PCオーディオを“PCと向き合わずに”操作する方法とは?
音楽ファンのための “ネットオーディオ” 完全ガイド【第10回】PCオーディオで楽しむ(4)オーディオルームとPCの親和性
■PCとオーディオルームの親和性を考えてみる
それでは、机の上から舞台を移し、PCとオーディオルームの親和性について考えてみましょう。
さて、こんな光景を見たことはないでしょうか。
ラックの上にノートPCとUSB-DACがそのまま置かれている、という状況です。PCとDACの接続にはUSBケーブルを使い、DACからアナログ音声ケーブルがアンプに繋がっています。オーディオの試聴会等でよく見かける光景だと思いますが、どうでしょう。ちなみに、ノートPCとUSB-DACを置く前の筆者のオーディオ環境はこんな感じでした。
いわゆるオーディオルームと呼ばれる部屋で、PCを置いたラックと視聴位置は2メートル以上離れています。この状態からどうやってPCを操作して音楽を聴きましょうか。少なくとも、何かしら操作をするたびにラックと椅子を往復するなんてありえません。そんなことをするくらいなら、それこそ素直にCDプレーヤーを使います。
とりあえず、サイドテーブルにワイヤレスマウスを持ってきました。
遠すぎて画面がまともに見えないので操作は無理です。
だったら画面を大きくすればいいじゃない、ということで大きくしてみました。ちなみにディスプレイのサイズは27インチです。ノートPCは住処を追われて床置きになりました。
やっぱり無理です。27インチというサイズでもまったく不十分です。筆者のオーディルームはシアター用に100インチの電動スクリーンがあるので、いっそPC画面を映すためにそれを降ろしましょうか。しかし、音楽を聴く際にいちいちスクリーンを降ろしてプロジェクターを点けて、なんてことを考えると部屋を暗くする前に気分が暗くなります。
では、もっと大きな、50インチくらいのテレビを置いてディスプレイとして使いましょうか。しかし、なぜPCの画面を映すためだけにそんなことをしなければならないのかという疑問を拭い去れません。
というわけで、今度はPC自体を持ってきました。
こちらも割とよく見かける光景です。これならPCの画面サイズは問題になりませんし、マウスもキーボードも手元にあるので完全なコントロールが可能です。
しかし、ここからラックに置いたUSB-DACまで最短距離で繋いだとしても、USBケーブルは少なくとも3メートルは必要です。せっかくスピーカーの間にラックと機材を集約したのに、今さら床に新しくケーブルを這わせたくありません。USB-DACも手元に持ってきたところで、USBケーブルが短くて済むだけで同じことです。結局音声ケーブルや電源ケーブルが必要になります。
今度はPCをラックに置いたまま、ディスプレイを手元に持ってきてみました。
……映像ケーブルはどうしましょう。ノートPCあるいはディスプレイをサイドテーブルに持ってきたとしても、どのみち操作をする時は横を向いてマウスをカチカチ、音が出れば正面に向き直り、別の曲を聴こうと思えばまた横を向いてカチカチする羽目になります。
ノートPCやディスプレイを視聴位置の正面に置けば、いちいち体の向きを変える必要はなくなります。オーディオ的な大前提としてディスプレイが音の邪魔をしないことを確かめたうえで、なおかつ手元からケーブルが伸びるのを厭わないのであれば、単に操作するだけならこの置き方が適している気がします。スペースが許すなら、十分なサイズのディスプレイをラックに置いてPCの画面を表示させるというのも有効でしょう。
ただ、どうしても力技の感が否めません。というより、解決の方向性を根本的に間違えているような気がします。
それでは、机の上から舞台を移し、PCとオーディオルームの親和性について考えてみましょう。
さて、こんな光景を見たことはないでしょうか。
ラックの上にノートPCとUSB-DACがそのまま置かれている、という状況です。PCとDACの接続にはUSBケーブルを使い、DACからアナログ音声ケーブルがアンプに繋がっています。オーディオの試聴会等でよく見かける光景だと思いますが、どうでしょう。ちなみに、ノートPCとUSB-DACを置く前の筆者のオーディオ環境はこんな感じでした。
いわゆるオーディオルームと呼ばれる部屋で、PCを置いたラックと視聴位置は2メートル以上離れています。この状態からどうやってPCを操作して音楽を聴きましょうか。少なくとも、何かしら操作をするたびにラックと椅子を往復するなんてありえません。そんなことをするくらいなら、それこそ素直にCDプレーヤーを使います。
とりあえず、サイドテーブルにワイヤレスマウスを持ってきました。
遠すぎて画面がまともに見えないので操作は無理です。
だったら画面を大きくすればいいじゃない、ということで大きくしてみました。ちなみにディスプレイのサイズは27インチです。ノートPCは住処を追われて床置きになりました。
やっぱり無理です。27インチというサイズでもまったく不十分です。筆者のオーディルームはシアター用に100インチの電動スクリーンがあるので、いっそPC画面を映すためにそれを降ろしましょうか。しかし、音楽を聴く際にいちいちスクリーンを降ろしてプロジェクターを点けて、なんてことを考えると部屋を暗くする前に気分が暗くなります。
では、もっと大きな、50インチくらいのテレビを置いてディスプレイとして使いましょうか。しかし、なぜPCの画面を映すためだけにそんなことをしなければならないのかという疑問を拭い去れません。
というわけで、今度はPC自体を持ってきました。
こちらも割とよく見かける光景です。これならPCの画面サイズは問題になりませんし、マウスもキーボードも手元にあるので完全なコントロールが可能です。
しかし、ここからラックに置いたUSB-DACまで最短距離で繋いだとしても、USBケーブルは少なくとも3メートルは必要です。せっかくスピーカーの間にラックと機材を集約したのに、今さら床に新しくケーブルを這わせたくありません。USB-DACも手元に持ってきたところで、USBケーブルが短くて済むだけで同じことです。結局音声ケーブルや電源ケーブルが必要になります。
今度はPCをラックに置いたまま、ディスプレイを手元に持ってきてみました。
……映像ケーブルはどうしましょう。ノートPCあるいはディスプレイをサイドテーブルに持ってきたとしても、どのみち操作をする時は横を向いてマウスをカチカチ、音が出れば正面に向き直り、別の曲を聴こうと思えばまた横を向いてカチカチする羽目になります。
ノートPCやディスプレイを視聴位置の正面に置けば、いちいち体の向きを変える必要はなくなります。オーディオ的な大前提としてディスプレイが音の邪魔をしないことを確かめたうえで、なおかつ手元からケーブルが伸びるのを厭わないのであれば、単に操作するだけならこの置き方が適している気がします。スペースが許すなら、十分なサイズのディスプレイをラックに置いてPCの画面を表示させるというのも有効でしょう。
ただ、どうしても力技の感が否めません。というより、解決の方向性を根本的に間違えているような気がします。