み立てツールが5種類、本機のためだけに作成された。通常、生産を補助するツールを別途開発するというのは、アンプブロックで1つあるかないかとのこと。アンプモジュール接続のためだけに5種類の補助ツールを作成するというのは異例中の異例なのだという。
これらに、ディーアンドエムの白河オーディオワークスの専門チームによるハイレベルな生産技術を背景に量産性も確立することで、アンプモジュールのダイレクト接続が実現したのだ。
また、スイッチングアンプだからこそ、アンプモジュールのダイレクト接続が実現できたという側面もあるのだという。これは一般的にサイズが大きくなるほど寸法精度を確保するのが難しいためで、モジュールが小型のスイッチングアンプなら、接続のための各部品で高い寸法精度を出すことがより容易だった。
上川氏は「旗艦モデルのPM-10は異なり、コストにも制約があるPM-12において、本機ならではの進化を実現するために、このように様々な検討を行った」と述べた。
■主な仕様
発表会では、PM-12およびSA-12に対して、新たにプレミアム延長保証サービスが設けられることも発表された。内容は、延長補償申請したユーザーに対して、無償修理サービス提供期間を、従来の1年間から3年間に延長するというものだ。
主な仕様は以下の通り。入力端子はアンバランスRCAが5系統、フォノ(MM/MC)1系統に加えて、パワーアンプ直接入力端子を1系統搭載。出力端子は、REC出力を1系統、ヘッドホン(ステレオ標準端子)を1系統搭載する。リモコンも付属する。
定格出力は200W+200W(4Ω、1kHz、T.H.D.:0.1%)/100W+100W(8Ω、1kHz、T.H.D.:0.05%)。全高調波歪率は0.005%(100W、8Ω、1kHz)、周波数特性は5Hz - 50kHz(±3 dB、CD、1W、8Ω)。
消費電力は130W(待機時:0.2W)。外形寸法は440W×123H×453Dmm、質量は15.3kg。
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